Jogo 〜試合速報〜 足元を救われた南米王者。4失点で来日前に不安も? 第38節 インテルナシオナウ 1-4 ゴイアス
ブラジル全国選手権は、12月2〜3日に最終節が行われた。ポルト・アレグレのエスタジオ・ベイラ・ヒオで行われた インテルナシオナウ×ゴイアス は、FWウェウリトンのゴールを皮切りに4点を奪ったゴイアスが快勝した。インテルナシオナウは敗れても来年のコッパ・リベルタドーレス出場権は手にしたが、最終節で予期せぬ大敗を喫したことで来日後の FIFA世界クラブ選手権に向けて一抹の不安を残した。 静かな立ち上がりで幕を開けた試合は20分に動いた。一本の縦パスに反応したFWウェウリトンがGKクレーメルをかわして無人のゴールにボールを転がして先制。余談ではあるが、FWウェウリトンがあげたこのゴールは、1971年から今に至るブラジル全国選手権の歴史を物語る上で欠かせない記念すべき1,000ゴール目であった。追いすがるインテルはDFイダルゴなどが果敢に攻め上がるが訪れた複数のチャンスをものにできず。39分には相手の足をすくい上げたDFレオナルドが一発退場に処せられてインテルに流れが傾きかけたが、ゴイアスは41分にMFルシアーノ・アウメイダがフリーキックを直接決めて 2-0 。インテルは一人多いにも関わらず2点のビハインドを背負って前半を折り返すことになった。 後半に突入しても主導権は依然としてゴイアスにあった。カウンターからPKを得たゴイアスはMFホメリートが冷静に決めて3点目。トドメは60分、MFクレーベル・ガウーショがフリーキックを直接沈めて 4-0 と大量リードを得た。その後インテルはセットプレイから1点を返したが、南米王者の反撃もここまで。ジェニーニョ率いるゴイアスを前に、インテルナシオナウは為す術なく敗れた。 インテルナシオナウは、FIFAクラブ選手権に弾みをつける意味でも勝利が欲しかったはずが、あろうことか4失点で大敗。相手のスピードに対応しきれなかっただけでなく、セットプレイからも2失点を喫する有様だった。同様の、否、ゴイアス以上のクオリティを誇るバルセロナ ( スペイン ) が相手となったとき、この日のような軽薄な守備をしているようでは一体いくつの失点を喫するだろうか。リベルタドーレスを制したチームとは思えない無惨な敗戦を披露してしまったインテルナシオナウ。ブラジレイロンでは何とか3位以上を確保したが、日本での戦いには一抹の不安を残した。 一方のゴイアスは、ジェニーニョ監督の復帰とともに調子は上向き、一時は降格圏内にあえいでいたチームもちゃっかりとスダメリカーナ出場権を手中におさめる順位にまで登りつめた。コリンチャンスでは結果の出なかった知将も、親しみ慣れたゴイアスとなれば話は別。手の内におさめた選手の采配においてジェニーニョが一流であることを、少ない期間で改めて証明してみせた1年でもあった。今年は不安定な1年に終わり、MFジャジウソンのサンパウロ行きもすでに確定してはいるが、来年はまたサポーターに夢を見せることもできるはず。そう、幹部がよほどの愚行にでも及ばない限りは。
写真右上; 相手のチャージをもろともせず果敢に攻め上がるFWウェウリトン ( ゴイアス / 左 ) 。先制ゴールを決めるなどこの日は冴えていた。
Partidos 〜試合結果〜 最終節 ( 2006年12月3日 )
Regulamento 〜レギュレーション〜
▼ セリエA、セリエB、セリエCの3部構成。
▼ 上半期に行われる州選手権とは全く独立した大会。 よって州大会で優勝してもその結果は全国選手権の部編成に何の影響も及ぼさない。 州ではチャンピオンを争うチームでも全国選手権では2部ということもある。 ▼ 1シーズン通年制で行われる。ホーム&アウェイの総当たりで、最終順位が決まる。 ▼ 4位以上は、コッパ・リベルタドーレス出場権を獲得。 5〜11位は、コッパ・スダメリカーナ出場権を獲得。 2006年は、最終順位17位以下の4チームがセリエBに降格。 Historia 〜歴史〜
ブラジルは1970年で既にW杯3回優勝を成し遂げていた。にもかかわらず統一された全国大会が存在しなかった。今でも根強い人気を誇っている州選手権だが、元々は各州選手権がブラジルサッカーの基盤になっていた。 そのなかでサンパウロ州とリオ・デ・ジャネイロ州が中心的存在としてブラジルサッカー界をリードして、その他のサッカーが盛んだった州、例えばミナス・ジェライス州、ヒオ・グランジ・ド・スウ州などが集まり大会を開くこともあった。
1970年頃、ブラジルは軍政時代で、国の統一や発展に力を入れていた。サッカー界にもその流れが及び、1971年初めて全国規模の Campeonato Brasileiro が誕生。第1回王者は、テレ・サンターナ監督率いるミナス・ジェライス州のアトレチコ・ミネイロだった。 伝統チーム、強豪チームをしてもなかなかチャンピオンには手が届かない。例えば、クルゼイロはリベルタドーレス杯やスーペルコッパという南米の国際大会での優勝経験はあるが、ブラジル全国選手権では2003年にようやくチャンピオンの座に就くことができた。国内で最もハイレベルな大会が ブラジル全国選手権 である。 2002年まではリーグ戦ののち、上位8チームで決勝トーナメントを争う形式がとられていたが、2003年から完全リーグ制に移行した。 |
Clasificação 〜順位表〜 第37節終了現在
2006年11月26日
(左から 順位/勝ち点/チーム名)
※5位以上はリベルタドーレス出場権を獲得。 6〜13位は、スダメリカーナ出場権を獲得。 17位以下は、セリエBに降格。 Goleadores 第37節終了現在
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