Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜 アンドラージの右足が炸裂! バスコ、同一カード3連敗を免れる。
第25節 コリンチャンス 1-1 バスコ・ダ・ガマ
ブラジル全国選手権は、9月20〜21日に第25節が行われた。サンパウロのパカエンブーで行われた コリンチャンス×バスコ・ダ・ガマ は、互いに1点ずつを取り合い引き分けた。スダメリカーナでコリンチャンスに2連敗中のバスコは、かろうじて同一カード3連敗を免れた。 試合は、7分にFWジェアンがシュート。GKマルセーロが俊敏で反応でボールを弾いたがバスコが効果的な攻めをみせた。バスコはその後もミドルシュートなどで相手ゴールに迫り、コリンチャンスを苦しめていった。序盤はバスコが試合を支配していた。そして迎えた40分、フリーキックを得たバスコは、MFアンドラージが約38mの距離をもろともせず得意の右足を振り向く。鋭く伸びたシュートは壁を越えたあたりで右にカーブがかかり、GKマルセーロの手から逃げるようにしてゴール右隅に突き刺さった。爽快で鮮やかなフリーキックがバスコ・ダ・ガマに先制点をもたらした。 バスコのリードで迎えた後半、エメルソン・レオン監督はMFホージェルとMFカルロス・アウベルトに代えてMFハモンとMFホジネイを、FWアモローゾに代えてFWナジソンをそれぞれ投入。大胆な選手交代に活路を見出したコリンチャンスは、66分に執念で同点に追いついた。MFホジネイが蹴った右コーナーキックから最後はゴール前で待ちかまえていたFWハファエウ・モウラが右足で押し込んで同点に追いついた。その後、両者はそれぞれ2点目を狙って攻撃的に出るがもう一押しが足りず引き分け。仲良く勝ち点1ずつを分け合う形でタイムアップを迎えた。 コリンチャンスは飽きていたのか、スダメリカーナに続く今月3度目の対戦となったバスコを相手に攻めあぐね、スダメリカーナのように勝ちきることができなかった。エメルソン・レオン監督は スダメリカーナ 2nd.Legと全く同じ布陣でスタメンを組み、そのときと同様の結果を求めたが同じようにはいかず。後半に相次いで投入した3人がそれぞれに仕事をして敗戦を免れたが、何とも言い難いもどかしい内容であった。カップ戦だけでなくリーグ戦でも星を落とすわけにはいかない今年のコリンチャンスにとって、この引き分けはどう捉えるべきか。 一方バスコ・ダ・ガマのヘナット・ガウーショ監督は、スダメリカーナ 2nd.Legと全く同じイレブンで臨んだ相手の手の内を読み、効率的な守備を指示。指示通りに動いた選手たちは相手に好き放題させず、失点を最小限に防いで引き分けに持ち込んだ。エジウソン退団以後前線が機能していないのは相変わらずだが、負けなかったことを評価したい。 今のバスコの支えになっているのはセットプレイからのチャンスメイク。とくにMFアンドラージの右足が生み出した豪快なフリーキックによるゴールは、この日で今季2度目。そのキックの決定率たるや、あのMFジュニーニョ・ペルナンブカーノ ( リヨン ) に負けず劣らずの高い精度を誇ることをこの試合で証明してみせた。リヨンにジュニーニョあり、サンパウロにホジェーリオ・セーニあり、サントスにホドリーゴ・タバタありなら、バスコにはアンドラージの右足がある。チームを同一カード3連敗から救ったアンドラージのフリーキックは、近いうちに高い注目を浴びるはずだ。 写真; 40分、MFアンドラージ ( バスコ・ダ・ガマ ) の豪快なロングフリーキックが、GKマルセーロの左手をすり抜けてゴールに吸い込まれる。写真に写る10番はFWモライス。
|