元柏レイソルのエジウソン、東京ヴェルディ1969 に移籍。

　その移籍は急遽報じられた。Ｊリーグ１部復帰を目指している東京ヴェルディ1969が、かつて柏レイソルに２度所属したFWエジウソン ( バスコ・ダ・ガマ ) の代理人と接触。密かに交渉を進めて同選手の獲得に成功したとの報道が流れた。これに伴い、バスコ・ダ・ガマはエジウソンを放出することになった。

　ブラジルの大手スポーツ情報機関「ガゼッタ・エスポルチーバ」によれば、移籍交渉は8月28日の夜に終了した模様で、獲得に成功した東京ヴェルディは約15万ドル ( 日本円で約1,750万円 ) の月給を支払う内容の契約をとりつけたとされている。しかし、2006年8月30日12:45pm 現在でエジウソンのヴェルディ移籍を報じている日本の公的機関はなかった。ヴェルディの公式サイトでも何の発表もない。

　エジウソンこと本名エジウソン・ダ・シウバ・フェヘイラは、1970年9月生まれで現在35歳。1990年にインドゥストリアウでデビューすると、パウメイラス、ベンフィカ ( ポルトガル ) を経て1996年に柏レイソルへ移籍。167cmと小柄だが驚異的なスピードと巧みなフェイント、ずば抜けたシュートセンスを持ち合わせ、当時の日本のサッカーファンに大きな衝撃を与えた選手だ。2002年にはブラジル代表の一員として韓日Ｗ杯にも出場。その直後に再度柏レイソルでプレイしている。
　2004年にはビットーリア ( バイーア州 ) でゴールを量産。当時、FWワシントン ( 現浦和レッズ ) やFWアレックス・ジーアス ( 現サンパウロ ) らとともにブラジル全国選手権で得点王争いを演じた。2006年にはバスコ・ダ・ガマに移籍。リオ・デ・ジャネイロ州選手権ではFWホマーリオとのベテラン２トップで話題を呼んだ。

　バスコ・ダ・ガマのヘナット・ガウーショ監督はエジウソンが日本のクラブチームと移籍交渉を行っていたことを知らず、突然の発表に困惑したという。

　しかし、今季のエジウソンはバスコ・ダ・ガマで22試合に出場しているが、わずか４得点と一時期の輝きを失っているかのようにも見える。まだ体力の衰えはないと本人は語っているが、とはいえ現在35歳。柏レイソルで日本人の度肝を抜いた25歳の頃と比較すると、10年前のような活躍は期待できないだろう。

　ボタフォゴを離れて UAE のクラブに移籍したFWドドー ( 元大分トリニータ ) のことを、ボタフォゲンセ ( ボタフォゴのサポーター ) は「オイルマネーの誘惑に負けた愚か者」と揶揄した。バスコを離れて３度目のＪリーグ移籍を決めたと報じられたFWエジウソンのことを、バスカーノ ( バスコ・ダ・ガマのサポーター ) はどんな皮肉で表現するのだろうか。

　写真右上；　３度目のＪリーグ移籍が決定か？！　急遽バスコを離れることになったFWエジウソン ( 元ブラジル代表 ) 。写真は今年７月に行われたブラジル全国選手権第14節での一幕。
　写真左下；　エジウソンの退団を知ってうつむくヘナット・ガウーショ監督 ( バスコ・ダ・ガマ ) 。

※　エジウソンの移籍情報は、8月28日にブラジルで報じられたニュースに「ヴェルディ移籍」となっておりましたが、数時間後には「グランパスへ」と変更。ところが後日Ｊリーグ行きをエジウソン本人が否定するなど、様々な情報が流れております。9月2日現在でエジウソンの移籍先は確定していませんので、ご注意願います。　→　エジウソン関連情報の詳細