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Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜

エジウソン騒動の詳細

 8月28日。かつて柏レイソルでプレイしていたFWエジウソン ( バスコ・ダ・ガマ / 元ブラジル代表 ) がJリーグに移籍するという報道がブラジル国内でなされた。一発目の報道では東京ヴェルディ1969 ( J2 ) に移籍するという内容だったが、そこから2時間後に発せられた2つめのニュースでは、名古屋グランパスエイト ( J1 ) に移籍すると報じられた。このとき、日本国内ではエジウソンの来日を報じた公的機関は存在していなかった。

 8月29日。リオ・デ・ジャネイロのエスタジオ・サン・ジャヌアーリオで記者会見を開いたバスコ・ダ・ガマのエウリコ・ミランダ会長は、「エジウソンにあるクラブからオファーが届いた。エジウソン本人もそのオファーに気を良くしていた。世間はゴール数が少ないと批判しているが、私はエジウソンの活躍を高く評価している。彼はブラジレイロンで3度の優勝経験をもっており、35歳になった今も衰えは見られない。彼はムードメーカーとしてチームを引っ張ってくれていたし、ピッチ外でも良き人格者だ。彼に対して不平不満を言う人間はいない。ヘナット・ガウーショ ( 監督 ) との関係も良好だった。そんな彼が移籍に前向きだったから、我々は寂しい気持ちを押し殺して彼の移籍を認めたんだ。彼とは何の確執もない」と断言。同日付けでエジウソンとの契約を解消したことを公表したが、移籍先については何も語らなかった。

 8月30日。記者会見を開いたエジウソンが、移籍すると思われていた名古屋グランパスエイトへの移籍を否定する主旨の発言をした。
「名古屋グランパスからオファーをもらったのは事実だけど、まだぼくは日本に行く決意はしていない。インテルナシオナウやボカ・ジュニオールスからもオファーが来ているし、そっちに移籍する可能性もあるから」
 また、ヘナット・ガウーショ監督との確執についてはキッパリと否定した。
 そして同日、バスコ・ダ・ガマはエジウソンの後釜を探していることを公表。アメリカ・ミネイロのFWエウレルか、パウメイラスに所属するコロンビア人FWムーニョスと具体的に名前まで明かしたが、まだ交渉はまとまっていないという。ちなみに、ムーニョスは8月29日付でゴイアスへの移籍が決定していたため、バスコ側のコメントには矛盾がある。

 8月31日。若手有望株のFWファイオーリが報道陣の取材に応じた。彼は「エジウソンのような経験豊富な選手がチームを離れるのはすごく寂しい。でも現実を受け止めて前に進まなければならないと思う。ぼくはまだまだ未熟だけど、エジウソンの抜けた穴をちょっとでも埋められるように一生懸命練習していくつもりだし、試合にも出られるようにがんばる」と述べた。これでエジウソンのバスコ離脱の事実は確信に変わったが、ファイオーリはエジウソンの移籍先を知らないと言った。

 9月1日。バスコがエジウソンの後釜候補に狙いを定めたことがわかった。その選手とは、全国選手権2部で活躍するブラジリエンセのFWワルレイ。FWムーニョスがゴイアスに移籍したことを受けワルレイに狙いを定めたそうだが、バスコ側は1ヶ月以上前からワルレイの獲得を試みていたそうだ。バスコの動きは本気であろう。

 紆余曲折を経て迎えた9月3日の第22節。バスコは、フルミネンセとのクラシコにジェアンとファイオーリの2トップで臨み、目立った輝きもなく 1-1 で引き分けた。エジウソンの去就について明らかにならないまま、バスコは新たなスタートを切っている。

2006年9月3日
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