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Copa TOYOTA Libertadores 2005 〜コッパ・リベルタドーレス〜

ブラジル人は高所がお嫌い? サントス、ラ・パスの標高に泣く。
グループリーグ第1節 グループ2 ボリーバル 4-3 サントス

 コッパ・リベルタドーレスは、2月15日にグループリーグが開幕、南米各地で死闘が繰り広げられている。ボリビアの首都ラ・パスにあるエスターディオ・エルナンド・シーレスで行われたグループ2の第1節 ボリーバル ( ボリビア ) ×サントス ( ブラジル ) は、4-3 でサントスを振り切ったボリーバルが、暫定ながらグループ首位に立った。

 試合は、点の取り合いになった。開始早々、MFセルマッテンのゴールでボリーバルが先制。公式記録では1分のゴールとなったが、実際には試合開始のホイッスルから数十秒しか経っていなかった。ホームチームのいきなりの先制に、エルナンド・シーレスは歓喜の渦に包まれた。その後もボリーバルは幾度となくサントスのゴールマウスを脅かしたが、次にスコアを動かしたのはサントスだった。26分、FWデイビッジが同点弾を叩き込み、ふりだしに戻した。
 1-1 で迎えた後半、52分にMFセルマッテンがこの日2点目となるゴールをあげて再びボリーバルがリードを奪ったものの、その8分後にFWデイビッジもまた、この日2点目となるゴールをあげ、試合を再びふりだしに戻した。取っては取られるボリーバルと、取られては取るサントス。試合は、その主導権を徐々に握り始めていたサントスに分があった、84分までは…。

 この試合で勝利をおさめたのはボリーバルだった。85分にMFセルマッテンがハットトリックを達成し、さらに87分にはFWカブレラがダメ押しとなる4点目を決めて勝負あり。主導権を握りかけたサントスの邪魔をしたのは、ラ・パスの薄い酸素だった。
 ボリビアの首都ラ・パスの標高は、3,650m という考えられないほどの高地にある。日本に例えるなら、富士山 ( 標高3,776m ) の山頂付近とほぼ同じなのだ。港まである標高100m未満のサントス市内で日常を過ごしている選手にとって、3,650m という標高がどんなに辛いかは、もはや言うまでもない。
 試合後、ボリーバルのウラジミール・ソーリア監督は「失点を最小限に抑えれば、終盤には我々にチャンスが訪れると思っていた。その通りになったよ」と話した。サントスが終盤に失速することを、はじめから予測していたのだ。昨年、コッパ・スダメリカーナ決勝へと導いた知将を、侮るべからず。

 仮にサントスが高地に弱いとすれば、3月17日に行われるリーガ・デ・キトとの一戦も厳しいものになるだろう。ラ・パス以下とはいえ、標高2,000mを越えるキトの酸素もまた薄いのだ。高地でブラジル人が実力を発揮できなかったのは、前例 ( 2004年11月17日のW杯南米予選第11節 エクアドル×ブラジル ) もあるだけに、予断は許されない。

 ディフェンディング・チャンピオンならぬ「ディフェンディング・キーパー」ファン・カルロス・エナオにとっては最悪の試合となった。自慢のセービングで昨年リベルタドーレスを席巻した立役者が、90分間で4度もゴールネットを揺らされた。
 サントスは日曜に州選手権を終えてから来日する。ヴィッセルとアントラーズの前に現れるサントスは、ビラ・ベウミーロのサントスなのか、それともエルナンド・シーレスのサントスなのか。MFカーザグランジ、MFエラーノを放出し、MFヒカルジーニョが不在の今、FWホビーニョとFWデイビッジだけがサントスの「希望」である。

 写真右上; サントスは、後半ロスタイムにFWホビーニョ ( 写真中央 ) が一矢報いるも、時すでに遅し。

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