Copa NISSAN Sudamericana 2007 〜 コッパ・スダメリカーナ 2007 〜 ボカに待っていた悪夢。アウェイゴール差でサンパウロがベスト8決める。
決勝トーナメント1回戦 2nd.Leg
サンパウロ 1-0 ボカ・ジュニオールス コッパ・スダメリカーナは、9月26日に各地で決勝トーナメント1回線の 2nd.Leg が行われた。ブラジルはサンパウロのモルンビーで行われた サンパウロ×ボカ・ジュニオールス は、FWアロイージオの決めた虎の子の一点を守りきったサンパウロが辛勝。2試合合計は 2-2 となったが、前節敵地で1点を決めていたサンパウロがアウェイゴール・ルールによりベスト8へと進出した。ボカは昨年に続き、決勝トーナメント1回戦で姿を消すこととなった。 試合は、サンパウロが開始4分にMFレアンドロがゴールポストをかすめるきわどいシュートで決定機をつくれば、ボカはカウンターから前線にボールを集める素早い攻めで対抗。序盤から激しい攻防が繰り広げられた。サンパウロは次第にボールの支配率を上げ、18分、24分にはMFエルナーネスがシュート。29分には左サイドに流れたFWダゴベルトが角度のないところからシュートを放ち、ボカのゴールを脅かしていった。 試合が動いたのは後半。49分にMFソウザのバイシクルシュートでチャンスをつくったサンパウロは、54分に先制する。ドリブルでペナルティエリア付近まで上がったFWダゴベルトのシュートが相手に当たって最終ラインの頭上にふわりと浮く。ボカがこれをクリアしきれず再度空中に浮いたボールを、相手の裏に回り込んだFWアロイージオが胸でトラップして左足を振り抜いた。左に飛んだGKカランタの逆をつくボレーシュートがゴールネットに突き刺さり 1-0 。2試合合計で 2-2 に追いつき、かつ合うウェイゴール差で優位に立った。 これで是が非でもゴールを決めなければならなくなったボカは、一転して攻勢に転じるとコーナーキックなどセットプレイを起点にして相手ゴールに迫っていく。70分にはゴール前での競り合いを契機にFWパレルモがFWアロイージオを罵り、ピッチ上で小競り合いが起こるなど殺伐とした空気が流れた。その後は両者ともにゴールを奪えずタイムアップ。ボカは最後まで攻めながらサンパウロの堅い守備を崩しきれず、ベスト16での敗退が決まった。 ブラジル全国選手権でも首位をひた走るサンパウロの強さは本物だ。この試合では攻守のバランスが非常にうまく保たれており、前節ラ・ボンボネーラで見られた弱腰のディフェンスもしっかりと改善されていた。加入してから日を追うごとに周囲との連携を深めていったFWダゴベルトは、前線で何度も攻撃の起点となり、FWアロイージオのゴールを演出するなど活躍。最近のサンパウロは、MFジョズエの放出も気にならないほど充実している。ブラジレイロンとの「二冠」を目指して、サンパウロの快進撃は続く。 この試合で敗退が決まったのはボカ。大会連覇を果たした2004年、2005年のシーズンと比べると異なる点は選手の顔ぶれだ。05年にはDFスキアービ、MFガーゴ、MFフェデリコ・インスーアが、そして04年にはFWテベスがいた。ビッグネームは少なくなったが、それでも戦力は大幅なダウンをしたわけではない。だが、昨年はナシオナル・モンテビデオ相手にPK戦の末敗れ、そして今年はサンパウロの勢いに飲み込まれてしまった。敗退は残念だが、国内リーグに気持ちを切り替えて全力を尽くせば、ボケンセも納得してくれるはずだ。
写真右上; アウェイゴール差で敗退が決まり、肩を落としてピッチを去るボカのイレブン。口元を拭いながらピッチを去るFWマルティン・パレルモ ( 中央 ) の表情は、何とも悔しげだった。
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