Campeonato Brasileiro 2007 〜ブラジル全国選手権 2007〜 勝敗を分けた完成度の差。因縁のクラシコはフルミネンセが制す。
第30節 フラメンゴ 0-2 フルミネンセ
ブラジル全国選手権は10月6〜7日に第30節が行われた。サントスのビラ・ベウミーロで行われた「クラシコ・カリオカ」 フラメンゴ×フルミネンセ は、FWソマーリアのゴールで立ち上がりに先制したフルミネンセが逃げ切り勝ち。勝ち点を47まで伸ばし、リベルタドーレスの出場権獲得に望みをつないだ。 「フル-フラ」と呼ばれる因縁のクラシコは、深い霧の中キックオフ。最初に仕掛けたフルミネンセは2分、右に開いてボールを受けたFWアレックス・ジーアスが右足のアウトサイドでゴール前にパス。飛びこんだFWソマーリアが右足で合わせ、ゴールの隅にボールを転がしていきなり均衡を破った。フルミネンセはその後もFWアレックス・ジーアスを軸にした攻撃で相手ゴールを脅かしていく。フラメンゴも何度か見せ場は作ったがゴールを割れず、前半は 1-0 で終了した。 後半、フルミネンセはまたも立ち上がりを突いて追加点を奪取する。48分、味方のスルーパスに反応したFWソマーリアがペナルティエリア内でシュートを放つが、シュートコースをふさぎにきた相手選手の背中に当たってボールの軌道が変わる。しかしこれが功を奏し、ファーサイドに走り込んでいたMFチアーゴ・ネービス ( 元ベガルタ仙台 ) のゴールをお膳立てする形となった。フルミネンセは良い時間帯にゴールを重ねてリードを2点に広げた。 フルミネンセはその後も素早いボール回しで決定機を連発。結局、2-0 でフルミネンセが制したが、内容はスコア以上に差があった。フルミネンセの快勝だった。 今季はネイ・フランコ監督の解任など内輪でのごたごたが目立つフラメンゴ。かつてベガルタ仙台も率いていた名将ジョエウ・サンターナが監督に就任してからは、徐々に勝利を意識する戦いができるようにはなったが、チームの完成度では宿敵フルミネンセにはかなわなかった。攻守の切替こそスムーズだったがチャンスらしいチャンスもまばらで、相手の最終ラインに攻撃を封じ込まれた感は否めない。動きがキレていたのが、何度も右サイドをドリブルでえぐったDFレオナルド・モウラ一人だけでは勝つのは難しい。 一方フルミネンセは、頭脳派ヘナット・ガウーショ監督の下好調をキープ。サンパウロでは鳴かず飛ばずのFWアレックス・ジーアスもこのクラブでは本来の動きを取り戻しており、長身ソマーリアとのコンビも機能している。そして、ペトコヴィッチの抜けた穴は元ベガルタ仙台のMFチアーゴ・ネービスがしっかりとカバー。「10番」に値するプレイでチームの攻撃を支えており、サポーターの信頼も厚い。4位パウメイラスとの勝ち点差は3。来年のリベルタドーレス出場に向けて、彼らの挑戦は続く。
写真右上; チームの得点源であるFWソマーリア ( フルミネンセ / 手前 ) は、開始2分にゴールゲット。
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