ここは、南米サッカーサイトです。   ブログサイトマップ

Copa América 〜 コッパ・アメリカ 2007 〜

MVPは酷暑?電灯?否、ドーニだ! セレソン、接戦を制して決勝へ。
準決勝 ウルグアイ 2-2 (PK:4-5) ブラジル 

 コッパ・アメリカはベネズエラのマラカイーボで準決勝が行われた。エスターディオ・ホセ・パチェンチョ・ロメーロで行われた ウルグアイ×ブラジル は、90分を終えて 2-2 。PK戦の末、ブラジルが決勝戦の切符を手にした。

 試合は、立ち上がりから相手陣内に攻め込んだブラジルが12分に先制。MFジュリオ・バチスタが右サイドを駆け上がって中央に送ったボールを、MFミネイロがペナルティエリアに持ち込みシュート。GKカリーニが弾いたセカンドボールをDFマイコンが右足ボレーでゴールに押し込み、ブラジルが優位に立った。
 ここから畳みかけようとしたブラジルが相手陣内でスローインをしようとした15分、突然スタジアムの照明がショートしたため主審は試合の中断を決定した。DFディエゴ・ルガーノが「この明るさなら(試合は)できる」と主審に訴えたが、この中断は13分にも及んだ。
 再開された試合は、ブラジルがつかみかけた流れを失うまいと前がかりに攻め、23分にはMFジュリオ・バチスタがフリーキックを放つ。しかし、逆に体勢を立て直したウルグアイもボールを支配する時間を増やし、26分にはFWディエゴ・フォルランが振り向き様にシュート。これで生まれたFWレコバのフリーキックから何度か決定機をつくった。そして36分、FWレコバのフリーキックをGKドーニが弾いたとろにFWフォルランがフリーでシュート。ボールはGKドーニの手をかすめてゴールマウスに吸い込まれた。
 だが、ブラジルは40分にFWホビーニョが倒されて得たフリーキックをMFジュリオ・バチスタが右足でシュート。当たり損ないのシュートだったが、これがゴールネットを揺らせてブラジルが前半のうちに勝ち越した。

 後半、ブラジルは立ち上がりにMFジュリオ・バチスタがフリーキックを直接狙うなどチャンスをつくる。しかし、ゴールを決めたのはウルグアイだった。70分、左サイドを上がったDFフシーレがエンドライン際から折り返したボールをFWフォルランが頭で合わせると、逆サイドからMFセバスティアン・アブレウが詰めて 2-2 の同点とした。その後は息詰まる攻防に。追いつかれたブラジルは87分にフリーキックをDFアレックスが直接狙ったがシュートは大きく枠の外に逸れてゴールならず。試合は 2-2 でPK戦に持ちこまれた。

 迎えたPK戦。先攻のブラジルはFWホビーニョが決めたのに対し、後攻のウルグアイは一人目のFWフォルランがGKドーニに脚で止められる。2〜3人目は両軍ともに決めて迎えた4人目。ブラジルはFWアフォンソ・アウベスがPKをはずし、ウルグアイはMFクリスティアン・ロドリゲスがゴールゲット。これで 3-3 となり、勝負の行方はわからなくなった。5人目はともに決めて迎えた6人目。ブラジルは途中出場のMFフェルナンドが止められたが、ウルグアイもMFパブロ・ガルシアがPK失敗。そして7人目。ブラジルはDFジウベルトが冷静に決めたのに対し、ウルグアイはDFディエゴ・ルガーノのシュートがGKドーニに止められ、この瞬間ブラジルの決勝進出が確定した。

 前回王者撃破まであと一歩のところまで迫ったウルグアイは、悔やみきれない敗れ方で3位決定戦にまわることになったが、勝つ資格は充分あった。照明の不具合による中断に動揺せず、二度のビハインドを追いつき、PK戦にまで持ち込んだのだからブラジルとの力の差はさほどなかったと言っていいだろう。これまで同大会ではブラジル相手に五分の成績を残してきたウルグアイ。髪の毛を金色に染めたFWレコバの途中交代がなければ、90分以内で勝てていたかもしれない。本気で優勝を狙ったウルグアイの健闘を素直に評価したい。

 一方ブラジルを決勝に導いたのはやはり運の強さか。先の試合で目を覚ました攻撃陣の動きは優れていたが、以前から問題視されている守備はこの日も不安定さを露出した。90分以内に喫した二度の失点は、皆がボールウォッチャーになり、フリーの選手へのチェックを怠った結果生まれたもの。味方同士の声かけやマークの確認などに、まだ難が見られた。それでも最後はPK戦の末勝ったブラジル。PK戦で相手のシュートを3本も止めたドーニのセービングは高く評価できる。近年にないほど評価の低い現代表だが、周囲の雑音を払拭すべく、今回も優勝するしかない。

 写真右上; 中断前の12分にヘディングでチームに先制点をもたらしたDFマイコン ( ブラジル ) 。
 写真左; 中断後の36分、下がった位置から右足を振り抜いて同点弾を叩き込んだFWディエゴ・フォルラン ( ウルグアイ ) 。
 写真右下; 敗退と背中合わせのPK戦で相手のシュートを3本も弾き返したGKドーニ ( ブラジル ) 。


コッパ・アメリカ 2007 準決勝 (10/06/2007)
ウルグアイ 2-2
(PK:4-5)
ブラジル
ファビアン・カリーニ GK ドーニ
ホルヘ・フシーレ
ディエゴ・ルガーノ
ディエゴ・スコッティ
DF マイコン
アレックス
フアン
ジウベルト
ダリオ・ロドリゲス
パブロ・ガルシア
( セバスティアン・アブレウ )
ディエゴ・ペレス
( ワルテル・ガルガーノ )
マキシミリアーノ・ペレイラ
クリスティアン・ロドリゲス
MF ジウベルト・シウバ
ジョズエ
( フェルナンド )
ミネイロ
ジュリオ・バチスタ
( ジエーゴ )
ディエゴ・フォルラン
アルバーロ・レコバ
( イグナシオ・ゴンサーレス )
FW ホビーニョ
バグネール・ラブ
( アフォンソ・アウベス )
ディエゴ・フォルラン 36
セバスティアン・アブレウ 70
ゴール 12 マイコン
40 ジュリオ・バチスタ
ホビーニョ ○
フアン ○
ジウベルト・シウバ ○
アフォンソ・アウベス ×
ジエーゴ ○
フェルナンド ×
ジウベルト ○
PK × ディエゴ・フォルラン
○ ディエゴ・スコッティ
○ イグナシオ・ゴンサーレス
○ クリスティアン・ロドリゲス
○ セバスティアン・アブレウ
× パブロ・ガルシア
× ディエゴ・ルガーノ
ダリオ・ロドリゲス
ディエゴ・スコッティ
ディエゴ・ペレス
イエロー
カード
ジウベルト
フェルナンド
ジウベルト・シウバ
オスカル・タバーレス 監督 ドゥンガ
主審; オスカル・ルイス ( コロンビア )
スタジアム; エスターディオ・ホセ・パチェンチョ・ロメーロ ( マラカイーボ )
ブログサイトマップ