Copa América 〜 コッパ・アメリカ 2007 〜 クラウディオ・ピサーロ、敗色濃厚のペルーを救う。
グループA 第3節 ペルー 2-2 ボリビア
コッパ・アメリカは、ベネズエラのメリーダでグループリーグの2試合が行われた。エスターディオ・メトロポリターノで行われた ペルー×ボリビア は、FWクラウディオ・ピサーロの2ゴールでペルーが引き分けに持ち込んだ。 試合は、慎重な立ち上がりで始まったが、まもなく試合が熱を帯びてくると、まずはボリビアが先制。23分、MFホセリード・バーカが右サイドを駆け上がって後方に折り返したボールをFWハイメ・モレーノがドライブのかかったシュートでゴールネットを揺らせた。しかしペルーはその10分後、右サイドでジャスマニー・カンポスが倒されて得たフリーキックをMFマリーニョが蹴ると、ゴール前でFWクラウディオ・ピサーロが競り、ヘディングシュートを決めて同点に追いついた。 だが、試合は前半にもうひとつ見せ場が生まれた。45分、ロングフィードをMFグアルベルト・モヒーカがトラップして右サイドを突破。ライン際から供給したクロスを、逆サイドから走り込んだMFジャスマニー・カンポスが左足ボレーでゴールに突き刺して、再びボリビアがリードを得た。 後半はペルーの押す時間帯が多かったが、ボリビアは守備に集中して失点を阻止していく。ペルーの攻撃には詰めの甘さも目立ち、このままボリビアの勝利で決まる空気が会場を覆った。だが85分に試合が動いた。ミドルレンジで得たフリーキックをMFマリーニョがクロス。これを再びFWクラウディオ・ピサーロが頭で合わせて、ペルーが同点に追いついた。試合は 2-2 で引き分け、ペルーは虎の子の勝ち点1を獲得した。 決勝トーナメント進出を決めるために勝ち点が必要だったペルーにとって、この結果は満足に値するものだった。先制を許して追いかける苦しい展開を強いられ、1点を追いかける後半は自慢の3トップも不完全燃焼。流れはよくなく、負けてもおかしくない試合だった。そんなペルーを救ったのはバイエルン・ミュンヘン ( ドイツ ) に所属して長い28歳のFWクラウディオ・ピサーロだった。184cmの長身を生かしてセットプレイからヘディングで2点をマーク。センターフォワードとしての役割を全うして、チームに貢献した。まだ結果を残していないFWファルファンとFWゲレーロが本来の働きをしてくれれば大化けする余地も秘めてはいる。 対してボリビアは、勝てる試合を落としてグループリーグでの敗退が確定。かねてから高地ラ・パスでしか勝てないとの風評をこの大会で振り払うことができなかったのが残念でならない。サンチェス監督は試合後「最後の1点 (ピサーロの2点目) がなければ…」と悔しさを露わにした。クラブチームではボリーバルなどが強豪として知られるが、代表では成績のふるわないボリビア。改善するには、今以上にユース育成に力を入れていく"教育"の必要性もあるのではないか。 写真; 85分にチームを救う同点弾を決めたFWクラウディオ・ピサーロ ( ペルー / 左 ) 。右はPSV所属のFWファルファン。
|