Copa América 〜 コッパ・アメリカ 2007 〜 充実一途のアルヘンティーナ。 結果、内容ともにほぼ完璧。
グループC 第1節 アルゼンチン 4-1 USA
コッパ・アメリカはマラカイーボでグループリーグの2試合が行われた。ベネズエラはマラカイーボのエスターディオ・ホセ・パチェンチョ・ロメーロで行われた アルゼンチン×USA は、FWエルナン・クレスポの2ゴールなどでアルゼンチンが快勝した。 試合は、得意のショートパスでボールをつないだアルゼンチンが序盤からリズムをつくり、開始3分にはFWメッシのドリブルから決定機を演出。焦らず試合に入っていった。だが、守勢を強いられたUSAがこの試合の先制ゴールを奪った。7分、スルーパスに反応して裏のスペースに飛び出したFWエディー・ジョンソンがペナルティエリアに侵入したところで、後ろからDFガブリエル・ミリートに押し倒されてUSAがPKを獲得。これをFWエディー・ジョンソン自らが右足で冷静にゴールに沈めた。 しかしアルゼンチンのイレブンはUSAに先制を許しても、焦らずに自分たちのサッカーを続けていく。すると12分に同点ゴールをゲット。セットプレイをMFリケルメがシュートと見せかけて壁の裏にボールを浮かせた。これにDFガブリエル・エインセが反応。エインセのシュートはGKケラーが身を挺して阻んだが、リバウンドをFWエルナン・クレスポがボレーでゴールに押し込んだ。 ここからはアルゼンチンが完全に主導権を掌握。長短織り交ぜたパスで相手を圧倒すると、42分にはMFベロンが右サイドからあわや逆転かと思わせる強烈なミドルシュートを放ち、相手を圧倒した。 後半もボールを支配したアルゼンチンは、テンポよく攻めていく。流れは悪くはなかったが、USAが攻め込む場面も見受けられた。そこでバシーレ監督は57分、布陣に最初のメスを入れた。消える時間帯もあったMFカンビアッソを諦めてMFパブロ・アイマールを投入。攻撃意識の強化を図った。すると、間もなくその効果が現れた。61分にFWメッシが左サイドからドリブルで2人を抜いてシュート。メッシのシュートは枠にいかなかったが、64分にアルゼンチンは逆転に成功。左サイドでボールを持ったFWメッシが起点となると、MFリケルメとのワンツーからペナルティエリアにスルーパス。反応したFWクレスポが右足でゴールを沈めた。道中、攻撃のリズムをあえて遅らせたMFベロンのボールキープも"ベテランの成せる業"であったが、彼以上に素晴らしかったのはFWメッシの緩急を加えたドリブルとパスだった。 その後アルゼンチンは、78分にMFベロン、FWクレスポとつないで左サイドを駆け上がったDFエインセがクロス。これに後方から走り込んだMFアイマールが叩きつけるヘディングシュートで3点目をゲット。さらに85分にはメッシに代わって投入されたFWテベスがタテパスに反応。前線の裏でボールをトラップすると、前を向いてゴール左隅にシュートを決めてUSAにトドメを刺した。 ベロンやリケルメらの代表招集で開幕前から多くの話題を提供してきた「優勝候補筆頭」のアルゼンチンは、初戦からエンジン全開。パスの精度、展開力、攻守の切り替え、個々の個人技、試合運びなど様々な面で卓越していた。テベス、アイマール、ガーゴ、ルチョ、パラシオらをベンチスタートさせても実戦への悪影響は皆無だった。ベンチスタートが濃厚とされたテベスは、一部のマスコミにスタメン出場できないことへの不満を口にしていたが、途中出場でゴールを決めて結果を残した。同じく途中出場のアイマールも、短い時間でも正確なパスで味方の攻撃にリズムを与えていた。今さら書くまでもないが"一流"のプロが集結している今年のアルゼンチン代表。優勝候補筆頭もうなずける。
写真右上; 2ゴールを奪ったFWエルナン・クレスポ ( アルゼンチン / 9番 ) を囲んで喜ぶアルゼンチンのイレブン。
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