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Mundial Sub-20 Canada 〜 U-20ワールドカップ 2007 〜

U-20 連覇なるか? アルゼンチン、隣国チリを一蹴して決勝進出!
準決勝 アルゼンチン 3-0 チリ

 現在カナダで開催中のU-20ワールドカップは、6月19日に準決勝の1試合が行われた。トロントのスタッド・ドゥ・オーラ・ドゥ・イニーシオで行われた アルゼンチン×チリ は、FWディ・マリアのゴールで先制したアルゼンチンがその後もゴールを重ねて快勝。決勝進出を果たした。

 試合は、開始早々の8分にMFマキシ・モラーレスのスルーパスをFWアンヘル・ディ・マリアがシュートに持ち込めば、チリも10分に細かいパスワークからFWニコラス・メディーナが力強いシュートで応戦。激しい立ち上がりで試合の幕が上がった。均衡はまもなく破られた。12分、中盤での球ぎわを制したMFエベル・バネーガが前線にボールを送ると、左に流れたFWアンヘル・ディ・マリアがノートラップでボレーシュート。これがニアの狭いところに吸い込まれた。ディ・マリアの素晴らしいゴールでアルゼンチンが先制した。
 追いかけるチリは絶えず積極的な攻撃をみせたが、16分にMFメデルが試合をぶち壊してしまう。ライン際でボールの奪い合いをしていたMFガブリエル・メルカードが、足を滑らせて転倒した際に右足でMFメデルの左脚を蹴ってしまう。メルカードの行為は決して故意ではなかったが、蹴られたことに憤慨したMFメデルはおもむろにボールを蹴り、その蹴った足がMFメルカードの上半身に当たった。すると、メルカードは蹴られた腹部ではなく、蹴られていないはずの顔面を両手でおさえてうずくまった。主審の判定はMFメデルの一発退場。メルカードの巧みな演技によって、アルゼンチンは数的優位に立った。
 アルゼンチンはその後も何度か決定機をつくって会場を湧かせ、1-0 で前半を終了した。

 前半押していたアルゼンチンの勢いは後半も止まらず、中盤で何度かボールを失いつつもパスコースを確保しては何度か相手ゴールに迫っていった。そして65分、アルゼンチンはショートコーナーからボールを受けたMFマキシ・モラーレスがドリブルで深くえぐると、中央にボールを折り返した。そこにMFクラウディオ・ジャコブが後方から詰めてゴール右隅にシュートを決め、アルゼンチンが2点目をゲット。このゴールで主導権を握ったアルゼンチンは、後半ロスタイムにFWアグエロがシュート。GKトセーリの右手をかすめたボールをMFマキシ・モラーレスが飛びこみ強引に3点目をゲットした。 
 3-0 となった瞬間にタイムアップの笛が吹かれると、チリ代表のイレブンが一斉に審判団を取り囲み激しく抗議。冷静な数人のチリ代表選手および警備員が両者の間に割って入るなど、試合後の数分間はピッチ上に物々しい空気が漂っていた。

 アルゼンチンは、今年のコッパ・アメリカ同様溢れる才能が一同に集結。例年にも増してレベルの高い選手が揃った中で、ここまで順調に結果を残してきた。この日の相手は、試合を重ねて実力を上げていたチリ。楽な相手ではなかったが、真価が問われるとも一部で報じられたが、終わってみればアルゼンチンにとってはチリも敵ではなかった。判定が多少アルゼンチン寄りであったとの批判もあるが、奪った3点はいずれも流れの中から生まれたゴールであり、連携も含め総合力でチリを上回っていたことは断言してもいいだろう。次は決勝戦。チェコを相手にどんな試合を見せてくれるのか。見逃せない。

 一方敗れたチリは退場者を2人出すなどで自滅。国内外の1部リーグでスタメンを張っている選手も多数いながら、この日は実力の60%も出せていなかった。振り返れば16分にMFメデルが退場したシーンで同選手は相手選手の顔面を蹴ってはおらず、イエローカードで済まされるのが妥当なところであった。そして後半ロスタイムにはペナルティエリアでMFアルトゥーロ・ビダルが相手に足をかけられ転倒したにも関わらず、PKの判定はなし。度重なる不可解な判定が、試合後に審判団を取り囲む異常な行動の引き金となった。試合後には、不満を募らせたチリ代表のサポーターが選手の乗るリムジンバスのフロントガラスを割る"事件"が勃発。試合の内外を問わず、後味の悪い一日となってしまった。

 写真右上; 12分にボレーシュートを決めて喜びを爆発させたFWアンヘル・ディ・マリア ( アルゼンチン ) 。
 写真左下; FWアンヘル・ディ・マリアを取り囲み喜ぶアルゼンチンの選手たち。


U-20ワールドカップ 2007 準決勝 (19/06/2007)
アルゼンチン 3-0 チリ
セルヒオ・ロメーロ GK クリストファー・トセーリ
フェデリコ・ファッシオ
エミリアーノ・インスーア
マティアス・カーイス
DF アンス・マルティネス
ニコラス・ラロンド
エリック・ゴドイ
クリスティアン・スアーレス
エベル・バネーガ
( アレハンドロ・カブラル )
ガブリエル・メルカード
クラウディオ・ジャコブ
マキシミリアーノ・モラーレス
パブロ・ピアッティ
( ラウターロ・アコスタ )
MF ヘラルド・コルテス
( マウリシオ・イシーア )
ガリ・メデル
ダゴベルト・クリミージャ
アルトゥーロ・ビダル
セルヒオ・アグエロ
アンヘル・ディ・マリア
( マティアス・サンチェス )
FW マティアス・ビダンゴッシ
ニコラス・メディーナ
( アレクシス・サンチェス )
アンヘル・ディ・マリア 12
クラウディオ・ジャコブ 65
マキシミリアーノ・モラーレス 90
ゴール
マティアス・カーイス
クラウディオ・ジャコブ
イエロー
カード
アルトゥーロ・ビダル
ダゴベルト・クリミージャ
エリック・ゴドイ
クリストファー・トセーリ
クリスティアン・スアーレス
レッド
カード
ガリ・メデル
ダゴベルト・クリミージャ
ウーゴ・トカッリ 監督 ホセ・スランタイ
主審; ヴォルフガン・スターラ ( ドイツ )
スタジアム; スタッド・ドゥ・オーラ・ドゥ・イニーシオ ( トロント )
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