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Copa TOYOTA Libertadores 2007 〜コッパ・リベルタドーレス〜 大将リケルメが魅せた極上の右足。 ボカの優勝は確定的?!
決勝 1st.Leg ボカ・ジュニオールス 3-0 グレーミオ
コッパ・リベルタドーレスは、6月13日に決勝の 1st.Leg が行われた。アルゼンチンは首都ブエノスアイレスのラ・ボンボネーラで行われた ボカ・ジュニオールス×グレーミオ は、MFファン・ロマン・リケルメのフリーキックを含めて計3ゴールを奪ったボカが、優勝に大きく前進する勝利を飾った。 試合は、立ち上がりこそボカがボールをまわしたが、7分にセットプレイで決定機をつくったグレーミオが徐々に相手陣内に攻め込む時間を増やしていった。序盤は守備陣に乱れが見られなかったが、17分にMFガビランがMFパブロ・レデスマを後ろから倒し、ボカはフリーキックのチャンスを得る。すると、MFリケルメは直接狙うとみせかけて壁とGKサーハの間にクロスを供給した。ファーサイドに流れたFWパレルモが左足ボレーでシュートを打ったが、当たり損ねたボールはFWパラシオの元へ飛び、FWパラシオは左足を高く上げてゴールマウスに押し込み、ボカが18分に先制した。 この一連のプレイで、グレーミオの選手たちはオフサイドを主張。スロービデオで見ると、リケルメがボールを蹴った瞬間、ボカの選手3人がオフサイドポジションにいたが、線審はオフサイドをとらなかった。
先制したことで試合の流れを引き寄せたボカは追加点のチャンスをうかがっていったが、グレーミオは慌てずに自分たちのリズムをキープ。丁寧にボールをつなぐ戦術でピッチを広く使った攻撃を展開した。43分にはMFリケルメがペナルティエリアでシュート。ゴール右にはずれ、サポーターの溜息を誘ったが、ボカは理想的な形で前半を終了した。ボカは後半開始直後に人数をかけて相手ゴールに迫る。51分には細かいパスワークからDFクレメンテ・ロドリゲスがワンツーで抜け出すとGKサーハを引きつけてパス。FWパラシオは無人のゴールにシュートを放ったが、DFテコがゴールラインの手前でボールを弾き返した。ボカの攻勢は続き、53分にはMFリケルメのフリーキックをFWパレルモが頭で流したボールを逆サイドでフリーになっていたFWパラシオがシュート。ボールはゴールポストの外側に当たりゴールとはならなかったが、ボカはその1分後にはMFネリ・カルドーソがGKサーハの正面を突く強烈なシュートを放っていった。ゴールの予感は充分に感じられたが、グレーミオの必死の守備を前に、追加点の絶好機を立て続けに逸した。
1-0 のまま迎えた58分。ここで勝負の行方を左右する"事故"が発生する。浮き球を中盤で処理しようとしたMFサンドロ・ゴイアーノの右足が、MFエベル・バネーガの顔面を直撃。バネーガの唇が切れ、ホルヘ・ラリオンダ主審は迷わずMFサンドロ・ゴイアーノに一発退場を命じた。これでグレーミオは数的不利に陥り、流れはさらにボカへと傾いていった。ボカはMFヘスス・ダトロなどを投入。攻撃的な采配で相手を圧倒していった。相手にスキを与えず迎えた74分、ペナルティエリアの手前でMFリケルメが倒されてボカにフリーキックのチャンスが巡ってきた。このとき、グレーミオが壁の位置を調整する間にマーノ・メネーゼスは、リヴァプール ( イングランド ) に移籍内定済みのMFルーカスを投入した。だが、このタイミングで行われた采配が、ボカに2点目をもたらした。
MFリケルメが決めたゴールは、DFクラウディオ・モレル・ロドリゲスがスパイクの裏で後方に流したボールから生まれたものだったが、ボールが動いたことで壁に固執する必要のなくなったMFルーカスが、一人壁から離れてMFリケルメのシュートコースを狭めるべく前方に飛び出した。その結果グレーミオの壁は一枚薄くなり、リケルメに絶好のシュートコースを供給。MFリケルメの強烈なシュートは、壁から離れたMFルーカスの背中をかすめてニアサイドに突き刺さったのであった。無論リケルメのシュートが素晴らしかったわけで、決してルーカスに非はない。だがメネーゼス監督が実行したルーカス投入のタイミングが適切だったかどうか、という点にはやや疑問が残った。
2-0 としたボカの攻撃はなおも衰えず、終了間際の89分にはMFリケルメがフェイントで相手を翻弄してシュート。GKサーハが弾いたボールはラインを割らず、左サイドの深い位置でFWパレルモがクロスをあげると、MFパブロ・レデスマがゴール前で相手と競りながらヘディング。ふわっと浮いたボールに反応したDFテコがゴールライン上でクリアを試みたそのとき、慌てたDFパトリッシオが強引に横から頭を突き出した。DFテコと体が交錯したパトリッシオのヘディングは失敗し、ボールを自陣ゴールに流し込んでしまったのであった。テコのクリアの邪魔をした形となったパトリッシオのオウンゴールであったが、公式記録ではMFレデスマのゴールでボカがダメ押しの3点目を奪い、勝利した。(しかし、公式記録はのちにパトリッシオのオウンゴールに変更された。)
ラ・ボンボネーラで行われる1st.Leg に勝負をかけたボカは、思惑通りの結果を出してサポーターを、そしてマラドーナに至福のひとときをプレゼント。一時相手に圧される時間もあったが、一人の男が状況を好転。言うまでもなく、ファン・ロマン・リケルメだった。先制点をお膳立てするフリーキックに、天賦の才を見せつけた2点目のゴール。そして3点目のゴールの起点となったフェイントからの強烈なシュート。全得点を生んだ彼の右足がいかに素晴らしいかを改めて世に知らしめた試合であった。3点のリードを以て最終戦に臨めるボカは、客観的に見ても有利。ボカの優勝はほぼ確定的と表現しても、過言ではないだろう。 一方グレーミオは、前半に限ればうまく試合を進められていた。しかし後半、MFサンドロ・ゴイアーノが退場して1人少なくなった途端、ゲームプランがすべて狂ってしまった。流れるようなパスワークで崩しにかかる余裕はなくなり、防戦一方に陥った。MFルーカス、FWドウグラスの投入も悪い流れを変えることはできず、0-3 で敗れたグレーミオ。モチベーションを高く保って 2nd.Leg に臨むことはできるのか。 諦めるのはまだ早い。欧州移籍が内定しているルーカスは、グレーミオでの最後の大一番に備えてコンディションを整えてくることが予想される。スタメン出場もありうる。そして、準々決勝 2nd.Leg でレッドカードをもらい、この試合でベンチ入りすらできなかったゴールハンター、FWアモローゾ ( 元ブラジル代表 / 元ヴェルディ川崎 ) が次節は出場可能になる。2年前の同杯決勝でもゴールを決めてサンパウロの優勝に貢献したアモローゾが今年も爆発すれば…。グレミスタはきっと、オリンピコでのゴールショーを期待している。
写真右上; 18分に先制ゴールを決めたFWロドリーゴ・パラシオ ( 中央 ) は、この直後MFファン・ロマン・リケルメ ( 右 ) に抱きかかえられた。
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先制したことで試合の流れを引き寄せたボカは追加点のチャンスをうかがっていったが、グレーミオは慌てずに自分たちのリズムをキープ。丁寧にボールをつなぐ戦術でピッチを広く使った攻撃を展開した。43分にはMFリケルメがペナルティエリアでシュート。ゴール右にはずれ、サポーターの溜息を誘ったが、ボカは理想的な形で前半を終了した。
1-0 のまま迎えた58分。ここで勝負の行方を左右する"事故"が発生する。浮き球を中盤で処理しようとしたMFサンドロ・ゴイアーノの右足が、MFエベル・バネーガの顔面を直撃。バネーガの唇が切れ、ホルヘ・ラリオンダ主審は迷わずMFサンドロ・ゴイアーノに一発退場を命じた。これでグレーミオは数的不利に陥り、流れはさらにボカへと傾いていった。
MFリケルメが決めたゴールは、DFクラウディオ・モレル・ロドリゲスがスパイクの裏で後方に流したボールから生まれたものだったが、ボールが動いたことで壁に固執する必要のなくなったMFルーカスが、一人壁から離れてMFリケルメのシュートコースを狭めるべく前方に飛び出した。その結果グレーミオの壁は一枚薄くなり、リケルメに絶好のシュートコースを供給。MFリケルメの強烈なシュートは、壁から離れたMFルーカスの背中をかすめてニアサイドに突き刺さったのであった。無論リケルメのシュートが素晴らしかったわけで、決してルーカスに非はない。だがメネーゼス監督が実行したルーカス投入のタイミングが適切だったかどうか、という点にはやや疑問が残った。
2-0 としたボカの攻撃はなおも衰えず、終了間際の89分にはMFリケルメがフェイントで相手を翻弄してシュート。GKサーハが弾いたボールはラインを割らず、左サイドの深い位置でFWパレルモがクロスをあげると、MFパブロ・レデスマがゴール前で相手と競りながらヘディング。ふわっと浮いたボールに反応したDFテコがゴールライン上でクリアを試みたそのとき、慌てたDFパトリッシオが強引に横から頭を突き出した。DFテコと体が交錯したパトリッシオのヘディングは失敗し、ボールを自陣ゴールに流し込んでしまったのであった。
ラ・ボンボネーラで行われる1st.Leg に勝負をかけたボカは、思惑通りの結果を出してサポーターを、そしてマラドーナに至福のひとときをプレゼント。一時相手に圧される時間もあったが、一人の男が状況を好転。言うまでもなく、ファン・ロマン・リケルメだった。先制点をお膳立てするフリーキックに、天賦の才を見せつけた2点目のゴール。そして3点目のゴールの起点となったフェイントからの強烈なシュート。全得点を生んだ彼の右足がいかに素晴らしいかを改めて世に知らしめた試合であった。