Copa TOYOTA Libertadores 2007 〜コッパ・リベルタドーレス〜 この結果の次節への影響は…? 満身創痍のサントスをクレーベルが救う。
決勝トーナメント1回戦 1st.Leg カラーカス 2-2 サントス
コッパ・リベルタドーレスは、5月2〜3日に決勝トーナメント1回戦の 1st.Leg が各地で行われた。ベネズエラは首都カラーカスのエスターディオ・オリンピコで行われた カラーカス×サントス は、サントス主導で試合が進んだが、87分にDFレオネル・ビエルマがゴールを決めてカラーカスが引き分けに持ちこんだ。 試合は、開始5分に左サイドバックのDFデニスが芝生に足をとられた際に左膝を痛めて負傷退場。サントスは序盤に予期せぬ交代を強いられた。しかし突然のアクシデントにも動揺しなかったサントスは、左サイドのMFクレーベル・サンターナを起点に相手ゴールに迫ると、16分にMFゼ・ホベルトが低く抑えたシュートをファーサイドネットに沈めて先制した。 これでサントスは勢いに乗るかと思われたが、その後攻め立てたのはホームのカラーカス。中盤の選手もミドルシュートを放つなど果敢にゴールを狙っていった。前半は、サントスが1点のリードを守って終了した。 迎えた後半、その立ち上がりを突いたカラーカスは引き続き積極的な攻めでサントスを圧倒する。54分にはDFホセ・レイが強烈なフリーキックで絶好機を演出。GKファービオ・コスタが俊敏な反応でこのシュートを阻んだが、カラーカスは完全に攻撃のリズムをつかんでいた。一方サントスは、54分にMFロハスを後ろから倒したDFジオニージオに2枚目のイエローカードが出されて退場。負傷のDFデニスに代わって入った選手の退場によって、サントスは数的不利に追い込まれた。そして迎えた55分、絶好の位置でフリーキックのチャンスを得たカラーカスは、DFホセ・レイが低い弾道のシュートを直接ゴール左隅に決めて同点に追いついた。 ところが、嫌な流れに陥りかけたサントスをMFクレーベルの個人技が救った。64分、左サイドのセットプレイから生まれたルーズボールの中途半端なクリアを、ペナルティエリア手前でトラップしたMFクレーベルが右肩、頭で2度トラップすると、足元でフェイントをかけて寄せに来た相手をかわすと、得意の左足でシュート。これがゴール左上の隅に綺麗におさまり、サントスが再び突き放した。 その後スコアボードに動きはなく、そのままサントスが逃げ切り勝ちをおさめるかと思われた。しかし、それで試合は終わらなかった。87分、ゴール前の混戦からペナルティエリアの右側に流れたボールをDFレオネル・ビエルマがシュート。これがDFアーバロスの脚に当たって微妙にコースが変わり、GKファービオ・コスタの頭上を越えてゴールマウスに吸い込まれた。試合は、引き分けで幕を閉ろした。 カラーカスにとってこの引き分けは勝利にも近いものとなった。決定機は何度もつくっていたものの、数的有利を生かしきれず、もどかしい攻めが目立ち、一部のファンからはブーイングも飛び交った。それでも終盤に追いついて引き分けたことで、次節は点差を気にせず勝てばよい状況をつくった。負けと引き分けでは次節へのモチベーションも違ってくる。次はビラ・ベウミーロに乗り込んでの 2nd.Leg 。果たして、カラーカスは勝ち上がるチャンスを生かせるのだろうか。 一方サントスは、DFデニスの負傷にDFジオニージオの退場と右サイドを気にしながらの難しい戦いを強いられたが、とりあえず最低限の結果は残せた。負けると次戦が厳しいものになるが、アウェイゴール2点を奪って引き分けたのだから、決して下を向く結果ではない。次節は心強いサポーターを背にビラ・ベウミーロで戦える地の利もある。準々決勝進出に向けて、サントスは必ずやホームで勝利を狙うだ。
写真右上; 16分の先制ゴールのシーン。苦手の右足でゴールを決めるMFゼ・ホベルト ( サントス / 白ユニフォーム ) 。
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