Copa TOYOTA Libertadores 2007 〜コッパ・リベルタドーレス〜 大将リケルメ、コーナーキックからのゴールは幻となるも満面の笑顔。
決勝トーナメント1回戦 2nd.Leg ベレス・サルスフィエール 3-1 ボカ・ジュニオールス
コッパ・リベルタドーレスは、5月8〜10日に決勝トーナメント1回戦の 2nd.Leg が各地で行われた。アルゼンチンは首都ブエノスアイレスのエスターディオ・ホセ・アマルフィターニで行われた ベレス・サルスフィエール×ボカ・ジュニオールス は、FWマウロ・サラーテの2ゴールなどでベレスが勝利をおさめた。だが、ボカが2試合合計は 4-3 でベスト8進出を果たした。 試合は、3分にMFラモン・オカンポのシュートでベレスが攻撃の口火を切ったが、ボカも6分にFWパラッシオのシュートで反撃。1st.Leg 同様、試合は激戦の臭いを漂わせた。試合が動いたのは15分、前線で味方のパスを受けたFWマウロ・サラーテが、右足でゴールに沈めてベレスが先制した。 早い時間での先制で流れはベレスに傾いたが、ベレスの上昇ムードをボカの大将MFリケルメが寸断する。35分、左からのコーナーキックをMFリケルメが蹴ったボールが。空中で大きくカーブしてゴールに吸い込まれた。リケルメのコーナーキックが直接ゴールに決まったように見られ、現地の放送局もリケルメのゴールと表記していたが、厳密にはMFマキシミリアーノ・ブストスの頭に当たって微妙に軌道が変わってのゴールと判明。リケルメのゴールは幻と化し、ブストスのオウンゴールでボカがアウェイゴールを獲得した。 しかし、ベレスは失点に落ち込むことなく、37分に突き放した。MFマリオ・メンデスの浮き球のスルーパスに反応したFWマウロ・サラーテがオフサイドぎりぎりのタイミングで裏のスペースに飛び出すと、ボールを胸トラップして右足に持ち替えてゴールゲット。ベレスが再び試合の流れを引き寄せた。 2-1 で折り返した後半、勝ち上がるためにあと3点が必要なベレスは、ミドルシュートやセットプレイなどで何度も相手ゴールに迫った。次の1点が決まったのは80分、MFダミアン・エスクデーロのスルーパスに抜け出したMFラモン・オカンポが突進。角度のないところから右足のインサイドで軽く浮かせると、飛び出したGKカランタのいない無人のゴールにシュートを決めた。しかし残り10分間でさらに2点を追加するだけの余力はベレスにはなかった。試合はベレスが制したが、準々決勝進出を決めたのはボカだった。 ベレス・サルスフィエールは前節、GKセッサの一発退場でリズムが狂い、0-3 と大敗。その試合で控えキーパー投入のためにベンチに退くハメになったのは、FWマウロ・サラーテだった。マウロは不完全燃焼に終わった前節の鬱憤を晴らすべく、ひたすらゴールを狙って攻めて続け、2ゴールをマーク。チームは残念な結果に終わったが、マウロ自身は大舞台で才能を存分に発揮した。国内リーグで振るわない中で、唯一の希望であったリベルタドーレスでの敗退が決まったベレス。ボカから獲得したラボルペ監督の去就を含めて、今後の動向には注目しておきたい。 一方ボカは、前節とほとんどメンバーを変えることなく全力で試合に臨んだ。1st.Leg での大量リードもあったため、むやみに攻めることはなかったが、そつなく90分を乗り切った。公式記録ではオウンゴールとなったが、MFリケルメのコーナーキックから生まれたアウェイゴールで、準々決勝進出をたぐり寄せたボカ。心身ともに良好なリケルメを攻撃の核に据えて戦えている今のボカは、相当強い。
写真右上; ドリブル突破を試みるMFルーカス・マルティン・カストロマン ( ベレス / 右 ) に食い下がるDFクラウディオ・モレル・ロドリゲス ( ボカ・ジュニオールス / 左 ) 。
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