Copa TOYOTA Libertadores 2007 〜コッパ・リベルタドーレス〜 パワープレイ実る。ボカ、後半ロスタイムに引き分けに持ち込む。
準々決勝 1st.Leg ボカ・ジュニオールス 1-1 リベルター
コッパ・リベルタドーレスは、5月15〜17日に準々決勝の 1st.Leg が各地で行われた。アルゼンチンは首都ブエノスアイレスのラ・ボンボネーラで行われた ボカ・ジュニオールス×リベルター は、終了間際にボカが追いつき、かろうじて引き分けに持ち込んだ。 退院したマラドーナが声を上げて応援する"いつもの風景"が帰ってきたラ・ボンボネーラ。試合は、3分にMFアキーノがシュートを放つと、12分にもコーナーキックから相手ゴールを脅かすなど、リベルターが立ち上がりから積極的に攻めた。20分を過ぎたあたりからようやく攻撃の形を作り始めたボカは、42分には右サイドに流れたFWパラシオがボールを後ろに下げてDFウーゴ・イバーラがクロス。これをMFリケルメが頭で合わせる、先の国内リーグ ( 対アルセナル戦 ) のゴールシーンに似たパターンで攻めたが、このときのリケルメのヘディングシュートはゴールの左に逸れてしまった。 両者無得点で折り返した後半も、立ち上がりを突いたリベルターがコーナーキックなどセットプレイでチャンスメイクする。ボカは63分にDFクレメンテ・ロドリゲスのクロスを、逆サイドで待っていたDFウーゴ・イバーラが胸でトラップしてシュート。その際、飛び出したGKホルヘ・バーバがボールでなくイバーラの身体を手で止めに入ったとして、主審はボカにPKを与えた。ところが、このPKを任されたMFリケルメのキックをGKバーバがファインセーブで阻止。ボカのゴールはお預けとなった。 すると、大きなピンチを乗り切ったリベルターに流れが傾く。膠着状態の中迎えた83分、MFオスバルド・マルティネスが蹴った左サイドからのフリーキックが伸びてゴールマウスに吸い込まれた。GKカランタは慌てて手を伸ばしたが及ばず、リベルターが先制した。 負けられないボカはここから猛攻を開始。86分にMFヘスス・ダトロがミドルシュートを放つと、88分にはMFリケルメのパスをMFダトロがミドルシュート。GKバーバが弾いたところに詰めたFWパラシオが折り返したボールをFWパレルモが左足で押し込んでゴールネットを揺らせた。と思われたが、なんと副審はMFダトロがシュートを打った瞬間FWパラシオがオフサイドポジションにいたと断定。スロービデオで見た限りオフサイドではなかったのだが、FWパレルモのゴールは取り消されてしまった。しかし、それでもボカは諦めなかった。90分、DFイバーラのロングフィードをFWパラシオが胸で落とし、最後はFWパレルモが左足ボレーでゴールに沈めた。ボカ得意のパスワークを排除したパワープレイだったが今度は正真正銘のゴールゲット。ボカがどうにか土壇場で追いつき、引き分けた。 ホームでの 1st.Leg を勝っておきたかったボカ・ジュニオールスにとっては、歯がゆい結果を受け入れることになった。しばしば相手に攻め込まれたが、試合をリードしていたのはボカで、オフサイドで取り消されたゴールを含めて少なくとも3点を取る可能性はあった。悔やまれるのは64分にリケルメのPKが止められたシーンだ。判定に泣いたシーンもあったが、次節は敵地に乗り込むボカ。堅実な戦いが定評のリベルターを打ち崩す手はあるのだろうか。引き分けに終わったこの日の結果が何とも不安ではある。 一方リベルターは、サポーターを納得させるだけの最低限の結果は残せた。昨年の快進撃でリベルタドーレスでの戦いに自信をもって臨んでいるリベルターは、ラ・ボンボネーラでも堂々と渡り歩き、度重なるピンチを防いだ。終盤に追いつかれたのはやむをえないが、64分にPKを止めたのは大きい。このPKを止めたGKバーバは過去にも2度アルゼンチンのチームとの対戦でPKを止めており、この日も相性の良さが発揮されたというところか。負けずして次節をホームで迎えるリベルター。アウェイゴールを1つ取っている利もあり、ひょっとすればひょっとするかもしれない。
写真右上; 退院から間もない身体でラ・ボンボネーラに訪れたディエゴ・マラドーナ氏 ( 元ボカ・ジュニオールス / 左 ) は、憮然とした表情で試合を見守る。
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