Campeonato Carioca 2007 〜リオ・デ・ジャネイロ州選手権〜 ボタフォゴ3連覇を逸す。 PK戦を制したフラメンゴが頂点に君臨!
前後期統一王者決定戦 2nd.Leg
フラメンゴ 2-2 (PK:4-2) ボタフォゴ リオ・デ・ジャネイロ州選手権は5月6日に前後期統一王者決定戦の 2nd.Leg が行われた。リオ・デ・ジャネイロのマラカナンで行われた「クラシコ」 フラメンゴ×ボタフォゴ は、90分を終えて 2-2 の引き分け。2試合合計 5-5 で迎えたPK戦を制したフラメンゴが2007年の統一王者に君臨した。 試合は、ボタフォゴが立ち上がりを突いて攻勢に出ると、4分までにMFルッシオ・フラービオが2度のコーナーキックでゴールを予感させるシーンを演出。フラメンゴも5分にMFヘナットとMFヘナット・アウグストの2人で相手ゴールに迫るが、ボタフォゴは7分にDFジョイウソンが右サイドを駆け上がってシュート。そして9分にはDFルシアーノ・アウメイダもシュートを放ち、怒濤の攻めを展開。立ち上がりの時間は明らかにボタフォゴが握った。しかしボタフォゴはその後攻撃の手を緩め、31分にFWジョルジ・エンリーキのパスをMFルッシオ・フラービオがシュートを放つに留まる。対するフラメンゴも目立ったチャンスをつくれず、前半は 0-0 で終了。攻め疲れたボタフォゴ、後手を踏み慎重になったフラメンゴといった前半であった。 ところが、そんな緊迫した状況は後半に入って破られた。52分、MFヘナットのスルーパスに反応したDFフアンが左サイドをえぐってグラウンダーのクロスを供給。このボールにFWソウザが合わせてフラメンゴが待望の先制ゴールを奪った。これでフラメンゴが主導権を握るかに思われたが、すぐさま反撃を開始したボタフォゴは56分にMFルッシオ・フラービオのクロスにDFジュニーニョが頭で合わせて同点とすると、60分にはFWジョルジ・エンリーキのパスからFWドドーがGKブルーノの頭上を越えるゴールを決めて5分足らずで逆転。ボタフォゴが優勝に一歩近づいた。 だが、フラメンゴはサポーターの厚い声援を背に息を吹き返すと、72分にピッチ中央でボールを受けたMFヘナット・アウグストがミドルレンジで右足を振り抜いた。ボールは空中で鋭く伸びるとゴール右隅に突き刺さった。このゴールでフラメンゴが同点に追いついた。どうしても90分のうちに決着をつけたいボタフォゴはMFルッシオ・フラービオを起点に何度も相手ゴールを脅かしたがゴールを割れず。2-2 で試合終了。アウェイゴール・ルールの適用されない同州選手権は、2試合合計 5-5 でPK戦に突入した。 迎えたPK戦。先攻のボタフォゴは1人目のMFルッシオ・フラービオ、2人目のDFジュニーニョのPKをGKブルーノが身を挺して阻む。後攻のフラメンゴは、1人目のMFヘナットを皮切りにFWホニー、そしてDFフアンもPKを決めて優位に立った。そして迎えた4人目。ボタフォゴは途中出場のMFアンドレ・リーマが冷静に沈めたが、フラメンゴは4人目のDFレオナルド・モウラがゴール左隅に沈めてフィニッシュ。PK戦を 4-2 で制したフラメンゴが、今季の州選手権の頂上に上りつめた。 今季のフラメンゴは、ボタフォゴとの激戦で持ちこたえ、PK戦の末同州の王座を勝ち取った。今季はリベルタドーレスが始まる以前に行われた前期グアナバーラ杯で優勝。ここ数年、州選手権でも低迷した名門に今年最初のタイトルがもたらされると、ネイ・フランコ監督はリベルタドーレスのグループリーグに集中。後期リオ杯は消化試合と位置づけ、マスコミに心ない報道をされても全く気に留めなかったという。そして迎えたボタフォゴとの頂上決戦。初戦を 3-3 で乗り切ると、この日は一時逆転を許しながらもMFヘナット・アウグストのスーパーゴールで追いつき、そしてPK戦も制した。決して楽な試合ではなかったが、優勝という最高の結果は選手たちの苦労も疲労も取り除いてくれるはず。3日後に控えるリベルタドーレス ( 決勝トーナメント1回戦 対デフェンソール・スポルティン ) に弾みをつける意味でも、大きな勝利となった。 後期リオ杯を制して意気揚々とこの決戦に臨んだボタフォゴも、内容では決して悪くはなく、相手と互角に渡り合った。この試合に限って言えば、ボール支配率でも決定機の数でもフラメンゴを圧倒。その中心として奮闘したのはMFルッシオ・フラービオだった。しかし、そのルッシオ・フラービオが最初のPKを止められてしまい、つかみかけた3連覇の夢も遠のいてしまった。 結局敗れはしたが、敗因はルッシオ・フラービオではなく、別の選手にもあった。元大分トリニータのFWドドーだ。ドドーは、88分にファウルを犯しながら主審の笛を無視して無人のゴールに無用のシュートを決めて、不必要な2枚目のイエローカードをくらい退場に処せられた。チーム1の決定力を誇るドドー ( 元大分トリニータ ) をPK戦で欠いたことも敗因のひとつであったことも書き加えておきたい。
写真左上; 攻守に大活躍のMFヘナット ( 左 ) は嬉しさのあまり優勝トロフィーに噛みつこうとするパフォーマンスを見せる。トロフィーにキスをしているのは元名古屋グランパスエイトのMFクライトン ( 右 ) 。
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