Primera Liga Argentina 2006/2007 Clausura 〜アルゼンチン1部リーグ〜 負けられないボカ、低迷するラシン相手に痛恨のエンパテ。
後期 第12節 ボカ・ジュニオールス 2-2 ラシン・クルブ
アルゼンチン1部リーグは、4月27〜29日に後期リーグの第12節が行われた。ブエノスアイレスのラ・ボンボネーラで行われた ボカ・ジュニオールス×ラシン・クルブ は、ボカの勝利が決まったかに思われた後半ロスタイムにFWファクンド・サーバがPKを決めてラシンが同点に持ち込み、勝ち点1を手にした。 試合は、開始3分にまずFWロドリーゴ・パラシオのシュートでボカがチャンスをつくったが、ラシンはFWファクンド・サーバにボールを集めて反撃。ボカも負けじと押し続け、序盤から激しい攻防が繰り広げられた。均衡を破ったのはアウェイのラシンだった。26分、右サイドからのクロスをFWゴンサーロ・ベルヘッシオがヘディングでゴールに沈めてラシンが先制した。 先制されて焦ったボカはMFリケルメやFWパラッシオらを起点に何度か決定的なシーンを演出。ボカは38分にPKを得たが、FWパレルモのシュートをGKカンパニュオーロがファインセーブ。前半はラシンの1点リードで折り返した。 ところが後半に覚醒したボカは、56分にMFリケルメがFWパレルモとのワンツーで飛び出し、シュートをゴール左隅に決めて同点に追いつく。そしてボカは勢いに乗り、59分にはFWパラッシオが倒されて得たPKをFWパレルモが冷静に沈め、わずか3分間で逆転に成功した。 その後両者ともに決定機をものにできず、2-1 とボカのリードで時間が経過していく。終了5分前になると、スタンドに詰めかけたボケンセは一斉に大合唱を始めていた。だが、試合はすんなりとは終わらなかった。後半ロスタイムにDFウーゴ・イバーラが自陣ペナルティエリアでFWクラウディオ・ロペス ( 元アルゼンチン代表 ) のシャツを引っ張って倒してしまい、ラシンにPKを献上。このPKをFWファクンド・サーバがゴールど真ん中に突き刺して同点に追いつき、ラシンが虎の子の勝ち点を手に入れた。 首位サン・ロレンソを勝ち点差2で追いかけている2位のボカにとって負けられない試合ばかりが続いているが、この日は天才MFモラーレスや、元代表のピオホらを擁する難敵ラシンとの一戦。互いに攻め合う激しい90分を、ボカは制することができなかった。両者が決めた2点目はいずれもPKだったが、どちらも疑わしい判定によるもの。まして、終了直前にPKを献上したDFウーゴ・イバーラのファウルは、クラウディオ・ロペスのシャツを引っ張ったか否かも疑わしいものだった。勝ち点3を取りこぼしたボカにとって、最後のジャッジが納得のいかないものであったことは言うまでもない。 一方ラシン・クルブは、若手の勢いと勝負どころをわきまえたベテランのマリーシア ( ずる賢さ ) で強豪ボカから価値ある勝ち点1を獲得してみせた。U-20代表でも中心選手のMFマキシミリアーノ・モラーレスは小さな体でピッチを制圧し、しばしば決定的なパスを繰り出していた。そして、途中出場のピオホ ( 元アルゼンチン代表のFWクラウディオ・ロペス ) は、巧妙に倒れて審判をも巧く騙した。ベテランならではの成せる業と記すべきか。この後期リーグは19位と低迷しているが、ラ・ボンボネーラで勝ち点を獲得したことで、ラシンは少なからず自信をつけたに違いない。 写真; 後半ロスタイムに値千金のゴールを決めたFWファクンド・サーバ ( ラシン・クルブ ) 。
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