Copa TOYOTA Libertadores 2007 〜コッパ・リベルタドーレス〜 世界王者沈没… インテルナシオナウ、ベイラ・ヒオに散る。
グループ4 第6節 インテルナシオナウ 1-0 ナシオナル・モンテビデオ
コッパ・リベルタドーレスは、4月18〜19日に各地でグループリーグの試合が行われた。ブラジルはポルト・アレグレのエスタジオ・ベイラ・ヒオで行われたグループ4の インテルナシオナウ×ナシオナル・モンテビデオ は、FWフェルナンドンのゴールでインテルナシオナウが勝利。だが、インテルは得失点差で2位ナシオナル・モンテビデオに及ばず、グループリーグ敗退が確定した。 試合は序盤からインテルナシオナウが総攻撃に出た。まず3分に最初の決定機を演出したインテルは、9分にはMFファビアン・バルガスの強烈なシュートで積極的な攻めを披露。12分にはMFウェウリントン・モンテイロのフリーキックでチャンスをつくり、17分にはFWアレシャンドレ・パトのシュートで相手を脅かした。 序盤から激しい攻防を繰り広げるインテルに対して、ナシオナル・モンテビデオは防戦一方に陥るが、隙を見てはカウンターで反撃を試みる。しかし主導権を握るインテルは38分にFWアレシャンドレ・パトが抜け出してシュート。だがこれも決まらず、0-0 で前半を折り返した。 後半もインテルは開始早々FWイアルレイのヘディングシュートでチャンスメイク。絶え間なく攻め続ける。だが、がむしゃらなコロラドに余計な一報が届いた。時計の針が65分にさしかかった頃、同時刻にアルゼンチンで行われていた試合で、ベレスがMFエスクデーロのゴールで先制したことが音声ニュースとして轟いた。仮にこのままベレスが勝つとすれば、インテルナシオナウがグループリーグ通過を果たすにはあと3点が必要となる。焦ったインテルはさらに攻撃に重きを置いて攻め続けた。 ところが67分にMFファビアン・ソーサを倒したDFインジオがレッドカードをくらったことでインテルは数的不利に陥り、さらに何を血迷ったかアベウ・ブラーガ監督が優れたパフォーマンスで会場を湧かせていたMFファビアン・バルガスをベンチに退けてしまう。ここまで維持してきた勢いは失われ、スタンドからはアベウ・ブラーガ監督に対する容赦ないブーイングも飛び交った。 だが、0-0 のままスコアボードに動きがなく迎えた80分、インテルはFWフェルナンドンの先制ゴールで均衡を破った。これでベレスが引き分け以下の結果に終われば、1点差の勝利でもインテルに決勝トーナメント進出の道が開ける。サポーターはおおいに盛り上がった。しかし、その後インテルに追加点は生まれず、そして他会場のベレスは 1-0 で辛勝。タイムアップの笛が鳴った瞬間、世界王者インテルナシオナウのグループリーグ敗退が確定した。 昨年リベルタドーレスと世界クラブ選手権を制した世界王者のインテルナシオナウには、前節終了時点でグループリーグの敗退が見えている状況にあった。それでもわずかな可能性に賭け、強力な3トップで臨むも相手のきついマークに苦しみ同監督の目論見も儚く散ってしまった。モンテビデオで行われた第1節を 1-3 で落としたことを皮切りに上位との直接対決で稼ぐべき勝ち点を稼げなかったことに尽きるだろう。勝ち上がったベレスとナシオナルはそれぞれ肝となる試合で勝ち点3を獲得したが、インテルは2戦2分と勝ち点3を奪えなかった。これが大きなマイナスとなった。強い衝撃に包まれるベイラ・ヒオ。コロラドの連覇の野望は、ここで潰えた。 一方ナシオナル・モンテビデオは、3点差以上で負けなければよい、きわめて有利な状況にあったせいか、敵地で迎えた最終節も落ち着いたゲーム運びで相手にスキを見せなかった。カレーニョ監督は「失点も敗戦も気にしていない。2位の座を確保した選手の頑張りを評価している」と嬉しそうに語った。昨年は不可解なジャッジによってベスト8進出を阻まれたナシオナルだが、今年は違う。決勝トーナメントの組み合わせ次第で、勝ち上がる可能性も充分ある。
写真右上; グループリーグ敗退が決まり、ピッチに倒れ込んだMFマルティン・イダルゴ ( インテルナシオナウ ) 。
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