Primera Liga Argentina 2006/2007 Clausura 〜アルゼンチン1部リーグ〜 監督入れ替え対決を制したボカ、ついに首位浮上。
後期 第9節 ベレス・サルスフィエール 1-3 ボカ・ジュニオールス
アルゼンチン1部リーグは、4月6〜8日に後期リーグの第9節が行われた。ブエノスアイレスのエスターディオ・ホセ・アマルフィターニで行われた ベレス・サルスフィエール×ボカ・ジュニオールス は、MFネリ・カルドーソの先制弾などでボカが快勝。前日敗れたサン・ロレンソと勝ち点で並び、得失点差で首位に立った。 前期は対戦相手を率いていた監督がまんま入れ替わっての初の試合は、いきなり動いた。開始早々の2分、ボカは最終ラインからのロングフィードが前線の裏に抜けると、FWパラッシオが右サイドを前進してゴール前に折り返した。これをMFネリ・カルドーソ右足でゴール左隅にシュートを突き刺した。この先制弾で勢いに乗ったボカは25分、GKセッサのパスをDFマキシミリアーノ・ペジェグリーノが持ったところにまずFWパレルモが詰めてプレッシャーをかけると、慌てたペジェグリーノからFWパラッシオがボールを奪ってペナルティエリアに侵入。飛び出したGKセッサをあっさりとかわし、無人のゴールにボールを転がした。 ボカの2点リードで折り返した後半も、ボカが試合をリード。ホームのベレスは少しずつマイボールの時間を増やし、反撃の機会をうかがうと、79分にセットプレイからDFペジェグリーノの"尻"シュートで1点差に詰め寄る。しかし、ここで突き放せるところにボカの勢いが垣間見られた。1点差とされた直後の80分、自陣でボールを奪ったボカはFWパレルモのスルーパスにMFリケルメが反応し、ダイレクトで逆サイドを走るFWパラッシオにパス。FWパラッシオが溜めて出したボールはFWパレルモを経由して再びMFリケルメの足元へ。リケルメは右サイドで相手のタイミングをずらし、ゴール前にグラウンダーのクロスを供給。これを、フリーになっていたFWパラッシオが右足で合わせて相手にトドメを刺した。 ベレスを率いるのは前期数ヶ月だけボカの監督をしていたリカルド・ラボルペ。パレルモらボカのイレブンの特徴を把握している名将は相応の作戦を練ったという。だが、ラボルペの想定を上回るボカのパフォーマンスに為す術なく完敗を喫してしまった。昨年はメキシコ代表監督としてW杯で話題をさらった同氏だが、母国アルゼンチン凱旋後は監督としての成績がふるわない。このままでは今季終了後のベレスの監督は別の人物に替わっているかもしれない。 対するボカのルッソ監督は、この前期リーグまで対戦相手の監督をしており、同氏はベレスの内情を知り尽くしていた。相手の長所も短所も知っているルッソ監督の緻密な戦略で相手にスキを与えなかったボカの戦略勝ちだったと言えよう。成績も安定し、順調に勝ち点を積み重ねたボカは、9節目でようやく首位に躍り出た。 次節は永遠の宿敵リーベルとのエル・スーペルクラシコが控えている。ここからがルッソ監督の腕の見せ所だ。 写真; 立ち上がりに先制弾を決めた好調のMFネリ・カルドーソ ( ボカ・ジュニオールス / 右 ) は、アシストのFWパラッシオに抱きつく。
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