Campeonato Paulista 2007 〜サンパウロ州選手権〜 この結果は何を物語る? 敗色濃厚のサントスが奇跡のエンパテ。
第13節 サントス 1-1 サンパウロ
サンパウロ州選手権は3月10〜11日に第13節が行われた。サントスのビラ・ベウミーロで行われた「クラシコ」 サントス×サンパウロ は、後半ロスタイムにDFカルリーニョス ( U-20ブラジル代表 ) の同点ゴールが決まり、首位のサントスがかろうじて敗北を免れた。 首位攻防戦となったこの試合は、立ち上がりから激しい攻防が繰り広げられる。先制したのはサンパウロ。30分、MFフレジソンが左サイドを突破して折り返したボールにDFイウジーニョが右足で合わせて先制点を奪取した。サントスは何度も決定機を作りながらゴールが遠く、サンパウロの1点リードで前半を折り返した。 後半も積極的に攻めたサンパウロは56分にFWアロイージオがクロスバーを直撃するシュートを放てば、サントスもMFゼ・ホベルトのヘディングシュートで応戦。ビラ・ベウミーロは自ずと緊迫した空気に包まれていく。押していたのはサンパウロで、67分にはMFウーゴが2度立て続けにシュートを放ち、相手を脅かした。後手にまわったサントスは72分にFWジョナスがゴールネットを揺らすが、女性線審のアナ・パウラ・ダ・シウバ・オリベイラがキーパーチャージと判定。サントスは同点の絶好機を逸してしまう。だが、それでもサントスは腐らなかった。サントスの敗色濃厚と思われた後半ロスタイムの91分、MFホドリーゴ・ソウトのパスをもらったDFカルリーニョスが右足でシュートを放つと、これがゴール左隅に吸い込まれてサントスが土壇場で勝ち点1を獲得した。 首位のサントスは負ければ首位陥落の憂き目に遭うところだったが、首の皮一枚でそれを免れ引き分けに持ち込んだ。スケジュールを負うごとにサンパウロに差を詰められ、気がつけば両者の勝ち点差はわずかに1。サントスにとって、このクラシコは非常に重要な意味をもっていた。仮に負けようものなら、これまで積み上げてきた勝ち点も、保ってきた勢いも全て失った可能性もなくはない。ほぼ負けに等しかった試合で勝ち点を獲得した意味は、後に大きくものを言うだろう。 一方サンパウロは、この戦いで勝利すれば単独首位に立てていた。ムリシ・ハマーリョ監督もリベルタドーレスのことは考えず、この試合のためにベストメンバーを揃えてきた。彼らは本気で勝つつもりで臨み、そして勝利まであと一歩のところまできていた。終了間際の失点で勝ち点3を逃したツケは、決して小さくはないはず。サンパウロにとってこの結果は後にどのような影響を及ぼすか。 おそらくシーズン終盤まで優勝争いを演じるであろう両者。1-1 のスコアが意味深な結果になったことは念を押すまでもない。
写真右上; 30分に先制ゴールを決めたDFイウジーニョ ( サンパウロ ) 。
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