Copa TOYOTA Libertadores 2007 〜コッパ・リベルタドーレス〜 サイドネットに穴? 言い訳無用の仰天珍事発生。
グループ5 第1節 レアル・ポトーシ 2-2 フラメンゴ
中南米の最強クラブを決める大会コッパ・リベルタドーレスは、2月13日に本戦のグループリーグが開幕。13〜15日にその第1節が行われた。ポトーシのエスターディオ・マリオ・メルカードで行われた レアル・ポトーシ×フラメンゴ は、前半にポトーシ、後半にフラメンゴがそれぞれ2点ずつを決めて引き分けた。 試合は、ポトーシがサイド攻撃で攻め込めば、フラメンゴはMFクライトンを起点にショートパスをつないで攻撃を組み立てていったが、割と静かな立ち上がりであった。試合が動いたのは13分。前線でボールをもらったFWカルロス・モンテイロがドリブルで最終ラインを突破。シュートフェイントを一度入れた上でゴール右隅にボールを運んでレアル・ポトーシが先制した。ポトーシはその後も少ないタッチでシンプルな攻撃を展開してチャンスメイクしていった。フラメンゴはロングボールを使わず、細かいパスワークで反撃の機会をうかがった。次の1点は43分、セットプレイにFWルーベン・アギレーラが右足で合わせたボールがGKブルーノの脇をすり抜けてゴールに吸い込まれた。スロービデオでは明らかにオフサイドだったが、主審はレアル・ポトーシにゴールを認めた。前半はポトーシの2点リードで終了した。 ところが後半に入って息を吹き返したフラメンゴは、48分に左サイドの深いところでセットプレイのチャンスを得るとMFヘナット・アウグストのクロスにFWホニーが頭で合わせて1点を返した。その後GKブルーノの好守で危機を切り抜けたフラメンゴは66分に再びセットプレイを得ると、MFジュニーニョ・パウリスタ ( 元ブラジル代表 ) のシュート性のクロスにFWオビーナが頭で合わせ同点に追いついた。 試合はその後ポトーシが積極的に攻めたが、決定力を欠いてゴールならず。試合は 2-2 で引き分けた。 レアル・ポトーシは、ひたすらハイボールに固執する作戦をとり、結果フラメンゴから2点を奪い、一時は優位に立った。この試合のペルー人主審がポトーシ寄りのジャッジを複数回とり、彼らは相手の倍以上の決定機を演出。試合は完全にポトーシに流れがきていた。しかし結果は引き分け。これを良しとするか否かは当事者の問題でしかないが、客観的には勝ち試合を落としたと表するのが妥当なところだ。 一方フラメンゴにとっては逆境の90分であった。首都ラ・パスよりも高い4,000mを超える標高、酸素の薄い敵地でスタンドの5%も埋められなかった少人数のフラメンギスタ、芝の荒れたピッチ、さらには相手寄りのジャッジを吹くペルー人の主審と、厳しい境遇を受け入れなければならなかった。攻めあぐねた前半だけを見れば明らかな負け試合だったが、2点のビハインドを追いついて引き分けた点は評価していいだろう。この借りは、マラカナンでしっかりと返せばいい。 最後に話題をひとつ。レアル・ポトーシの1点リードで迎えた40分に不可思議なシーンが生まれた。左に流れたMFヘナット・アウグストが相手をかわして右足を振り抜くと、ボールはGKブルトボイの右をすり抜けてゴールマウスに吸い込まれた。フラメンゴ側はゴールを確信したが、ビクトール・リベーラ主審はボールがゴールポストの外側、つまりサイドネットの外側に空いたわずかな穴 ( 隙間 ) を突き抜けたとジャッジ。シュートはゴールポストの内側を通っていないとして、ヘナット・アウグストのゴールを認めなかった。弾道が早く、後に映し出されたビデオのスローモーションでも真偽のほどはつかめなかったが、本当にサイドネットの隙間からゴールが決まったのであれば、とどのつまりそれはサイドネットにボールが通るだけでの穴が空いていた、つまり試合をこなすだけのポテンシャルをマリオ・メルカードが持ち合わせていなかったという意味を成す。そうなるとマリオ・メルカードの管理体制に疑問を持たざるを得ない。破れたゴールネットのままで行われる国際試合などあって良いのか。この試合は、学校の体育の授業などではない。あくまでリベルタドーレスであるはずなのだが…
写真右上; 攻撃力を買われて左サイドバックから2列目に起用されたMFフアン ( フラメンゴ / 右 ) だが、つくった見せ場は限られていた。
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