先のポルトガル戦で指揮を執ったドゥンガ監督 ( ブラジル代表 ) にとって、今回のＡマッチデーは踏んだり蹴ったりであった。

　ポルトガル戦で監督就任後初の黒星を喫したばかりか、母国ブラジルのテレビ番組ではその試合でドゥンガが着ていたエキゾチックな柄のシャツを「センスが悪い」「ダサい」などと中傷され、不幸にもシャツの話題も世界中に発信されてしまった。さらには、試合後の翌朝９時にドゥンガが宿泊していたロンドンのホテルで火災報知器が鳴り、ジョルジーニョとともに一時避難する珍事にまで見舞われた。

　現地時間で2月8日。サンパウロに到着したドゥンガは、空港で待ち受けた記者団から質問攻めに遭った。中にはドゥンガのシャツについて問いただす者もおり、ドゥンガはファッションを勉強中の娘の話題を出して弁解に追われた。
　また、敗戦に関してFWホナウジーニョ・ガウーショを招集しなかった点に関してあらぬ噂を書き立てられているドゥンガは、「真実は私とホナウジーニョとで交わされた言葉にしかない。私はホナウジーニョの件についてはプレス(記者、報道機関)を通して話すつもりはない」と述べた。一方、敗因については「ホビーニョとホナウジーニョ、そしてダニエウ・カルバーリョを招集できなかったが、それを言い訳にするつもりはない」と断言。面白おかしく書こうとする記者の誘導尋問には、きわめて冷静に対処していた。