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Campeonato Carioca 2007 〜リオ・デ・ジャネイロ州選手権〜

ブルーノに神降臨。一進一退の激闘はPK戦の末フラメンゴに軍配。
前期グアナバーラ杯 準決勝
バスコ・ダ・ガマ 1-1 (PK:1-3) フラメンゴ

 リオ・デ・ジャネイロ州選手権は2月24〜25日に前期グアナバーラ杯の準決勝が行われた。リオ・デ・ジャネイロのマラカナンで行われた バスコ・ダ・ガマ×フラメンゴ は、1-1 のまま90分で決着がつかず、PK戦の末フラメンゴが宿敵バスコを退けて決勝進出を果たした。

 試合は、開始早々ハプニングが起こった。フラメンゴは味方の縦パスをFWソウザが軽く浮かせると、FWオビーナが相手選手を振り切って体をひねりながら左足でシュート。ボールはゴール右隅に決まってフラメンゴがいきなり先制した。ところが、このシュートの際、無理な体勢がたたったのかオビーナは左膝を捻挫。そのままピッチに倒れ込み、苦痛に顔を歪めた。オビーナの表情を見て試合続行不可能と判断したMFクライトン ( 元名古屋グランパスエイト ) は、スタッフに担架を要請。運ばれたオビーナは先制弾を置き土産に病院に直行し、困惑したネイ・フランコは急遽FWホニーを投入するはめになった。

 いきなり失点を喫したバスコはそこからMFマルセリーニョの個人技などで何度か相手ゴールに迫った。一方フラメンゴもFWソウザの個人技で見せ場をつくり、緊迫した展開が続いた。迎えた30分、ゴールネットを揺らしたのはバスコ。FWレアンドロ・アマラウがペナルティエリアの左側でタテにえぐるとボールを中央に折り返し、MFマルセリーニョが頭で強引に押し込んで同点に追いついた。

 その後も両者の鬼気迫る攻撃が繰り返され、互いに何度も何度も決定機を演出。次の2点目がどちらにもたらされるか全くわからない緊迫感がピッチを包みこんだ。押していたのはフラメンゴだったが、90分で決着はつかずPK戦に突入した。
 バスコは1人目のFWレアンドロ・アマラウが決めたが、フラメンゴは1人目のMFヘナットがシュートをクロスバーに当ててゴールならず。ところがフラメンゴはGKブルーノが2人目DFドゥダルのシュートを両脚で止めると、DFレオナルド・モウラが決めて一気に流れを引き寄せた。GKブルーノは3人目のMFアマラウのシュートも左手で弾き返し、そしてフラメンゴはMFヘナット・アウグストが決める。勝負の流れは完全にフラメンゴが握っていた。GKブルーノは4人目のDFジエーゴのPKも的確な読みで阻み、そしてフラメンゴは4人目のFWソウザが冷静に決めてバスコに土をつけた。

 バスコ・ダ・ガマは、この前期をグループ1位で通過。FWホマーリオ ( 元ブラジル代表 ) のハットトリックなど話題も豊富に提供し、優勝候補の最右翼にまでなっていた。だが、運命は皮肉。準決勝でなんと負けず劣らず好調のフラメンゴとぶつかってしまった。開始直後の失点でゲームプランの狂ったバスコは90分間で決着をつけられず、そしてPK戦で涙を呑むはめになったのであった。そのPK戦、5人目のキッカーになる予定であったFWホマーリオは自らの右足でPKを蹴ることもなく、チームの敗退を目の当たりにしてただただ唇を噛みしめるだけだった。

 一方PK戦を制したフラメンゴは、FWオビーナの負傷退場という開始1分の"事故"も乗り越え執念で決勝戦の切符をつかみとることに成功。これに一役も二役も買ったのは、言わずもがなGKブルーノだった。90分間でもファインセーブを連発し調子の良さをうかがわせたGKブルーノは、PK戦では抜群の「読み」で3連続セーブに成功。ブルーノの好守がなければ、PK戦で涙を呑んだのはフラメンゴだったかもしれない。敗退と背中合わせの激闘を制した勢いで決勝も制するか。マドゥレイラとの90分間からも目が離せない。

 写真右上; 先制ゴールを決めた直後に左膝を捻挫したFWオビーナ ( 右端 ) 。事態を重くみたMFクライトン ( 8番 / 元名古屋グランパスエイト ) はすぐに担架を呼んだ。
 写真左; 後半から出場したFWホマーリオ ( バスコ・ダ・ガマ ) はこの日無得点に終わったばかりか、PK戦でも出番がまわってこなかった。
 写真右下; PK戦でGKカッシオの逆をつくシュートを放ち、チームの勝利を確定させたFWソウザ ( フラメンゴ / 9番 ) は笑顔でスタンドに駆けていった。


リオ・デ・ジャネイロ州選手権 2007 前期グアナバーラ杯 準決勝 (25/02/2007)
バスコ・ダ・ガマ 1-1
(PK:1-3)
フラメンゴ
カッシオ GK ブルーノ
エドゥアルド
ファービオ・ブラージ
ドゥダル
ジエーゴ
DF レオナルド・モウラ
モイセス
ホナウド・アンジェリン
フアン
アマラウ
イベス
マルセリーニョ
( ヘナット )
モライス
( マジソン )
ダリオ・コンカ
( ホマーリオ )
MF パウリーニョ
クライトン
( レアンドロ・サリーノ )
ヘナット
ヘナット・アウグスト
レアンドロ・アマラウ FW ソウザ
オビーナ
( ホニー )
( ジュニーニョ・パウリスタ )
マルセリーニョ 30 ゴール 01 オビーナ
レアンドロ・アマラウ ○
ドゥダル ×
アマラウ ×
ジエーゴ ×
PK戦 × ヘナット
○ レオナルド・モウラ
○ ヘナット・アウグスト
○ ソウザ
ドゥダル
アマラウ
モライス
マジソン
イエロー
カード
ホニー
ヘナット・ガウーショ 監督 ネイ・フランコ
主審; ウィリアン・ジ・ソウザ・ネーリ
スタジアム; マラカナン ( リオ・デ・ジャネイロ )
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