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Seleção Brasileira 〜ブラジル代表〜

ドゥンガ政権初黒星。フェリッポンの術中にハマる…
国際親善試合 ブラジル 0-2 ポルトガル

 ドゥンガ監督率いるブラジル代表が2月6日に国際親善試合を行った。ロンドンのエミレイツ・スタジアムで行われた ブラジル×ポルトガル は、終盤にゴールを重ねたポルトガルが 2-0 で勝利をおさめた。ドゥンガの監督就任以降セレソンは一度も負けていなかったが、ロンドンで初黒星を喫した。

 試合は、立ち上がりの時間をブラジルが掌握。5分にMFエラーノのフリーキックで相手ゴールに迫ると、13分にはMFカカーのスルーパスにFWハファエウ・ソービスが反応。GKリカルドが身を挺してボールを弾き返したが、ブラジルは16分にもDFマイコンがオーバーラップからシュートに持ち込むなど積極的な攻撃を続けた。
 ポルトガルは23分に直接フリーキックのチャンスを得たが、FWクリスチャーノ・ロナウドのフリーキックは枠外に逸れてゴールならず。ブラジルは43分にセットプレイのこぼれ球にDFルッシオが反応したが、シュートはクロスバーの上を越えていった。前半のシュート数は 7-6 と互角の攻防が展開されたが、スコアレスでハーフタイムに突入した。まだどちらも主導権をつかめずにいた。

 後半、ポルトガルは47分にFWクアレスマのシュートでチャンスをつくると、59分にはMFデコが巧みなドリブルで相手を翻弄してシュート。徐々にポルトガルが良いリズムを刻んでいった。そして 0-0 のまま迎えた82分、試合が動いた。中盤でのインターセプトから速攻をしかけたポルトガルは、味方のパスを受けたFWクアレスマが前方にドリブル。ペナルティエリア左側のスペースにクロスをあげると、そこにFWシモンが走り込みジャンピングボレーシュート。ゴール右隅にボールを突き刺してポルトガルが先制した。
 これで主導権を握ったポルトガルは、88分にはセットプレイからFWクアレスマが右サイドでボールを持つと、クロスをあげる素振りを見せてマイナスに折り返した。このボールをトラップしたMFウーゴ・ビアーナが左足に持ち替えてクロスを供給。これをDFリカルド・カルバーリョがダイビングボレーでゴール右隅に沈めて勝負を決定づけた。2点差をつけられたブラジルに、反撃の気力は残されていなかった。

 この親善試合でブラジルは、インテルナツィオナーレ・ミラノで活躍しているFWアドリアーノを代表に招集。時を同じくして招集したFWホナウジーニョ・ガウーショ ( バルセロナ ) は負傷で代表を辞退したが、それでもドゥンガは質の高い選手を揃えた。本気でポルトガルに勝ちにいった。だが、良いリズムで攻めていた序盤にゴールを決められなかったことで勢いを失い、終盤に2失点を喫した。ブラジル代表はドゥンガ就任後初めての黒星を喫したが、世界屈指の強豪を相手に負けたことで見えた課題もあった。これを収穫にして次につなげられれば、この敗戦も悔しい思い出にはならないはずだ。

 一方ポルトガルは、序盤こそ攻め込まれていたが前半の度重なる危機を耐えしのぐと、後半に息を吹き返して2得点。とりわけ光ったのは好守連発のGKリカルドと全得点に絡んだFWクアレスマだった。ポルトガルのある新聞が伝えた情報によれば、このチームを指揮する元ブラジル代表監督のルイス・フェリッピ・スコラーリ ( 愛称:フェリッポン ) は、ブラジル代表選手個々の情報収集を綿密に行い、彼らの弱点を調べていたらしく、試合前には選手らに「攻めるだけ攻めさせて相手のスタミナを消耗させれば、後半我々にも勝機が生まれるはず」という作戦まで出していたとか。ブラジル人随一の頭脳派テクニコとして知られるフェリッポンは、若く経験の浅い今のセレソンを見事その術中にハメたようだ。この試合の真のMVPは、フェリッポンだったかもしれない。

 写真右上; MFエジミウソンとMFカカーの寄せを振り切ってドリブルを仕掛けるMFデコ ( ポルトガル ) 。
 写真左上; MFエジミウソン ( ブラジル ) とFWクリスチャーノ・ロナウド ( ポルトガル / 右 ) がマッチアップ。
 写真右下; ジャンピングボレーシュートでチームに先制点をもたらしたFWシモン ( ポルトガル ) 。
 写真左下; ブラジル代表を知り尽くすルイス・フェリッピ・スコラーリは、自らが率いるポルトガル代表を勝利に導いた。


国際親善試合 (06/02/2007)
ブラジル 0-2 ポルトガル
エウトン GK リカルド
マイコン
( ダニエウ・アウベス )
ルッシオ
フアン
( ルイゾン )
ジウベルト
DF ミゲウ
リカルド・カルバーリョ
( フェルナンド・メイラ )
ジョルジ・アンドラージ
カネイラ
( パウロ・フェレイラ )
エジミウソン
( チンガ )
ジウベルト・シウバ
エラーノ
カカー
MF ペチ
チアーゴ
( モウチーニョ )
デコ
( ウーゴ・ビアーナ )
ハファエウ・ソービス
( アドリアーノ )
フレッジ
( ジエーゴ )
FW クリスチャーノ・ロナウド
( シモン )
ポスチーガ
( ヌーノ・ゴメス )
クアレスマ
ゴール 82 シモン
89 リカルド・カルバーリョ
エジミウソン イエロー
カード
チアーゴ
ドゥンガ 監督 ルイス・フェリッピ・スコラーリ
主審; マーティン・アトキンソン ( イングランド )
スタジアム; エミレイツ・スタジアム ( ロンドン )
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