Sudamericano Sub-20 Paraguay 2007 〜 U-20 南米選手権 2007〜 好ゲームに会場興奮。20歳以下の"クラシコ"はエンパテ。
決勝リーグ 第1節 ブラジル 2-2 アルゼンチン
パラグアイで開かれているU-20 南米選手権は1月19日に決勝リーグが開幕。その第1節が各地で行われた。首都アスンシオンのエスターディオ・デフェンソーレス・デル・チャコで行われた ブラジル×アルゼンチン は、激しい攻防の末両者ともに譲らず勝ち点1を分け合った。 緊迫感に溢れ見応え充分の試合は、序盤から息詰まる攻防が繰り広げられた。3分、ブラジルはFWアレシャンドレ・パトがフィールドの中央で華麗なボールコントロールでドリブルを仕掛けて相手を引きつけると、左サイドを駆け上がったDFカルリーニョスにスルーパス。カルリーニョスは左サイドをえぐってFWアレシャンドレ・パトの足元を狙ってゴール前に低めのクロスを供給した。このクロスは相手にクリアされたが、ブラジルは9分にもMFマティアス・サンチェスにカットされたがMFレアンドロ・リーマのヒールパスで見せ場をつくり、好調のブラジルが立ち上がりの時間を支配した。 序盤攻め込まれたアルゼンチンは、22分にFWイスマエル・ソーサの強烈なシュートで反撃を開始。23分にはMFマキシミリアーノ・モラーレスが得意のドリブルで相手をひきつけると、針の穴に糸を通すような正確無比のスルーパスを前線に供給。パスを受けたFWパブロ・モウチェのシュートはGKカッシオに弾き返されたが、アルゼンチンも決定的なシーンを何度もつくった。 試合が動いたのは26分。味方のシュートのこぼれ球を拾ったFWルイス・アドリアーノがゴールに押し込み、ブラジルが先制した。ブラジルはその後も攻めると34分にはMFルーカスのロングフィードにFWアレシャンドレ・パトが合わせてゴールへ。しかし主審はFWアレシャンドレ・パトのオフサイドをとって、パトのゴールを取り消した。試合はブラジルの1点リードで前半を終了した。 ところが後半開始早々の47分、右サイドを強引に突破したFWパブロ・モウチェの折り返しをFWイスマエル・ソーサがヒールキックでゴールを決めて同点とすると、アルゼンチンが一気に形勢を逆転。ちぐはぐになったブラジルの隙を突いて何度も相手ゴールに迫り、アルゼンチンは完全に息を吹き返した。そして58分、FWモウチェが今度は左サイドで起点になると最後はDFマティアス・カーイスがシュートを決めてアルゼンチンが逆転に成功した。 だがブラジルの反撃はその直後に始まり、59分にフリーキックを獲得。FWアレシャンドレ・パトの蹴ったボールはGKロメーロの好守に阻まれたが、ゴール前に詰めていたMFルーカスがそのリバウンドをゴールに押し込んでブラジルが 2-2 の同点に追いついた。その後はブラジルが押す展開が続いたが両者ともに3点目にありつくことはなく、試合は 2-2 で引き分けた。 ブラジルは、グループAを3勝1分で1位通過。結果、内容ともに今大会では図抜けた存在になっていた。セレソンがセレソンたる所以を見せつけているが、この試合ではアルゼンチンよりも多少有利な時間を多分に作りながら勝ちきれなかった。ブラジルのある報道機関は「抜群のパフォーマンスを見せていたアレシャンドレ・パトが65分に下がったが、あの采配はネウソン・ホドリゲスのミスだ」との見解を示した。ブラジルにとっては勝てる試合を落としたもったいない引き分けであったそうだが、問題は戦っている選手個々がどう捉えているかであろう。 一方アルゼンチンは、今ひとつ調子が上がらない中でブラジルを相手に引き分けた。数十秒間だけリードした時間帯もあったが、何にせよブラジルに勝ち点3を与えずに得た勝ち点1は今後の戦いにも良い影響を与えるのではないだろうか。復調したMFマキシミリアーノ・モラーレスは会場を湧かせる妙技を連発し、今大会でハットトリックを達成したFWモウチェもゴールこそなかったがゴールに絡む活躍でそれぞれチームに貢献した。この大会ではまだ1勝と勝ちきれない印象もぬぐえないが、次節以降で勝ち点を積み重ねれば充分巻き返せる。
写真右上; マイボールを競って身体を踏ん張るMFウィリアン ( ブラジル / 10番 ) 。
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