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Copa do Mundo del Clubs 2006 〜 FIFA世界クラブ選手権2006 〜

雨上がりの国立にて。若き才能で勝ったインテル、次はYOKOHAMA。
準決勝 アル・アハリ 1-2 インテルナシオナウ

 世界一のクラブ王者を決める大会 FIFAクラブ・ワールドチャンピオンシップ トヨタカップ ジャパン 2006は、12月13日に準決勝が行われた。東京都新宿区の国立競技場で行われた アル・アハリ×インテルナシオナウ は、FWアレシャンドレ・パトのゴールなどでインテルナシオナウが接戦をものにした。

 試合は、4分にMFアブトレイカがキーパーの正面を突くフリーキックでチャンスメイク。インテルナシオナウは丁寧にボールをつなぎ、サイドからゴールの機会をうかがった。インテルナシオナウは9分にショートコーナーからFWアレシャンドレ・パトが頭で折り返して最後はDFファビアーノ・エウレルがゴールネットを揺らすも、判定はオフサイド。しかしながら序盤から互いに攻め合う好ゲームとなった。やや押し始めたインテルナシオナウは19分にDFセアラーがミドルシュート。フィニッシュで終える攻撃でリズムをつくると23分に得点が生まれた。
 中盤でボールを受けたFWフェルナンドンが前線のFWアレシャンドレ・パトにスルーパスを供給。アル・アハリは2人がかりでパトをつぶしたが、ルーズボールを処理しようとしたMFアシュールのスライディングが最終ラインの裏に残っていたFWアレシャンドレ・パトの足元に転がった。これに素早く反応したパトは右足を振り抜いてゴール左隅に突き刺し、インテルナシオナウが先制した。アル・アハリはオフサイドをアピールしたが判定は覆らなかった。
 その後は追いかけるアル・アハリが多少持ち直したがGKクレーメルの好守などもあって得点ならず。インテルナシオナウの1点リードで折り返した。

 このままインテルナシオナウが主導権を握るかに思われたが、後半に入るとその立ち上がりを支配したのはアル・アハリ。早い寄せで相手からボールを奪うと速攻で相手ゴールに迫った。そして54分、左サイドのスローインから中央にあがったクロスをアンゴラ人FWフラービオが頭で合わせてアル・アハリが同点に追いついた。
 焦ったインテルはミドルシュートで応戦するが、DFマルティン・イダルゴが足を痛めてDFフーベンス・カルドーソと交代。するとその直後、先制点を決めたFWアレシャンドレ・パトも膝を痛めて担架で運ばれ、代わりにFWルイス・アドリアーノと交代。負傷によってカードを2枚切ったインテルナシオナウは、闇雲に攻めるしかなくなってしまった。
 しかし、相手の攻撃をしのいだインテルナシオナウは73分、右コーナーキックをFWルイス・アドリアーノが頭で合わせてゴール。再びリードを奪った。嫌な流れを断ち切るゴールにベンチの選手も飛び出して彼を抱きしめるなどインテルサイドは興奮と歓喜のるつぼ。
 一方、再びリードを許したアル・アハリにトラブルが発生。75分にGKアル・アダリが脚を痛めてピッチにうずくまり、ジョゼ監督は控えキーパーを投入せざるをえなくなった。GKアル・アダリの診断の最中、試合が止まったことで暇になったスタンドでは、コロラドのサポーターと日本人観客が一緒になってウェーブを繰り広げた。その"波"は、国立競技場のバックスタンドからメインスタンドまでつながり、痛みで顔を歪めるGKアル・アダリを尻目にスタンドは異様な盛り上がりをみせていた。
 是が非でも追いつきたいアル・アハリはロングパスを起点に何度か攻めこんだが、インテルナシオナウはラインを高めに保ち、高い位置で相手の攻撃を寸断。時間だけが過ぎ、後半ロスタイムの5分間にもゴールネットが揺れることはなく試合終了。 2-1 で接戦を制したインテルナシオナウが決勝戦の切符を手にした。

 昨年2連敗で最下位に沈む屈辱を味わったアル・アハリは、2年連続の挑戦となる今年は来日の日程を早めてコンディションを整えるなど万全の態勢で大会に臨んだ。その成果は初戦のオークランド・シティ ( オセアニア代表 ) 戦ではプラスに作用。ラフプレイさながらの激しい当たりをみせる相手に屈せず、準決勝進出を果たした。この大会に出場する以上どのクラブも優勝を目標とし、アル・アハリもまた優勝を目指して戦っていた。後半、同点に追いついてからは一時主導権をつかみかけた。しかし決勝進出は叶わず準決勝で敗退。クラブおよびサポーターにとっては残念な結果にはなったが、3位決定戦で最後に意地を見せてもらいたいものである。

 一方、インテルナシオナウは真夏の南半球から30時間近くかけて来日。当初のプラン通りに行動がとれず、試合でも前半は主導権をつかめきれていなかった。そんなもどかしい空気を払拭したのは、日本ではまだ"成年"に属さない10代の2人の活躍だった。来日直前に彗星の如く台頭した17歳のFWアレシャンドレ・パトは先制点を奪取しただけでなく、サイドライン近くでショルダートラップでボールを運ぶなど、年齢不相応の大胆なプレイをこなしてスタンドを湧かせた。そのパトに代わって入った19歳のFWルイス・アドリアーノも決勝点となるゴールを決めるなど及第点以上の活躍。
 日中雨が降り、濡れた国立競技場。そこで輝きを見せた2人の"未成年"は、チームを優勝へと導くのか。決勝が行われるYOKOHAMA ( 横浜 ) でも、彼らから目が離せなくなった。

 写真右上; 先制ゴールを決めたFWアレシャンドレ・パト ( インテルナシオナウ / 右 ) に飛びついて喜ぶMFアレックス ( 左 ) 。
 写真左上; 得意の右足を振り抜いて先制点を奪取。舌を頬に当てて照れながらもゴールを喜ぶFWアレシャンドレ・パト ( インテルナシオナウ ) 。
 写真右中; FWアレシャンドレ・パト ( 右 ) に抱きついて喜ぶFWルイス・アドリアーノ。
 写真左下; 73分に貴重な追加点を決め、コーナーフラッグの横で拳を突き上げて喜ぶFWルイス・アドリアーノ ( インテルナシオナウ / 左 ) 。10番は元ボカのFWイアルレイ。
 写真右下; 国内ではジエーゴ、ホビーニョ以来の天才とまで称されているFWアレシャンドレ・パト ( インテルナシオナウ ) 。今大会の活躍で欧州ビッグクラブも触手を伸ばすか?


FIFAクラブ・ワールドチャンピオンシップ トヨタカップ ジャパン 2006 準決勝 (13/12/2006)
アル・アハリ 1-2 インテルナシオナウ
アル・アダリ
( アブデルハミド )
GK クレーメル
シャウキー
ゴマア
サイ
ナハス
エル・シャテル
( モハメド・セディック )
DF セアラー
インジオ
ファビアーノ・エウレル
マルティン・イダルゴ
( フーベンス・カルドーソ )
モハメド
ムスタファ
( モタエブ )
アブトレイカ
MF ウェウリントン・モンテイロ
エジーニョ
アレックス
アシュール
フラービオ
FW イアルレイ
( ファビアン・バルガス )
フェルナンドン
アレシャンドレ・パト
( ルイス・アドリアーノ )
フラービオ 54 ゴール 23 アレシャンドレ・パト
73 ルイス・アドリアーノ
ゴマア
フラービオ
イエロー
カード
フェルナンドン
アレックス
マヌエウ・ジョゼ 監督 アベウ・ブラーガ
主審; スブキディン・モハド・サレフ ( マレーシア )
スタジアム; 国立競技場 ( 東京都新宿区 )
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