Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜 足元を救われた南米王者。4失点で来日前に不安も?
最終節 インテルナシオナウ 1-4 ゴイアス
ブラジル全国選手権は、12月2〜3日に最終節が行われた。ポルト・アレグレのエスタジオ・ベイラ・ヒオで行われた インテルナシオナウ×ゴイアス は、FWウェウリトンのゴールを皮切りに4点を奪ったゴイアスが快勝した。インテルナシオナウは敗れても来年のコッパ・リベルタドーレス出場権は手にしたが、最終節で予期せぬ大敗を喫したことで来日後の FIFA世界クラブ選手権に向けて一抹の不安を残した。 静かな立ち上がりで幕を開けた試合は20分に動いた。一本の縦パスに反応したFWウェウリトンがGKクレーメルをかわして無人のゴールにボールを転がして先制。余談ではあるが、FWウェウリトンがあげたこのゴールは、1971年から今に至るブラジル全国選手権の歴史を物語る上で欠かせない記念すべき1,000ゴール目であった。追いすがるインテルはDFイダルゴなどが果敢に攻め上がるが訪れた複数のチャンスをものにできず。39分には相手の足をすくい上げたDFレオナルドが一発退場に処せられてインテルに流れが傾きかけたが、ゴイアスは41分にMFルシアーノ・アウメイダがフリーキックを直接決めて 2-0 。インテルは一人多いにも関わらず2点のビハインドを背負って前半を折り返すことになった。 後半に突入しても主導権は依然としてゴイアスにあった。カウンターからPKを得たゴイアスはMFホメリートが冷静に決めて3点目。トドメは60分、MFクレーベル・ガウーショがフリーキックを直接沈めて 4-0 と大量リードを得た。その後インテルはセットプレイから1点を返したが、南米王者の反撃もここまで。ジェニーニョ率いるゴイアスを前に、インテルナシオナウは為す術なく敗れた。 インテルナシオナウは、FIFAクラブ選手権に弾みをつける意味でも勝利が欲しかったはずが、あろうことか4失点で大敗。相手のスピードに対応しきれなかっただけでなく、セットプレイからも2失点を喫する有様だった。同様の、否、ゴイアス以上のクオリティを誇るバルセロナ ( スペイン ) が相手となったとき、この日のような軽薄な守備をしているようでは一体いくつの失点を喫するだろうか。リベルタドーレスを制したチームとは思えない無惨な敗戦を披露してしまったインテルナシオナウ。ブラジレイロンでは何とか3位以上を確保したが、日本での戦いには一抹の不安を残した。 一方のゴイアスは、ジェニーニョ監督の復帰とともに調子は上向き、一時は降格圏内にあえいでいたチームもちゃっかりとスダメリカーナ出場権を手中におさめる順位にまで登りつめた。コリンチャンスでは結果の出なかった知将も、親しみ慣れたゴイアスとなれば話は別。手の内におさめた選手の采配においてジェニーニョが一流であることを、少ない期間で改めて証明してみせた1年でもあった。今年は不安定な1年に終わり、MFジャジウソンのサンパウロ行きもすでに確定してはいるが、来年はまたサポーターに夢を見せることもできるはず。そう、幹部がよほどの愚行にでも及ばない限りは。
写真右上; 相手のチャージをもろともせず果敢に攻め上がるFWウェウリトン ( ゴイアス / 左 ) 。先制ゴールを決めるなどこの日は冴えていた。
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