Copa NISSAN Sudamericana 2006 〜 コッパ・スダメリカーナ 2006 〜 40対7。シュート数でも圧倒したパチューカ、余裕の決勝進出。
準決勝 2nd.Leg パチューカ 4-1 アトレチコ・パラナエンセ
コッパ・スダメリカーナは、11月22日にメキシコで1試合が行われた。パチューカのエスターディオ・イダルゴで行われた準決勝 2nd.Leg パチューカ×アトレチコ・パラナエンセ は、終始攻め続けたパチューカが4点を奪って快勝。2試合合計 5-1 で決勝進出を果たした。 試合はパチューカの攻撃ばかりが目立った。序盤からボールを支配したパチューカは、4分のFWヒメーネスのボレーを皮切りにシュートのオンパレード。前半の30分間で9本ものシュートを放って相手を圧倒した。30分間攻められっぱなしだったアトレチコ・パラナエンセは33分にMFアラン・バイーアのミドルシュートでようやく攻撃の形をつくると、37分にはFWデニス・マルケスがゴール正面からシュートにもちこみ盛り返した。そして迎えた42分、右サイドを上がったDFジャンカルロスがゴール前にクロスを供給。クリアを試みたGKカレーロとDFカブレーラが衝突した結果、フリーになったMFフェレイラが無人のゴールにボールを流し込んだ。先制したのはアトレチコ・パラナエンセだった。 試合の流れはアトレチコ・パラナエンセに傾きかけたが、後半に入るとパチューカは再び攻撃を活性化。ボールを素早くつないでは何度も決定機をつくり続けると、55分にDFモスケーラがDFダニーロに手で押されたのを見ていた主審がパチューカにPKを指示。この判定を不服とするアトレチコ・パラナエンセの抗議で2分ほど試合が止まったのち、FWクリスティアン・ヒメーネスがこのPKを沈めてパチューカが同点に追いついた。 だが、パチューカの本領発揮はここからだった。63分にFWクリスティアン・ヒメーネスが今度は頭で決めて逆転に成功。すると、直後の64分にはDFジャンカルロスが2度目の警告で退場。守備ラインの崩壊したアトレチコ・パラナエンセに襲いかかるかのようにパチューカは怒濤の攻めを展開していった。76分には途中出場のMFダミアン・アルバレスが前節に続く2試合連続ゴールで追加点をあげると、81分にはDFジョアン・レオナルドのトラップミスを拾ったFWファン・カルロス・カッチョがゴール左隅にシュートを突き刺してダメ押し。スコア、内容ともに相手を圧倒したパチューカの快勝で幕を閉じた。 この日のパチューカには威圧感さえ漂う凄まじい勢いを持っていた。選手個々が流動的に動いて相手を攪乱すれば、両サイドから崩してはいくつものチャンスを演出。あたかも練習でもしているかのようなパスワークで完全に主導権を掌握していた。それは数字にも如実に表れた。90分間で打たれたシュートはなんと40本。実に135秒 ( 2分15秒 ) に1本のペースでシュートを打ちまくっていたのである。かくして完璧な試合運びで決勝進出を果たしたパチューカ。 創設から5周年を迎えつつある歴史の浅いこのカップ戦。もし "コッパ・スダメリカーナ ( 南米杯 ) " で北米大陸のクラブが優勝するような事態が起これば、CONMEBOL ( 南米サッカー連盟 ) が来年から大会名を変更するのではないか、などというあらぬ噂まで飛び交い始めている。 一方アトレチコ・パラナエンセは、相手の猛攻に苦しみ最後まで主導権を握ることができなかった。前節敗れていた彼らにとっては後のない一戦だったのだが、勝利はおろか4失点の大敗。準々決勝までみせてきた勝負強さが、この日は微塵も感じられなかった。DFジャンカルロスの退場が選手たちの戦意を失わせてしまったのも敗因のひとつではあるが、それ以前に40本もシュートを打たれてしまうようでは勝機などあるはずもない。昨年はリベルタドーレスで準優勝に終わり、そして今年はスダメリカーナでベスト4止まり。このクラブは、カップ戦では最後まで踏ん張りきれないようだ。
写真右上; 同点弾と逆転弾でチームに勝利をもたらしたFWクリスティアン・ヒメーネス ( パチューカ / 手前 ) 。
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