Copa NISSAN Sudamericana 2006 〜 コッパ・スダメリカーナ 2006 〜 クリチーバ騒然。アルヘンティーナの一発でパチューカ白星奪取。
準決勝 1st.Leg アトレチコ・パラナエンセ 0-1 パチューカ
コッパ・スダメリカーナは、11月15日にブラジルで1試合が行われた。ブラジルはクリチーバのエスタジオ・アレーナ・ダ・バイシャーダで行われた準決勝 1st.Leg アトレチコ・パラナエンセ×パチューカ は、アルゼンチン人MFダミアン・アルバレスが終盤にゴールを奪ったことでパチューカが大きな1勝を得た。 試合はアトレチコ・パラナエンセが立ち上がりを攻め、6分にDFジャンカルロスがクロスバー直撃のきわどいフリーキックで大きなチャンスをつくると、7分にはFWマルコス・アウレーリオもゴール前に飛びこんでのシュートで相手を脅かした。だが、8分にFWファン・カルロス・カッチョの強引なシュートで反撃のきっかけをつくったパチューカは、以後積極果敢なミドルシュートで猛攻。決して守勢にまわろうとはしなかった。前半はともに守備が堅く、無得点に終わった。 後半はアトレチコ・パラナエンセが盛り返し、57分と62分にはそれぞれFWデニス・マルケスが相手の浅いラインの裏を突いてゴールネットを揺らせた。しかしどちらもオフサイドをとられ、アトレチコ・パラナエンセはリズムの良かった時間帯にゴールを奪えず。そして、それらが試合の流れを変えていった。ひたすらスキをうかがっていたパチューカは86分、自陣でボールを奪ってカウンターを仕掛け、前方に走り込んだMFダミアン・アルバレスにボールが渡る。ミドルレンジで強く蹴られたボールは、GKクレーベルの手をかすめてゴール左隅に突き刺さった。 すると、終了間際のふがいない失点に激怒したアトレチコ・パラナエンセの一部のサポーターが激昂。スタンドで警官隊とサポーターとが激しく衝突する異様な光景を目の当たりにした主審は"試合続行不可能"と判断。88分を過ぎたあたりで試合を打ち切り、パチューカの勝利が確定した。 今季無冠で終わりたくないアトレチコ・パラナエンセは、ブラジレイロンで温存した主力を揃えて万全の態勢を整えた。相手は南米の国際大会での台頭光るメキシコ勢とあって、アレーナ・ダ・バイシャーダで迎える初戦は絶対に勝たなければならない一戦だった。しかし何度か訪れた決定機が運に見放されると、相手の守備網を崩しきれず攻めあぐねた。自慢の攻撃力は鳴りを潜め、前がかりになったところをつけこまれて敗れてしまった。選手は一様に肩を落とし、サポーターは現実を受け入れられず暴れた。わずか1点だがされど1点。アウェイゴールを与えて負けた影響は計り知れない。 一方パチューカにとってはきわめて理想的な結果。決勝進出に大きく近づく勝利を手にした。試合前、メーサ監督は「負けてもいいからアウェイゴールをとれ」と指示。その言葉通り、イレブンは積極的な攻撃を何度も仕掛けていた。シュート数でもボール支配率でも相手を上回った彼らに勝利をもたらしたのは、身の丈165cmの小柄なアルゼンチン人の一発だった。 かつてレッジーナ ( イタリア ) やリーベル・プレート ( アルゼンチン ) にも所属していた28歳のボランチは、68分からピッチに現れると運動量を生かしてチームにリズムを生み出し、そして強引なミドルシュートでゴールをこじ開けてみせた。助っ人アルゼンチン人のシュートで大きな1勝を手にしたパチューカ。近年好調のメキシコ勢の活躍をみるにつけ、北米大陸に活躍の場を求めた南米出身選手の存在を無視するわけにはいかない。
写真右上; うなだれるアトレチコ・パラナエンセの選手を尻目に大喜びのMFダミアン・アルバレス ( パチューカ ) 。
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