Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜 主将のPKで引き分けるも…。下位を相手に首位苦戦。
第32節 サンパウロ 1-1 ポンチ・プレッタ
ブラジル全国選手権は、11月1〜2日に第32節が行われた。サンパウロのモルンビーで行われた サンパウロ×ポンチ・プレッタ は、先制されたサンパウロがGKホジェーリオ・セーニのPKで追いつき、かろうじて敗北を逃れた。 試合は、ポンチ・プレッタがDFネイのオーバーラップで決定機をつくったが、試合の主導権はサンパウロが掌握。両サイドを使ってアグレッシブに攻めていった。前半はサンパウロが多くのチャンスをつくったが、GKジェアンの好守もあって無得点のまま前半を終えた。 ところがポンチ・プレッタは後半に訪れたワンチャンスをものにする。53分、相手のミスパスがFWトゥット ( 元大宮アルディージャ ) の足元に転がると、トゥットは飛び出したGKホジェーリオ・セーニをフェイントで振り切って無人のゴールにボールを転がした。均衡を破ったのはポンチ・プレッタだった。 思わぬ形で失点を喫したサンパウロはさらに攻撃的に出たが、相手選手2人をなぎ倒してシュートを決めたFWアロイージオのゴールはファウルをとられ、FWチアーゴのヘディングシュートはGKジェアンがゴールラインすれすれで防ぐなど不運が連発。降格圏内に沈むチームを相手に、首位独走中のサンパウロが焦り始めた。しかしその焦りは75分に解消される。左サイドからあげたDFダニーロのクロスがDFネイの右腕に当たる。故意ではなかったが、主審はネイのハンドをとってサンパウロにPKを与えた。これをGKホジェーリオ・セーニが冷静に決めて同点に追いついたサンパウロが、どうにか引き分けに持ち込んだ。 首位に立って以降ここまで順調に勝ち点を積み上げていたサンパウロだが、この日は降格圏内を脱出できていないクラブを相手に決定力を欠く苦しい戦いを強いられた。今季は国内でも敵なしと言わんばかりに勝ち続けたイレブンにもさすがに連戦の疲れが出始めたのか、主審の厳しい判定等もあったにせよいつもよりもゴールが遠かった。同点とした場面でも微妙な判定でPKを得たに過ぎず、首位らしからぬ90分に終わった。 対するポンチ・プレッタは、敗れはしたがチーム一丸で相手の猛攻をしのぎ、一時は勝機も見えるほど善戦した。とりわけかつてJリーグの複数のクラブで活躍したFWトゥット ( 元大宮アルディージャ / FC東京 etc.. ) は、GKホジェーリオ・セーニとの1対1の場面においてフェイントでかわすなどベテランならではの落ち着きのあるプレイを披露。チーム最多の11ゴールをあげるなど、低迷するチームでキャプテンマークを巻いて一人気を吐いている。だが、勝ち点3が欲しい中で引き分けに甘んじるなど厳しい現実が続く。2部降格を避けるためには、トゥット以外の選手の奮起も必要不可欠であろう。 写真; 75分にPKを決めてチームを敗北から救ったGKホジェーリオ・セーニ ( サンパウロ ) 。
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