Copa NISSAN Sudamericana 2006 〜 コッパ・スダメリカーナ 2006 〜 コリンチャンス猛攻実らず。激闘を制したラヌースの勝ち上がりが確定。
決勝トーナメント1回戦 2nd.Leg
ラヌース 4-2 コリンチャンス コッパ・スダメリカーナは、10月11日にブラジルとアルゼンチンで計3試合が行われた。アルゼンチンは首都ブエノスアイレスのエスターディオ・シウダーで行われた決勝トーナメント1回戦 2nd.Leg ラヌース×コリンチャンス は、前半逆転したラヌースが相手を圧倒して快勝。2試合合計 4-2 でラヌースがベスト8入りを果たした。 試合はいきなり動いた。2分、MFホージェルが左サイドでボールをキープして溜めをつくると、同サイドをタテに走ったDFセーザルにスルーパス。セーザルのあげたクロスにFWナジソンが合わせて早々にコリンチャンスが先制した。しかし、ラヌースはどよめくスタンドを背に冷静にボールをつないで反撃に出ると、17分にセットプレイからDFマウリシオ・ロメーロが合わせて同点。勢いにのってその1分後にはMFマキシミリアーノ・ベラスケスが左サイドの角度のないところからシュートを決め、ラヌースがあっという間に逆転に成功。スタンドのどよめきは瞬く間に歓声に変わった。 これで主導権を握ったラヌースは、相手陣内でボールをまわしてシュートを連発。そして36分、味方のシュートのこぼれ球をMFマルコス・アギーレが押し込んで3点目をゲット。3-1 とラヌースの優勢で前半を折り返した。 後半は一転してコリンチャンスがボールを支配すると、47分と54分にMFヘナット、49分にはMFホージェルと中盤の選手も果敢にゴール前に飛びだしてゴールを狙いにいく。そして56分、MFホージェルのフリーキックをDFマリーニョが頭で押し込んでコリンチャンスが再び1点差に詰め寄った。引き分けならベスト8が決まるコリンチャンスは、あと1点を狙ってさらに攻撃を厚くしていく。対するラヌースは後半は防戦一方だったが、数少ないチャンスをものにした。74分、MFマグロンのミスパスをかっさらったMFロドリーゴ・アルチュビがゴールネットに突き刺して勝負あり。コリンチャンスは最後まで諦めずにシュートを打ち続けたが、残り15分間で2点の差を埋めることはできなかった。 初戦をスコアレスドローで終えていたラヌースはこの日、スコアによっては引き分けでも敗退が決まるため絶対に勝たなくてはならない試合だった。堅くなっていた最終ラインの裏を突かれて早々に失点するなど嫌な立ち上がりにもなった。だが彼らに焦りの色は見られなかった。リードして迎えた後半は相手の猛攻に苦しんだが、失点を1に抑えたことも勝因のひとつである。「気持ちで負けなかったことが勝利に結びついた」と試合後に語ったカブレーロ監督の言葉通り、自分たちのリズムを維持しての勝利であった。 一方コリンチャンスは、攻守のバランスが良くなかった。攻撃では人数をかけてぶ厚い攻めをみせていたが、18分に逆転されたときエメルソン・レオン監督と口論になったMFカルロス・アウベルトが早々とベンチに下げられる珍事が起こり、コリンチャンスは自らリズムを崩した。また、攻撃に手をかけすぎたせいか手薄になった守備を相手につけこまれた。4つもゴールを許してしまっては勝利の女神は微笑んでくれない。ブエノスアイレス入り後、ボカ・ジュニオールスのトレーニングセンターを借りて練習するなど準備には余念がなかったはずのコリンチャンスだが、結果はベスト8ならず敗退。今季のコリンチャンスは"無冠"に終わりそうで、サンパウロではコリンチャーノの暴威が増幅することも懸念される。
写真左下; 4点を奪って見事に快勝。大喜びのサポーターの目の前で抱き合うラヌースの選手たち。
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