Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜 壮絶な点の取り合いの果てに… しぶとく戦い抜いたボタフォゴの逆転勝利。
第29節 ボタフォゴ 4-3 サントス
ブラジル全国選手権は、10月14〜15日に第29節が行われた。リオ・デ・ジャネイロのマラカナンで行われた ボタフォゴ×サントス は、壮絶な点の取り合いの末終盤に逆転したボタフォゴが勝ち点3を獲得した。 試合は、立ち上がりから両者による激しい攻防が繰り広げられた。均衡が破れたのは19分、右サイドに張ったMFジュニオール・セーザルが左足でゴール前にクロスを供給すると、DFアスプリージャが頭で合わせ、ボタフォゴが先制した。その後両者の攻撃は加速。素早い攻めで決定機を作り続けた。次にゴールネットを揺らせたのはサントス。31分、FWウェウリントン・パウリスタのシュートをGKマシュが弾いたが、こぼれ球にMFクレーベルが詰めて同点に追いついた。しかし、前半はこれで終わらず。43分、左サイドをあがったMFジュニオール・セーザルのクロスをFWヘイナウドが頭で合わせてボタフォゴが再度突き放した。 後半、ボタフォゴは早々にMFゼ・ホベルトの強烈なシュートで果敢に3点目を狙いにいったが、次の1点を奪ったのはサントス。51分、FWヘイナウドのスルーパスに反応したFWウェウリントン・パウリスタがペナルティエリア内に侵入すると、ニアポストとGKマシュの間のわずかなスペースを突き抜ける鋭いシュートを決めて再び同点に追いついた。息を吹き返したサントスはその後も果敢に攻め続けると78分に逆転。MFホドリーゴ・タバタ ( 日系三世 ) が相手に倒されながらボールをスペースに残すと、これを拾ったMFゼ・ホベルト ( 元ブラジル代表 ) がゴール前にスルーパス。最後はFWヘイナウドがゴール右隅に流し込んだ。 勢いはサントスにあり、試合はこれで終わったかに思われた。だが、ボタフォゴは決して死んではいなかった。82分、MFクライトンを起点に右サイドからDFジョイウソンがクロスをあげるとMFゼ・ホベルトが頭で合わせて同点に。そして84分、セットプレイのチャンスを得るとMFジュッカがシュート。右足から放たれたボールは激しく変化してGKフェリッピの頭上をすり抜けゴールネットに突き刺さった。鮮やかなフリーキックで逆転に成功したボタフォゴが、壮絶な熱戦をものにした。 ボタフォゴは、しぶとさをいつのまにか身につけていた。先制して突き放し、一度は逆転されるという混沌とした試合の中でも、自分たちを見失うことなく力を信じて戦った。スダメリカーナ出場圏内を狙っているクッカ監督は試合後「意味のある素晴らしい勝利だ」と述べ、選手たちを称賛。もっか好調のサントスを相手に粘り強く戦い逆転して得た勝ち点3は、今後の彼らにとって大きな自信になるはずだ。 対するサントスは前半ゲームをつくれなかったのが敗北に直結した。3-5-2 のシステムが機能せず、ルシェンブルゴ監督はハーフタイムにMFホドリーゴ・タバタを投入し両ウイングを後方に下げて布陣を 4-4-2 に変更。しかしこの采配も成功したように思われたが終盤まで持ちこたえられなかった。首位サンパウロを追う立場として絶対に落としてはいけない試合を落として順位も5位に後退したサントス。コッパ・スダメリカーナで敗退しただけでなく、優勝戦線から一歩後退してしまった。 写真; FWヘイナウド ( サントス ) とボールを争うMFゼ・ホベルト ( ボタフォゴ / 左 ) は、後半に1点を奪ってチームの勝利に貢献した。
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