Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜 首位の貫禄ここにあり。5点を奪ったサンパウロ、手堅く勝って首位堅守。
第27節 サンパウロ 5-1 バスコ・ダ・ガマ
ブラジル全国選手権は、10月4〜5日に第27節が行われた。サンパウロのモルンビーで行われた サンパウロ×バスコ・ダ・ガマ は、怒濤のゴールラッシュでサンパウロが圧勝。勝ち点を53に伸ばして首位の座を堅守した。 試合は、サンパウロのワンサイドゲームになった。開始早々MFソウザのミドルシュートで攻撃の口火を切ったサンパウロは7分、左サイドを崩したMFダニーロがグラウンダーのクロスをあげると、クリアを試みたMFアンドラージの足に当たって自陣ゴールへ。ラッキーなオウンゴールで早々にサンパウロが先制した。そして15分にはDFイウジーニョのスルーパスを受けたFWアロイージオのクロスをファーサイドから走り込んだMFダニーロが、DFイウジーニョと交錯しながらも頭で合わせて2点目。さらに33分には左コーナーキックをDFファボンが頭で合わせて3点目を追加した。バスコ・ダ・ガマも23分にFWレアンドロ・アマラウのゴールで1点を返すが、そのFWレアンドロ・アマラウがDFファボンとボールを競り合った際に相手を小突いて口論に。主審はDFファボンにイエローカードを、FWレアンドロ・アマラウにレッドカードをそれぞれ提示した。FWレアンドロ・アマラウは1度警告を受けていたが一発レッドによる退場で、バスコは数的不利に陥った。 勢いで優るサンパウロは後半も攻撃の手を緩めず、手始めに右サイドの崩しから決定機をつくると、そこで得たコーナーキックにDFミランダが頭で合わせて4点目。トドメは63分、GKホジェーリオ・セーニが直接ゴール左隅に沈める綺麗なフリーキックで勝負を決定づけた。バスコ・ダ・ガマは単調な攻めしかできず完敗を喫した。 サンパウロは、前線にレアンドロ、チアーゴ、アロイージオの3人を並べた3トップがものの見事に機能。彼らにダニーロとソウザを加えた攻撃は多彩性に溢れ、流れるようなパスワークで何度も相手守備陣を攪乱していた。決して楽な相手ではなかったはずだが、終わってみればゴールラッシュで大勝。攻守のバランスに長けたこのクラブが首位たる由縁を再確認できる90分であった。 対するバスコ・ダ・ガマは、攻撃の物足りなさは相変わらずで、中盤まではつながるボールも前線で相手に遮断されるもどかしい試合に終始してしまった。この日唯一の得点者FWレアンドロ・アマラウの退場が追い上げムードに水を差し、相手守護神にフリーキックを決められてからはチーム全体の士気がまるで消沈してしまったかのようだった。移籍市場も閉じられた今、現有戦力でどこまで戦えるのか。バスコ・ダ・ガマのリベルタドーレス出場権獲得は、今のままでは相当厳しい。
写真右上; 33分にヘディングで3点目を決めたDFファボン ( サンパウロ ) 。
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