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Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜

伝統のクラシコ「フル・フラ」。ヘナットらのゴールでフラメンゴが大勝!
第27節 フラメンゴ 4-1 フルミネンセ

 ブラジル全国選手権は、10月4〜5日に第27節が行われた。リオ・デ・ジャネイロのマラカナンで行われた「クラシコ・カリオカ」 フラメンゴ×フルミネンセ は、MFヘナットのフリーキック2発などでフラメンゴが大勝。このカードでは2004年のリオ・デ・ジャネイロ州選手権以来、実に2年8ヶ月ぶりの勝利を飾った。

 観客席に空白の目立った中で行われたこの試合では、フラメンゴの切れ味が光った。開始から積極的に攻めたのはフルミネンセで、5分にはMFペトコヴィッチのクロスにFWトゥッタが頭で合わせて先制点をゲットした。ところが、フラメンゴはそれからわずか2分後にゴールから約33mの距離でフリーキックの機会を得ると、MFヘナットの左足が放ったシュートが鋭く伸びてゴール左隅に突き刺さり、すかさず同点に追いつく。序盤から緊迫したゲームになった。
 前半の大きな山場は再度訪れた。29分、フラメンゴは中盤でボールをもらったFWルイゾンが出したスルーパスにDFフアンが抜け出すと、飛び出したGKジエーゴもかわす。DFフアンが無人のゴールめがけてシュートを打とうとしたそのとき、後ろから迫ったDFホージェルに足をひっかけられ転倒。そのこぼれ球にFWオビーナが詰め、ゴールライン上に戻った選手がクリアしたボールにFWルイゾンが右足を振り抜いたが、ルイゾンのシュートはクロスバーを直撃。さらにその跳ね返りをMFパウリーニョがシュートしたが、ボールは枠の上を越えていった。このときDFフアンが倒された瞬間にPKを与えず流した主審に対してFWルイゾンとDFフアンが猛烈に抗議。一方GKジエーゴはDFフアンのシミュレーションを強く主張したが、主審はPKを指示せず、胸ポケットからはカードも出さなかった。マラカナンを異様な空気が包み込んだ。

 1-1 の同点で折り返した後半は、フラメンゴが主導権を掌握。48分にFWサービオがクロスバー直撃の左足シュートでチームを勢いづけると、51分にMFヘナットが再びフリーキックでゴールネットを揺らせて逆転に成功。今度は壁の上を越えてゴール右隅に沈める丁寧なキックだった。なおもフラメンゴは相手ゴールに迫ると、62分にDFフアンのインターセプトから前線につながったボールをFWサービオが上体をひねって右のスペースにパス。そこに詰めたFWオビーナが右足で丁寧に沈めてリードを2点とした。そして69分には左サイドをドリブルで駆け上がったDFフアンが2人を抜いて1人をかわしゴールに接近すると、GKジエーゴが飛び出した瞬間中央に折り返してFWオビーナのゴールをアシスト。4点を奪ったフラメンゴが余裕をもって勝利をおさめた。

 フラメンゴとフラメンギスタにとって至福のひとときになった。ネイ・フランコ監督はこの日前線に3枚を並べ、MFパウリーニョ一人にボランチをまかせて両サイドバックも攻め上がるという超攻撃的な戦術で挑んだ。結果はご承知の通りで、同監督の采配はぴったりと的中したのであった。足首の違和感から久々に戦列に戻ったFWサービオは前線で相手をかき回し、FWルイゾンはベテランらしい落ち着いたプレイでチームを牽引。MFヘナットは絶対的な武器である高精度の左足で2ゴールを生み出した。だがこの試合で最も動きがキレていたのは左サイドバックを任されたDFフアン。果敢なオーバーラップや前のめりのドリブルで攻撃にリズムを与えていた。この日のような試合をコンスタントに続けられれば、マラカナンにももっと多くのサポーターが足を運んでくれるはずだ。

 一方のフルミネンセは、先制するなど立ち上がりこそ互角に渡り合っていたが、流れの中から決定機をつくることに苦労していた。後半は相手に押されて防戦一方になり、反撃の機会も限られた。この日がフルミネンセでの初采配となったパウロ・セーザル・グスモン監督は後半、MFペドリーニョとMFネトを投入したがたいした効果はみられず、采配にも疑問が残った。新監督の就任だけでチームが変わるわけではなく、フラメンゴを相手に喫した約2年半ぶりの敗北は起こるべくして起こったのかもしれない。

 写真; この日フリーキックを2発ゴールに沈めてチームの勝利に大きく貢献したMFヘナット ( フラメンゴ ) 。


ブラジル全国選手権 2006 第27節 (04/10/2006)
フラメンゴ 4-1 フルミネンセ
ブルーノ GK ジエーゴ
レオナルド・モウラ
ヘナット・シウバ
フェルナンド
フアン
DF チアーゴ・シウバ
エンリーキ
ホージェル
ホジェーリオ
( ネト )
パウリーニョ
ヘナット
ヘナット・アウグスト
( レオ・メデイロス )
MF マルコン
フェルナンド
( ジュニーニョ )
ペトコヴィッチ
ジェアン
( ペドリーニョ )
サービオ
ルイゾン
( トロー )
オビーナ
( ビニシウス・パシェーコ )
FW ベト
トゥッタ
ヘナット 07
ヘナット 51
オビーナ 62
オビーナ 69
ゴール 05 トゥッタ
ルイゾン
トロー
イエロー
カード
ホージェル
ペトコヴィッチ
ネト
トゥッタ
ネイ・フランコ 監督 パウロ・セーザル・グスモン
主審; エバンドロ・ホジェーリオ・ホマン
スタジアム; マラカナン ( リオ・デ・ジャネイロ )
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