Copa NISSAN Sudamericana 2006 〜 コッパ・スダメリカーナ 2006 〜 高めに保たれた最終ライン。ラヌースがベレスに先勝!
アルゼンチン・グループ 1st.Leg ラヌース 2-0 ベレス・サルスフィエール
欧州の UEFAカップに相当するカップ戦 コッパ・スダメリカーナは、8月30日にアルゼンチンとエクアドル、ベネズエラでそれぞれ1試合ずつが行われた。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにあるエスターディオ・シウダーで行われたパラグアイ国内の 1st.Leg ラヌース×ベレス・サルスフィエール は、MFロドリーゴ・アルチュビの2ゴールでラヌースが勝利。2点のアドバンテージを得た。 試合は、3分にFWクラウディオ・グラフがミドルシュートを放ったのを除くと静かな立ち上がりになった。様子をうかがいながら攻め手を探っていくが、時間の経過とともにベレスが押し始める。20分にはミドルレンジからDFマルセーロ・ブスタマンテがシュートを放つと、そこからベレスはシュートを乱発。しかしラヌースの守備がラインを高めに保っていたため、時折繰り出されたスルーパスもオフサイドにかかったりとペナルティエリアの中で仕事をさせてもらえなかったベレスは、ミドルシュートでしかゴールを狙いにいけなかった。 32分にはショートコーナーからDFブスタマンテが、またFWマウロ・サラーテは中盤まで下がってミドルシュートを放ったが、いずれもGKボッシオに阻まれた。最も惜しかったのは39分にMFダミアン・エスクデーロが放ったミドルシュートだったが、左ポストに直撃してゴールならず。ベレスのミドルシュートが目立った前半は 0-0 で終わった。 ところが、後半の開始早々にラヌースは1本のセットプレイから先制する。47分、コーナーキックをDFマウリシオ・ロメーロが頭で流したボールをMFロドリーゴ・アルチュビが詰めてゴールに突き刺した。主導権を握っていたはずのベレスは攻め疲れと先制されたダメージからか、後半は攻め手を欠いて失速。ラヌースが徐々にボールを支配し始めていく。そして82分には左サイドから中に切れ込んだMFロドリーゴ・アルチュビがシュートを決めて 2-0 。堅守で序盤を耐えたラヌースが少ないチャンスをものにして勝利を飾った。 ラヌースは前半、相手に8本ものシュートを打たれながらそれを凌いで後半の反撃につなげることに成功。GKボッシオの好セーブも光ったが、相手にゴール前までボールを運ばせない4バックのラインコントロールがお見事だった。常に高めにラインを保ったことでベレスに決定的なチャンスをつくらせず、未然に失点を防ぐことができた。2点を決めたMFアルチュビも褒めるべきだが、この日は守備の完璧な連携がもたらした勝利と言えるだろう。 対するベレス・サルスフィエールは、シーズンオフでの主力放出がたたり、明らかにレベルが落ちていた。MFレアンドロ・ソモーサ、MFレアンドロ・グラシアンを放出し、FWローランド・サラーテも期限付きながら放出。昨季ベレスの攻撃を支えた中核の3人を失い、攻撃ではバリエーションの乏しさを露呈してしまった。その結果が、可能性の薄いミドルシュート一辺倒になったのであろう。次節、ベレスは2点差をひっくり返さなければならなくなった。厳しい戦いが予想される。 この日行われたその他の試合では、ベネズエラの「 カラボボFC×ミネーロス 」はミネーロスが 3-1 で快勝。2試合合計 6-1 と余裕の成績で次のラウンドに進んだ。エクアドルの「 エル・ナシオナル×リーガ・デ・キト 」は 1-1 で引き分け、2試合合計 4-3 でエル・ナシオナルが次のラウンドに駒を進めることが決まっている。
写真右上; MFダミアン・エスクデーロ ( ベレス・サルスフィエール / 左 ) とボールを競り合うMFセバスティアン・サロモン ( ラヌース / 右 ) 。
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