a partida amigável 〜国際親善試合〜 2004ブラジレイロンの再現。エラーノの活躍でセレソン快勝。
国際親善試合 ブラジル 3-0 アルゼンチン
CBF と AFA の協調で実現した国際親善試合は、9月3日にイングランドで1試合が行われた。ロンドンのエミレーツ・スタジアムで行われた ブラジル×アルゼンチン は、MFエラーノの2ゴールなどでブラジルが宿敵アルゼンチンを下した。 試合は、アルゼンチンが立ち上がりを突き、MFリケルメのフリーキックにMFルイス・ゴンサーレスが飛びこんだ。オフサイドを取られたがいきなり決定機をつくった。しかしブラジルも負けじと反撃。速攻からFWホビーニョが出したスルーパスに反応したMFエラーノが前戦に飛び出してシュート。ゴール右隅に沈めてブラジルが早々と先制した。かつてビラ・ベウミーロでしばしば見られたコンビネーションが生んだ先制ゴールだった。 その直後、アルゼンチンはMFビロスのクロスにMFルイス・ゴンサーレスがシュート。28分にはMFクレメンテ・ロドリゲスのクロスをFWテベスが頭で合わせるなどして反撃に転じたが、アルゼンチンは崩しきれずに無得点。前半は 1-0 とブラジルの1点リードで終了した。 後半、キックオフを始めたアルゼンチンはMFリケルメを経由してMFビロスの折り返しをFWメッシがヘディングシュート。いきなりフィニッシュまでもっていった。56分には右サイドに開いたFWメッシのパスからMFルイス・ゴンサーレスのヒールパスを経由してDFクレメンテ・ロドリゲスがシュート。流動的なパスワークから決定的な場面をつくったが、アルゼンチンはこれもゴールに結びつけることができなかった。 一方のブラジルは59分にMFカカーを投入。ドゥンガは主導権を再度自分たちで握るべく積極的な選手交代をする。するとドゥンガの思惑通り、試合の流れは徐々にブラジルに傾く。そして77分、MFカカーを起点にした速攻から後方から上がったMFエラーノが得意の右足で冷静にゴールに押し込み、ブラジルが2点目を奪った。 無得点では終われないアルゼンチンは攻撃に偏重するが、相手の引いた守備に四苦八苦。バシーレ監督は18歳のFWアグエロを投入したが、それでも流れは変わらなかった。試合を優位に進めたブラジルは、89分にもMFカカーのゴールでダメ押し。試合は、3-0 でブラジルが快勝した。 ブラジルは前回のノルウェー戦に比べて11人がしっかりと連携をとれていた。MFホナウジーニョ・ガウーショの温存による戦力ダウンが懸念されたがその心配は杞憂に終わり、ダニエウ・カルバーリョとエラーノの2人がそれぞれに機転を利かせては攻撃にプラスアルファを与えていた。シシーニョはアトレチコ・ミネイロやサンパウロにいた当時と変わらない果敢なオーバーラップでゴール前に飛び出す普段通りの動きを披露した。ホビーニョとフレッジの2トップの熟成度には課題が残ったが、要所において相手を圧倒していたセレソン。ホビーニョとエラーノの旧サントス・コンビに新たな可能性を見出すこともできた。親善試合とはいえ、永遠のライバルであるアルゼンチンに快勝した意義は大きい。 対するアルゼンチンのアルフィオ・バシーレ監督は、将来を嘱望された若手を積極的に起用。同監督はテベス&メッシの小柄コンビに秘められた可能性を探ったが、足元の技術ではひけをとらないセレソンの守備網を崩しきれず、自身の初陣も白星で飾れなかった。主導権を握っている時間帯には魅惑的なパスワークを見せてくれたが、この日の見せ場はそこだけで相手に攻め込まれている時間は守備陣が混乱している様もうかがえた。これから完成形を目指すつもりのバシーレは、この試合で何を学んだのだろう。
写真右上; この日2得点と大活躍のMFエラーノ ( ブラジル / 右 ) は感情を爆発。左はFWフレッジ。
|