Copa TOYOTA Libertadores 2006 〜コッパ・リベルタドーレス〜 いざ初優勝へ! ハファエウ・ソービスの2発でインテルナシオナウ先勝。
決勝 1st.Leg サンパウロ 1-2 インテルナシオナウ
コッパ・リベルタドーレスは、8月9日に決勝の 1st.Leg が行われた。サンパウロのモルンビーで行われた サンパウロ×インテルナシオナウ は、FWハファエウ・ソービスが2ゴールの活躍でインテルナシオナウを勝利へと導いた。だが結果は1点差。勝負の行方は次の 2nd.Leg まで持ち越された。 試合は、開始早々サンパウロがFWヒカルド・オリベイラのシュートで攻撃の口火を切ったが、スムーズにボールをまわしていたのはインテルナシオナウ。6分にはFWハファエウ・ソービスが低くおさえたシュートで相手ゴールに迫った。互いに激しいチャージで相手をつぶしながら進んでいった試合は10分に動いた。空中でボールを競ったMFジョズエがFWハファエウ・ソービスと接触。その際、ハファエウ・ソービスの後頭部に肘打ちをくらわせたとみなしてホルヘ・ラリオンダ主審がMFジョズエにレッドカードを出した。危険なプレイではあったがイエローカードが妥当だった。サンパウロは1人少なくなってしまった。 あやしい判定で1人失ったサンパウロは劣勢に追いやられる。対してインテルナシオナウは、一人一人が精力的に動いてボールをまわし、徐々に相手を押し始めた。20分にはFWフェルナンドンが浮き球のパスをシュート。23分にはFWハファエウ・ソービスがミドルレンジからシュートを放った。サンパウロはカウンターでチャンスメイクするしかなかったが、24分にはFWヒカルド・オリベイラが左サイドを駆け上がってグラウンダーのクロスを供給。FWレアンドロのシュートをお膳立てする良い形もつくった。 無得点のまま迎えた38分、再び試合が動く。チェックに来たDFソウザの側頭部を平手打ちしたMFファビーニョにも主審がレッドカードを提示。これで10人対10人になった。インテルナシオナウが優位に進めた前半は、レッドカードだけが印象的な45分だった。 後半もボールを支配したインテルナシオナウが54分に均衡を破った。最終ラインから中央をタテにつないだボールは一気に前線のFWハファエウ・ソービスの足元へ。ハファエウ・ソービスはマークについたDFファボンをフェイントで振り切り、素早く右足を振り抜いた。ボールは左のゴールポストに当たってゴールへ。GKホジェーリオ・セーニの手も届かないコースへ蹴りこんだハファエウ・ソービスの判断が生んだ先制点だった。 その後もMFチンガの飛び出しなどで積極的な攻めを続けるインテルナシオナウ。彼らの良いリズムは62分に追加点をもたらした。左サイドに開いたMFアレックスのクロスをファーサイドに動いたFWフェルナンドンが頭でゴール前に折り返す。そこに詰めたMFチンガのシュートを阻もうとしたMFジュニオールが頭でボールをクリア。ところが、クリアボールがゴールポストに直撃。跳ね返ったところに待ちかまえていたFWハファエウ・ソービスが、GKホジェーリオ・セーニの守備範囲外になっていたゴール左側に右足でボールを押し込んだ。インテルナシオナウのリードは2点に広がった。 なおも主導権はインテルナシオナウにあった。70分にはMFアレックスのパスを受けたFWフェルナンドンが左サイドからクロス。ゴール前に飛びこんだMFチンガの手前で相手が足に当てたボールをFWハファエウ・ソービスがシュートを放った。ボールが浮いて枠内には飛ばず、ハファエウ・ソービスはハットトリックのチャンスを逃したが、インテルナシオナウの厚い攻撃を象徴する場面だった。 アベウ・ブラーガ監督は73分にMFアレックスに代えてDFインジオを投入。すると、インテルナシオナウはそれまでの攻撃的なリズムを失い、MFダニーロに代えてMFレニウソンを投入したサンパウロのほうに試合の流れが傾いた。MFソウザの効果的なオーバーラップやFWレアンドロのドリブルなどで徐々に相手を圧倒していく。そして76分、右に流れたFWレアンドロのアーリークロスをDFエジカルロスがヘディングシュート。これがいとも簡単にゴールネットを揺らせてサンパウロが1点を返した。それまで沈んでいたモルンビーのスタンドも、このときばかりはボルテージが上がった。 その後サンパウロは相手陣内でボールをまわして同点を狙ったが、インテルの牙城を崩しきれず。試合はインテルナシオナウがリードを守りきって勝利した。 相手に攻め込まれる時間の多かったサンパウロは、それでも相手より5本も多い15本のシュートを放ち、うち8本を枠内に飛ばした。だが、ゴールを予感させる類のシュートはほんの3〜4本に限られ、ほとんどはGKクレーメルによって阻まれた。昨年インテルを率いていたムリシ・ハマーリョ監督は相手を知り尽くしており、下馬評ではサンパウロ有利もささやかれていた。名将はインテルつぶしのプランを具体的に練っていたという。だが、そのプランはMFジョズエの早い時間帯での退場によって全て狂ってしまった。ジョズエの退場でMFミネイロは前に上がれず、単調な攻撃に終始する時間帯が長すぎた。 次節はジョズエが出られないためレニウソンかハマーリョの先発もありうるが、それ以前にFWヒカルド・オリベイラがベティスに戻ってしまう可能性もあるらしい。サンパウロの連覇は厳しくなったが、1点差なら逆転も充分可能だ。 対するインテルナシオナウは当初の作戦通りか、準々決勝や準決勝と同様後半に勝負をかけてきた。準々決勝のリーガ・デ・キト戦でゴールをあげたFWハファエウ・ソービスは、この日2ゴールの大活躍。負傷から復帰したMFチンガも前線でしばしばチャンスに絡んだ。 1980年にリベルタドーレス決勝に駒を進めたインテルナシオナウは、このときはナシオナル・モンテビデオ ( ウルグアイ ) の前に涙を呑んだ。あれから26年、1st.Leg を制した彼らは悲願の南米初制覇に向けて一歩前進した。 2nd.Leg はインテルナシオナウのホーム、ポルト・アレグレのエスタジオ・ベイラ・ヒオで行われる。ベイラ・ヒオで笑うのはどのクラブか。
写真右上; コンディションは良好。昨年の輝きを取り戻したFWハファエウ・ソービス ( インテルナシオナウ ) は2ゴールを奪取した。
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