Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜 キーパーソンは「カルロス・アウベルト」。コリンチャンス、ホームで完敗…
第16節 コリンチャンス 1-3 フィゲイレンセ
ブラジル全国選手権は、8月12〜13日に第16節が行われた。サンパウロのパカエンブーで行われた コリンチャンス×フィゲイレンセ は、カルロス・アウベルトという名前の選手が全得点に絡み、フィゲイレンセに軍配が上がった。敗れたコリンチャンスでは、ジェニーニョ監督が辞任する可能性も高まってきた。 試合は、アウェイのフィゲイレンセの優勢で始まった。6分にDFフラービオの間接フリーキックで最初のチャンスをつくると、20分にもオーバーラップしたDFフラービオがFWシュウェンクにクロスを供給。コリンチャンスは瀬戸際で失点を阻止したが、フィゲイレンセが相手陣内で攻める時間を多くつくった。 守勢のコリンチャンスもFWテベスが一人で奮闘。30分にロングフィードに反応し、最終ラインの裏に抜けて強烈なシュートを放つと、36分には右サイドから切れ込みGKアンドレを強襲するシュートを放った。43分には右サイドからペナルティエリアに侵入してファーサイドネットを狙ってシュートするも、狙いすぎたシュートは左ゴールポストに直撃して跳ね返り、ゴールを決められなかった。 試合は後半に動く。54分、MFカルロス・アウベルト ( フィゲイレンセ ) の右コーナーキックをMFシッセロが頭で合わせてフィゲイレンセが先制に成功。するとその5分後にもフィゲイレンセは追加点を奪取。59分、ペナルティエリアの右側でドリブルを仕掛けたMFカルロス・アウベルト ( フィゲイレンセ ) がDFセバスティアン・ドミンゲスに倒されてPKを獲得。これをFWシュウェンクがゴール右隅に蹴りこんで、フィゲイレンセが2点のリードを得た。コリンチャンスはPKを与えるファウルを犯したDFセバスティアン・ドミンゲスが2枚目のイエローカードで退場。得点差だけでなく、数的にも不利に追い込まれた。 コリンチャンスは、加速するフィゲイレンセの攻撃を止められなかった。69分、MFカルロス・アウベルト ( フィゲイレンセ ) が左サイドに浮き球のパスを送ると、DFフィニーニョが右足のインサイドでゴール前に折り返した。GKマルセーロとDFマルクス・ビニシウスの間をすり抜けるように転がっていったボールを、ファーサイドに走り込んでいたMFシッセロが押し込んで3点目。この時点でフィゲイレンセが勝負を決定づけた。 コリンチャンスは72分にMFカルロス・アウベルト ( コリンチャンス ) が倒されて得たPKをFWテベスが冷静に流し込んだが、数分後にMFマルセーロ・マットスが2度目の警告で退場して万事休す。両軍の「カルロス・アウベルト」が全得点に絡んだこの試合は、フィゲイレンセが制した。 コリンチャンスは攻守がちぐはぐで、チームとしてまとまっていなかった。低迷するチームで気を吐いていたのはテベス一人。テベスはPK以外でも相手ゴールを脅かすシュートを何本も放った。勝利への強い気持ちがプレイに表れていたのは、この男だけだった。ニウマールは長期離脱中、マスチェラーノは娘の入院を理由に帰国、グスターボ・ネーリやヒカルジーニョは移籍を志願し、そしてジェニーニョ監督は数節前から辞意を示している。もうバラバラの状態だ。チーム練習中に選手同士の喧嘩が勃発するなど内情の悪すぎる今のコリンチャンスに、まとまれと言うのは無理な話なのだろうか。 対するフィゲイレンセは前者とは異なり、チームとしてまとまっている。ワウデマール・レーモス監督の組織的な戦術が浸透し、攻守の切り替えが早くボールのないところでも選手個々の動きも効果的だ。この日は前線でポイントをつくったFWシュウェンクや、果敢に前線に飛び出していたMFシッセロの2人の動きが冴えていた。今の調子を維持できれば、スダメリカーナ出場圏内は安泰か。
写真右上; 不調のチームで孤軍奮闘のFWカルロス・テベス ( コリンチャンス ) だったが、ゴールはPKでの1点のみ。惨敗に愕然とする。
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