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Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜

グレミスタの放火で二度中断。クラシコ・ガウーショはスコアレスドロー。
第14節 インテルナシオナウ 0-0 グレーミオ

 ブラジル全国選手権は、7月29〜30日に第14節が行われた。ポルト・アレグレのエスタジオ・ベイラ・ヒオで行われた「クラシコ」 インテルナシオナウ×グレーミオ は、0-0 のエンパテ。試合中に火災が発生するも無事に90分間を終えた。

 州選手権を除くと、ブラジレイロンでは約2年ぶりの対決となったヒオ・グランジ・ド・スウ州のクラシコ「 Gre-Nal 」の試合前、グレミスタ ( グレーミオのサポーター ) の陣取るスタンドで両軍サポーターによる小競り合いが勃発した。小競り合いはやがて乱闘に変わり、殴る蹴るの喧嘩に発展。これを制止に入った警官隊とグレミスタとが衝突した。試合開始のホイッスルを吹こうとしていたウィウソン・ルイス・セネーミ主審はスタンドの様子を見てキックオフを遅らせる措置をとった。
 4〜5分ほど遅れて始まった試合は、8分にMFアドリアーノが左サイドの角度のないところからミドルシュートを放てば、グレーミオもMFウーゴがミドルシュートで応戦。やがてグレーミオが試合の流れをつかむと、19分にはFWハフィーニャがシュート。そして32分にはFWホムーロがミドルレンジから低い弾道のシュートを放った。GKヘナンが手で弾いたボールは左ゴールポストを直撃して跳ね返った。前半で最も惜しかった場面だった。

 後半開始直後、再び暴動が勃発する。後半開始から2〜3分ほど経った頃、試合前に乱闘の起こったゴール裏で火の手が上がった。試合は続けられたが、やがて炎は肥大化し、燃え移った横断幕から吹き出した黒煙がゴール裏の席を漆黒の闇に染めたため、ウィウソン・ルイス・セネーミ主審は試合を一時中断。警官隊の消化活動を見守って、再び試合を再開した。
 だが、警官隊がいくら消化器で鎮火を試みても火は一向に消えず、ベイラ・ヒオの関係者がポルト・アレグレの消防署に通報。消防車がピッチに現れたため試合は再び中断した。消防車の応援を借りての必死の消火活動が続く中、ピッチ上ではセンターサークル付近に立っていた主審に堂々とマイクを向けてコメントを求める記者団の姿があった。試合中ではありえない奇妙な光景だった。一方、火事を引き起こした張本人のグレミスタたちは、消えない火の傍らでまるで火事には一切無関係といわんばかりの態度で普段通り歌を歌ってピッチに声援を送っていた。
 約13分ずつの中断が2度起こり、試合への集中を削ぎ落とされた選手たちは無難なプレイに終始した。内容ではグレーミオに多くの決定機が見られたが、GKヘナンがファインセーブを連発して無失点に抑える。0-0 に終わった内容よりもむしろ、火災のほうが大きく取り上げられた異様なクラシコだった。

 インテルナシオナウは、リベルタドーレスに全てを捧げる重要な時期にあったため、宿敵グレーミオをホームに迎えたクラシコも主力を温存せざるをえない状況にあった。控え中心のメンバーで守護神も控えのヘナンが務めた。そのヘナンがファインセーブを連発して防戦一方の90分をしのいだ点では、インテルナシオナウにとっては及第点の結果と言えるのではないだろうか。

 グレーミオは、現状のベストメンバーを揃えて勝ちに行った。FWホムーロを筆頭に攻撃的な選手は積極的にシュートを放つなど、気持ちを前面に押し出していた。まして相手はリベルタドーレスを優先してこの試合を捨てたも同然の二軍チーム。シュート数や決定機の数においても、グレーミオに勝つチャンスは充分あった。この結果はグレーミオにとってもったいないものになったが、それ以上にグレミスタが起こした火災に対する制裁措置のほうがグレーミオの状況を危うくしそうだ。

 写真; クラシコが行われたエスタジオ・ベイラ・ヒオでは、試合中にグレミスタの放った火でスタンドが炎に包まれた。


ブラジル全国選手権 2006 第14節 (30/07/2006)
インテルナシオナウ 0-0 グレーミオ
ヘナン GK マルセーロ・グローエ
セアラー
ジョアン・ギリェルメ
エジグレ
フーベンス・カルドーソ
( ハモン )
DF アレッサンドロ
( パトリッシオ )
ペレイラ
エバウド
ブルーノ・テウレス
( バウデイール )
マイコン
ウェウリントン・モンテイロ
アウバーロ
アドリアーノ
( ミシェウ )
MF ルーカス
ジェオバーニオ
チェコ
ウーゴ
( エレーラ )
イアルレイ
( マルシオ・モッソーロ )
レンテリーア
FW ハフィーニャ
ホムーロ
ゴール
アウバーロ
アドリアーノ
イエロー
カード
ペレイラ
アベウ・ブラーガ 監督 マーノ・メネーゼス
主審; ウィウソン・ルイス・セネーミ
スタジアム; エスタジオ・ベイラ・ヒオ ( ポルト・アレグレ )
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