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FIFA Copa do Mundo 2006 〜 ワールドカップ2006 ドイツ大会 〜

ベルリンに消ゆ… 不運と誤算に困惑したアルゼンチン、力を出し切れず敗退。
準々決勝 ドイツ 1-1 ( PK: 4-2 ) アルゼンチン

 FIFAワールドカップは、6月30日に準々決勝の2試合が行われた。ベルリンのオリンピア・シュタディオンで行われた ドイツ×アルゼンチン は、延長戦でも決着がつかずPK戦にもつれこんだ末、GKレーマンの活躍でドイツが準決勝進出の権利を得た。GKアボンダンシエーリが負傷する不運もあったアルゼンチンは、力を100%出し切ることができずに敗れた。

 試合は、立ち上がり早々FWポドルスキーの後ろからのチャージにMFマスチェラーノが激昂。あわや乱闘かと思わせる場面もあった。アルゼンチンはボールを持てばスタンドから激しいブーイングを浴びる完全アウェイの雰囲気にも動じず、相手の猛攻をしのぎながらボールをつないで攻撃の形を模索していった。最初に決定的なチャンスをつくったのはドイツ。16分、カウンターからボールをつなぐとゴール前に飛びだしたMFバラックが頭でゴール隅を狙うシュートを打った。ボールは枠のわずか右上をすり抜けたが、数分後にもセットプレイのこぼれ球をDFメルテザッカーがシュートを放つなど先制の可能性を匂わせる場面をつくった。しかし、前半はどちらも守備偏重で試合を進めたため、目立った見せ場は少なかった。

 0-0 で折り返した後半、立ち上がりを突いて攻勢に出たアルゼンチンは49分に欲しかった先制点をマーク。MFリケルメの右コーナーキックにゴール前で競ったDFロベルト・アジャラが身を投げ出しながら頭でボールを押し込んだ。追いかける形になったドイツは反撃に転じる。アルゼンチンは途中まで攻撃的に試合を進めていたが、MFリケルメに代えてMFカンビアッソを投入するなど75分頃から守勢にまわって1点のリードを守り抜く作戦に出た。しかし、彼らはそのリードを守りきれなかった。80分、MFバラックが左サイドからクロスをあげると、MFボロウスキーが頭で流したところにFWクローゼが飛びこみ、ファーサイドのゴールネットを揺らすヘディングシュートを突き刺した。試合は 1-1 で延長戦に突入した。

 延長戦に入ると、満身創痍のドイツに対してアルゼンチンが押し始めた。リケルメの不在も苦にせず中盤で細かくボールをつなぐと、何度も相手陣内に攻め込んだ。FWテベス、DFコロッチーニらが積極的にシュートを放ち、MFソリンは何度もゴール前に飛び出して追加点を貪欲に狙っていった。ドイツも応戦したが、こちらにはゴールの予感はなかった。
 試合は延長でも決着が着かずPK戦に突入。ドイツは最初のFWノイビルが決めると、アルゼンチンもFWフリオ・クルスが決める。2人目、ドイツはMFバラックが決めたのに対して、アルゼンチンはDFアジャラのキックがGKレーマンに読まれ阻まれた。3人目、FWポドルスキーが決めたドイツに対してアルゼンチンはMFロドリゲスが決めた。4人目、ドイツはMFボロウスキーが決めたのに対して、アルゼンチンはMFカンビアッソのキックがGKレーマンに阻まれた。5人目のキッカーを待たずPK戦 4-2 でドイツがベスト4に駒を進めた。アルゼンチンはあと1歩のところで決勝トーナメントから滑り落ちるはめになってしまった。

 アルゼンチンのペッケルマン監督は、結果を出していたベストの布陣に多少の変更を加えた。カンビアッソの代わりにルチョを、サビオラの代わりにテベスをそれぞれ配置した。これまでの試合のように終盤に攻勢をかけると思われたが、GKアボンダンシエーリがFWクローゼとの接触で脇腹を痛めて途中退場する事故が発生。これがペッケルマンの"勝利へのシナリオ"を狂わせてしまった。リケルメを下げる消極策に出たペッケルマンは、クレスポに代えてFWクルスを投入。交代枠を使い切り、MFアイマールやFWメッシなどを起用する術を自らの采配でつぶしてしまったのであった。。
 秘めている戦力を100%使いきることができずベスト8で涙を呑む羽目になったアルゼンチン。開催国との対決という壮絶なプレッシャーがあったとはいえ、アルゼンチン国民はこの敗退を受け入れられるのだろうか。

 写真右上; 延長後半、ペナルティエリア内で足をかけられ転倒したMFマキシミリアーノ・ロドリゲス ( アルゼンチン / 右 ) 。しかし、主審はPKをとらずマキシのシミュレーションと判断して同選手にイエローカードを提示した。
  写真左; FWミロスラフ・クローゼ ( ドイツ / 左 ) と、彼の同点ゴールをお膳立てするアシストをしたMFティム・ボロウスキー ( ドイツ / 右 ) 。
 写真右下; 49分にDFアジャラのヘディングで先制。後半立ち上がりの先制に、ファンは勝利を確信したのだったが…。


FIFAワールドカップ 2006 準々決勝 (30/06/2006)
ドイツ 1-1
( PK: 4-2 )
アルゼンチン
イェンス・レーマン GK ロベルト・アボンダンシエーリ
( レオナルド・フランコ )
アルネ・フリードリッヒ
ペル・メルテザッカー
クリストフ・メッツェルダー
フィリップ・ラーム
DF ファブリッシオ・コロッチーニ
ロベルト・アジャラ
ガブリエル・エインセ
トルステン・フリンクス
ミヒャエル・バラック
ベルント・シュナイダー
バスティアン・シュバインシュタイガー
( ティム・ボロウスキー )
MF ハビエル・マスチェラーノ
ルイス・ゴンサーレス
マキシミリアーノ・ロドリゲス
ファン・パブロ・ソリン
ファン・ロマン・リケルメ
( エステバン・カンビアッソ )
ミロスラフ・クローゼ
( オリバー・ノイビル )
ルーカス・ポドルスキー
FW エルナン・クレスポ
( フリオ・リカルド・クルス )
カルロス・テベス
( リオネル・メッシ )
ミロスラフ・クローゼ 80 ゴール 49 ロベルト・アジャラ
ルーカス・ポドルスキー
ダビド・オドンコル
アルネ・フリードリッヒ
イエロー
カード
ファン・パブロ・ソリン
ハビエル・マスチェラーノ
マキシミリアーノ・ロドリゲス
フリオ・リカルド・クルス
ユルゲン・クリンスマン 監督 ホセ・ペッケルマン
主審; ルーボス・ミッチェル ( スロバキア )
スタジアム; オリンピア・シュタディオン ( ベルリン )
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