|
Copa TOYOTA Libertadores 2006 〜コッパ・リベルタドーレス〜 鬼門ハリスコで納得の結果。ホジェーリオ・セーニのPKでサンパウロ先勝。
準決勝 1st.Leg チーバス・デ・グアダラハーラ 0-1 サンパウロ
コッパ・リベルタドーレスは、7月26日に準決勝の 1st.Leg が行われた。ブラジルはサンパウロのモルンビーで行われた チーバス・デ・グアダラハーラ×サンパウロ は、GKホジェーリオ・セーニのPKで85分に先制したサンパウロがそのまま逃げ切り、敵地で先勝した。 試合は、立ち上がりをサンパウロが効率よくボールをまわし、落ち着いてパスをつないでゴール前に運ぶと、5分にはMFダニーロがミドルシュート、6分にはMFソウザがそれぞれシュートを放ち、積極的に攻めていく。対するチーバスもパスを多用して反撃、8分には右サイドから崩すとFWアドルフォ・バウティスタが角度のないところからシュート。序盤から両者ともにレベルの高い攻守をしてみせた。迎えた19分、サンパウロはセットプレイからゴール前に飛びこんだFWヒカルド・オリベイラが頭で合わせてゴールネットを揺らす。ところが、チーバス側がヒカルド・オリベイラがボールを腕に当てたと抗議。すると、講義を聞いた主審は副審と事実確認を行った上でゴールを取り消した。今度はゴールを取り消されたサンパウロはこの判定に異議を唱えたが、ゴールは取り消しとなり、サンパウロの先制は幻と消えた。 0-0 で折り返した後半は、チーバスが畳みかけた。47分にセットプレイからチャンスメイクすると、52分には右サイドからのフリーキックにFWバウティスタが頭で合わせた。シュートはGKホジェーリオ・セーニの正面に飛んだが、決定的な場面だった。対するサンパウロもピッチを広く使ってボールを運び、前線にボールを供給。何度か決定的なチャンスをつくった。58分には左サイドに開いたFWレアンドロが右足にボールを持ち替えてシュート。先制点を狙って攻めていく。チーバスも負けじと攻め、64分には右サイドのクロスをフリーのFWバウティスタが頭で折り返した。味方が誰もおらずゴールに結びつかなかったが、決定的なシーンが生まれた。 切迫した試合が動いたのは84分。FWアロイージオがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。これをGKホジェーリオ・セーニがゴール左隅に決めてサンパウロがついに先制点を得た。結局このゴールが決勝点となり、サンパウロが敵地グアダラハーラで先勝した。 
チーバス・デ・グアダラハーラにとっては、不完全燃焼の90分だった。準々決勝まで見せてきた勢いがなぜかこの日は影を潜めていた。時折パスワークで崩すシーンもあり、流れの中からは何度か決定的なチャンスもつくっていた。76分にはFWオマール・エスパルサが右足のインステップで放った強烈なシュートがクロスバーを直撃するという惜しいシーンもあった。しかし、それでもいつもの彼らではなかった。グループリーグで勝てている相手なら…という驕りがあったのか、MFアルベルト・メディーナをスタメンで起用しないなど戦力をフルに使わなかったことがアダになったようだ。次節、モルンビーで彼らに課された条件は「勝利」のみ。この日のようなちぐはぐさを修復できなければ、モルンビーでも苦戦するだろう。対するサンパウロは、３日前のブラジル全国選手権で温存した主力を揃え、万全の状態でこの試合に臨んだ。先週のエストゥディアンテス戦とは違ってコンディションの整えてきた選手たちは、普段通り冷静にゲームを進めることができていた。しかし相手の守備網を崩した場面は数えるほどで、むしろ目立ったのはミドルシュート。グループリーグでの２連敗が脳裏に焼きついているせいか、はたまた鬼門であるエスターディオ・ハリスコの独特な空気に気圧されたのか、前のめりに人数をかけるといった攻撃はさほど見られなかった。まだチーバスを攻略する術を見出したわけではないようだが、重要なのは結果である。アウェイゴール１点を得ての勝利は、サンパウロをさらに決勝へ近づかせたと言っていいだろう。
写真右上； 85分、PKで値千金の決勝点をあげたGKホジェーリオ・セーニ ( サンパウロ ) 。
| |||||||||||||||||||||||||||||||||
