Copa TOYOTA Libertadores 2006 〜コッパ・リベルタドーレス〜 遅すぎた反撃。主力放出後のベレスに力不足は否めず、アルヘン勢全滅。
準々決勝 2nd.Leg ベレス・サルスフィエール 1-2 チーバス・デ・グアダラハーラ
コッパ・リベルタドーレスは、7月20日に準々決勝 2nd.Leg が行われた。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのエスターディオ・ホセ・アマルフィターニで行われた ベレス・サルスフィエール×チーバス・デ・グアダラハーラ は、MFラモン・モラーレスのPKで先制したチーバスが 2-1 でベレスを退けた。2試合合計 2-1 でチーバス・デ・グアダラハーラが準決勝に進むことが決まった。 試合は、9分に浮き球のパスに抜けたFWマウロ・サラーテが反転してループシュートを放ち、ベレスが積極的にゴールを狙っていった。だが、チーバスも臆することなく応戦。ショートパスをつないで相手陣内に攻め込んでいった。試合が動いたのは27分。FWオマール・ブラーボのシュートをDFファビアン・クベーロがペナルティエリア内で手に当ててしまい、チーバスがPKを獲得。これをMFラモン・モラーレスがゴール右隅に沈めて貴重なアウェイゴールを得た。追いかけるベレスはゴール前までボールを運ぶも、シュートが逸れるなどゴールを奪えず。43分にはMFソモーサがロングシュートを放ったが、これもまた枠を逸れた。 後半、チーバスは前がかりのベレスの裏をついて攻め立て、FWバウティスタにボールを集めては何度か決定機を演出。余裕を持って試合を進めると、コーナーキックからFWアドルフォ・バウティスタが左足で強烈なシュート。ボールは相手選手に当たってゴールネットを揺らせ、73分に追加点を奪った。この時点でチーバスは圧倒的有利に。ベレスは残り18分間で3点をとらなければならなくなった。 絶望的な状況に追い込まれて、ようやくベレスは反撃を開始。人数をかけて相手陣内でボールをまわしては得点の機会をうかがっていく。そして82分、MFパブロ・バタージャのミドルシュートが相手選手の足に当たって軌道が変わり、ゴールマウスに吸い込まれた。ようやく1点を返したベレスは残された時間で2点を奪おうと、総攻撃に出る。しかし、幾度攻めてもGKオスワウド・サンチェスの立ちはだかるゴールマウスをこじあけられず、焦りだけが募った。後半ロスタイムは5分用意されたが、その5分間も生かしきれなかったベレス。可能性はあったがゴールが遠く、チーバスの準決勝進出が決まった。 ベレス・サルスフィエールは、中断していた2ヶ月間でチーム内に複数の変化があった。FWルーカス・マルティン・カストロマンの負傷欠場に加えて、FWローランド・サラーテとMFレアンドロ・グラシアンをも放出。しかし代わりとなる新戦力を確保できず、それまでベンチ要因だった選手をスタメンで使うしか手がなかった。戦力が低下したベレスは中断前の勢いを失い沈黙。FWマウロ・サラーテだけがキレのある良い動きをみせていたが、チーム全体としては力不足だった。 対するチーバス・デ・グアダラハーラは、充実した戦力を揃え万全の態勢でブエノスアイレスに乗り込んだ。メキシコでも有数の強豪クラブであるチーバスには代表クラスの選手も複数おり、チームとしても非常に安定している。昨年のリベルタドーレスでベスト4まで勝ち上がった実績もあり、今年もまたベスト4に名を連ねた。中盤で手数をかけてボールをつなぐスタイルにはメキシコサッカーの特徴が生かされている。メキシコ勢初の優勝に向けて、今年のチーバスはどのような結果を残せるのだろう。今後が楽しみなところではある。
写真右上; チーバスの安定した守備を崩しきれず、リベルタドーレス敗退が決定。試合終了後うなだれるベレスの選手たち。
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