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Copa do Brasil 2006 〜コッパ・ド・ブラジル〜

フラメンギスタの悲願成就。宿敵に連勝したフラメンゴ、頂点に君臨。
決勝 2nd.Leg バスコ・ダ・ガマ 0-1 フラメンゴ

 優勝チームにコッパ・リベルタドーレスの出場権が与えられるコッパ・ド・ブラジルは、7月26日に決勝 2nd.Leg が行われた。リオ・デ・ジャネイロのマラカナンで行われた バスコ・ダ・ガマ×フラメンゴ は、FWフアンのゴールでフラメンゴが勝利をおさめた。2試合合計 3-0 でフラメンゴがコッパ・ド・ブラジルの王座に君臨した。

 試合は、開始早々3分にFWバウジール・パペウがラフプレイでイエローカードをもらう波乱の幕開けとなった。立ち上がりを支配したのは2点を追いかけるバスコで、17分にはコーナーキックのセカンドボールをMFモライスが枠内にシュートを放った。GKジエーゴが頭上に弾いたが、バスコにとっては実に惜しい場面だった。
 対するフラメンゴは守勢にまわっていたが、15分にFWバウジール・パペウが2枚目のイエローカードで早々に退場すると、フラメンゴは数的優位に立って徐々に試合を支配していく。さらに、ネイ・フランコ監督の判断で22分にFWオビーナが投入され2トップから3トップに変わると、攻撃にもリズムが生まれはじめた。24分にはカウンターからMFヘナットのパスを受けたFWオビーナがシュート。マークについていたDFジョルジ・ルイスにブロックされて跳ね返ったボールを再び放ったシュートはクロスバーの上を越えてしまったが、積極性の感じられるプレイだった。
 この攻撃で何らかのきっかけを得たフラメンゴは、27分に先制点をもぎとる。MFレオナルド・モウラが中央から右に流れて放ったシュートが相手の足に当たって中央へ転がると、そこに走り込んだFWフアンが左足を振り抜いた。ボールは目の前の選手の足に当たって軌道が変わり、ゴール右隅に吸い込まれた。この先制弾がフラメンゴをさらに優位にさせた。バスコ・ダ・ガマは残された時間で3点以上を奪う必要に迫られた。
 だが、バスコ・ダ・ガマは反撃のきっかけがつかめず、逆に彼らの焦りに便乗するかのようにしてフラメンゴが攻撃を厚くさせた。60分にはMFジョナタスが中盤で2人を抜いてペナルティエリアに侵入してシュート。GKカッシオの素早い反応に阻まれるも手応えを感じさせる攻撃の形を披露した。フラメンゴの猛攻は終わらず、66分にはMFジョナタスからのパスを前線で受けたFWルイゾン ( 元ブラジル代表 ) が右足でゴールポストを直撃するシュートを放った。ボールの軌道があと15cmほど右に逸れていれば追加点になっていたであろう、惜しいシュートだった。
 フラメンゴの効果的な攻撃ばかりが目立ち、防戦一方のバスコ・ダ・ガマに反撃の可能性は感じられず。試合は 1-0 でフラメンゴが勝利をおさめた。

 バスコ・ダ・ガマは現有戦力で構成できるベストメンバーを揃えたが、期待に見合うような効果は得られなかった。10日前に同一カードが行われたブラジレイロンではフラメンゴを破ったが、肝心のコッパ・ド・ブラジルでは2戦続けて納得のいく試合ができなかった。あと1歩のところでリベルタドーレス出場権を逃したバスコ。ホマーリオ ( マイアミFCにレンタル移籍中 ) の不在を言い訳にはできない。チームの主体である若手の経験不足と、全盛期には程遠いFWエジウソン ( 元柏レイソル ) の衰え、そして15分に退場したFWバウジール・パペウのラフプレイを敗因として言及すべきであろう。

 対するフラメンゴは、相手の自滅に助けられた感もあったが、全体的に上手な試合運びができていた。チーム練習の際ネイ・フランコ監督は、この日のために 3-6-1 と 4-4-2 の2通りのフォーメーションを試していた。ルイゾンやオビーナの位置取りやヘナット・シウバのリベロ移行などからサイド攻撃の際のクロスの確認とあらゆる事態を想定した実践的なテストを行った。実際には 3-6-1 は適用されなかったが急造の 4-3-3 が思いのほか機能し、結果的に試合を掌握することに成功した。
 フラメンゴは2004年にもコッパ・ド・ブラジルで決勝に駒を進めたのだが、このときはサント・アンドレ ( サンパウロ州 ) に優勝をかっさらわれて準優勝に終わった苦い経験が残っている。かくして1990年以来、実に16年ぶりに同杯の優勝を果たしたフラメンゴ。来年行われるリベルタドーレスの出場権を手にした名門は、ここから常勝復活の第一歩を踏み出せるかもしれない。

 写真右上; 1990年以来、16年ぶりのコッパ・ド・ブラジル優勝を決めたフラメンゴ。
 写真左; 27分に先制点を決めたFWフアン ( フラメンゴ ) 。
 写真右下; 宿敵バスコを倒して優勝することを信じてスタンドを湧かせたフラメンゴのサポーター。彼らの思いは、選手たちに充分伝わった。


コッパ・ド・ブラジル 2006 決勝 2nd.Leg (26/07/2006)
バスコ・ダ・ガマ 0-1 フラメンゴ
カッシオ GK ジエーゴ
ワグネール・ジーニス
ファービオ・ブラージ
ジェルジ・ルイス
ジエーゴ
DF ヘナット・シウバ
フェルナンド
ホドリーゴ・アーホス
レオナルド・モウラ
イーゴリ
アンドラージ
( アベージ )
モライス
( エルナーニ )
ハモン
( バウジラン )
MF ジョナタス
トロー
( オビーナ )
ヘナット
ヘナット・アウグスト
( ペラウタ )
バウジール・パペウ
エジウソン
FW フアン
ルイゾン
( レオナルド・モウラ )
ゴール 27 フアン
ワグネール・ジーニス
モライス
アベージ
イエロー
カード
トロー
ルイゾン
ヘナット・アウグスト
フェルナンド
バウジール・パペウ レッド
カード
ヘナット・ガウーショ 監督 ネイ・フランコ
主審; カルロス・エウジェーニオ・シモン
スタジアム; マラカナン ( リオ・デ・ジャネイロ )
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