FIFA Copa do Mundo 2006 〜 ワールドカップ2006 ドイツ大会 〜 厚かった白い壁。 エクアドル、ベッカムの右足に沈む。
決勝トーナメント1回戦 イングランド 1-0 エクアドル
FIFAワールドカップは、6月25日に決勝トーナメント1回戦の2試合が行われた。シュトゥットガルトのゴットリープ・ダイムラー・シュタディオンで行われた イングランド×エクアドル は、MFデイヴィッド・ベッカムのフリーキックが直接決まって先制したイングランドが 1-0 で勝利した。出場3回目でベスト8以上を目指したエクアドルの戦いは、ここで終わった。 試合は、10分にエクアドルが決定的なチャンスをつくった。エクアドルのロングフィードをDFジョン・テリーが目測を誤るヘディングでクリアに失敗すると、ルーズボールを拾ったFWカルロス・テノーリオがフリーでシュートを放った。だが、ボールはクロスバーを叩いて跳ね返り、エクアドルは先制の絶好機を逸する形となった。テノーリオのシュートの瞬間、身を挺してスライディングをしたDFアシュリー・コールの太ももに当たって軌道が変わったのであった。もし、アシュリー・コールの身体を張ったディフェンスがなければ、ボールはゴールネットに突き刺さっていたであろう。 両者はボール支配率で互角に渡り合い、0-0 で後半に突入。そして59分、ようやく試合が動いた。左サイドで得たフリーキックをMFデイヴィッド・ベッカムがゴール左隅に突き刺した。GKクリスティアン・モーラの右手はボールに触れたが、弾き返すことはできなかった。 リードを許したエクアドルは65分にFWデルガードのキープからMFルイス・バレンシアが強烈なシュートを放つも、GKロビンソンの好守に阻まれる。イングランドはロングボール主体で攻撃を組み立てたが、前線にFWルーニーしかいない状況でボールがつながらず、グラウンダーのパスも織り交ぜながら2点目を狙いにいった。しかし、ベッカムの先制点以降はどちらもゴールを割れず、結果は 1-0 。イングランドが、ベッカムのフリーキックで勝利をおさめた。 エクアドルは、最後まで試合の主導権を握れなかった。グループリーグで見せた効果的なパス回しは少なく、前線の2人はテリー&ファーディナンドの屈強なセンターバックコンビの前に思うように仕事をさせてもらえなかった。スアーレス監督は試合前に自信をのぞかせていただけに、ベスト8を目前にしての敗退に落胆していたそうだ。しかしながら、エクアドルの奮闘は今大会ではとりわけ光っていたと言えよう。高地でしか結果を残せない"内弁慶"との批評を覆したことで、エクアドルに対する世界の目も変わったに違いない。
写真右上; 10分にエクアドルは絶好のチャンスを迎えたが、FWカルロス・テノーリオ ( エクアドル / 右 ) のシュートはクロスバーを直撃。DFアシュリー・コール ( イングランド / 左 ) の太ももに当たってボールの軌道が変わってしまった。
|