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FIFA Copa do Mundo 2006 〜 ワールドカップ2006 ドイツ大会 〜

百戦錬磨の知将も恐るるに足らず。セレソン、連勝でグループリーグ突破!
グループF ブラジル 2-0 オーストラリア

 FIFAワールドカップは、6月18日にグループFの1試合が行われた。ミュンヘンのアリアンツ・アレーナで行われた ブラジル×オーストラリア は、FWアドリアーノのゴールでブラジルが勝利。連勝で勝ち点を6に伸ばして決勝トーナメント進出を確定させた。

 試合は、ブラジルが立ち上がりを攻めた。2分にはFWカカーがボレーでミドルシュートを放って攻撃の口火を切る。オーストラリアも負けじとサイド攻撃で応戦。序盤から緊張感のある内容になった。7分にFWホナウドがMFグレーラに倒されて得たフリーキックをDFホベルト・カルロスが蹴ったがボールは枠の外へ。17分には右サイドのフリーキックをMFホナウジーニョ・ガウーショがゴール前に放り込んだが、決定的なチャンスにはならず。その後もセレソンは圧倒的に押すも、オーストラリアは堅い守備で相手の攻撃を跳ね返し続けた。
 得意のパスサッカーからなかなか形をつくれないブラジルは、FWホナウドがミドルレンジから積極的にシュートを放ち、ホナウジーニョ・ガウーショはドリブルでペナルティエリア内に攻め込んでいったが、いずれのシーンもゴールには結びつかず。オーストラリアは前半ロスタイムにMFブレシアーノがきわどいミドルシュートを放ったが、こちらもまたゴールの可能性を感じさせる場面は見られなかった。0-0 でハーフタイムに突入した。

 攻めあぐねていた前半の悪い流れを断ち切ったのは、新旧の怪物コンビだった。後半立ち上がりの48分、オフサイドすれすれのタイミングでスペースに抜けてMFホナウジーニョのスルーパスを受けた"旧怪物"FWホナウドが、相手をかわそうとフェイント。相手選手をひきつけると、右にいた"新怪物"FWアドリアーノにパスを出した。ボールをもらったFWアドリアーノはワンテンポずらして得意の左足を振り抜き、ゴール右隅にボールを転がしてブラジルが待望の先制点を奪った。
 ブラジルはその後も相手を圧倒するが、再び相手の堅い守備に苦しむ。対するオーストラリアは67分にカウンターから途中出場のFWハリー・キューウェルが遠目から浮き球のシュートを放ったが、ボールはわずかに枠の外にはずれる。そして、ここから互いに速攻でチャンスをつくる一進一退の攻防が繰り広げられた。引き分け以上を狙い、人数を割いて攻撃に偏重していったオーストラリアに対して、ブラジルはカウンターで素早く攻めた。76分には途中出場のFWホビーニョがボールを浮かせての技ありシュートを放った。81分にはコーナーキックからMFカカーのヘディングシュートがクロスバーに跳ね返される惜しいシーンもつくった。対するオーストラリアは79分にMFブレシアーノがゴール左上を狙うジャンピングボレーシュートであわや同点かという場面を演出。MFブレシアーノは83分にもフリーキックで決定機を演出。86分には相手のオフサイドトラップの穴を突いたFWビドゥーカがヘディングで双方ともに譲らず、緊迫した展開で試合は進んでいった。
 勝負を決めたのは、ブラジルの若き才能たちの活躍だった。88分、ゆっくりとしたボールまわしから前線にボールをつなぐと、右サイドでフリーになったFWホビーニョがシュート。二アポストに当たって跳ね返ったボールに途中出場のFWフレッジが詰めて、貴重な追加点をブラジルが得た。これが決勝点となり、ブラジルが勝利をおさめた。

 ブラジルは、まだ全体的に好調とはいえない試合内容ではあったが、それでも順当に勝利した。この試合において特筆すべきは、センターバック顔負けの献身的な守備をみせたMFゼ・ホベルトと、試合展開を先読みして積極的な選手交代をしてのけたカルロス・アウベルト・パヘイラ監督の2人であった。前者は中盤から最終ラインまで全力疾走しては身を挺しての守備で、失点の危機を回避。教本に載ってもよいぐらいのフェアなタックルは、非のつけどころもないものだった。後者は、どこかしらの国の監督とは違って、最後まで積極的な采配を続けた。絶対的な存在とも言えるホナウド&アドリアーノの2人だけに依存せず、動きにキレのあるホビーニョやフレッジを投入したあたりは、その最たるものだった。知将ヒディンクが相手とあって苦しい戦いになると予想した評論家も多かったが、今のセレソンにとっては、あのヒディンクでさえも敵ではなかったようだ。
 しかし、すべてがうまくいったわけではなかった。オーストラリアの堅い守備に苦しんだ。不調のFWホナウドは前の試合よりは精力的に動いたが、依然復調と呼ぶには程遠いちぐはぐなプレイを繰り返した。「ホナウドをはずせ」という世間の声がさらに強まるのは確実と思われる。次の日本戦にホナウドの姿はあるのか。

 写真右上; 48分、均衡を破る先制ゴールをマークしたFWアドリアーノ ( ブラジル ) 。
 写真左上; 自らであげた先制ゴールをチームメイトとともに"揺りかごダンス"で喜ぶFWアドリアーノ ( ブラジル ) 。
 写真右下; 89分に決定的な2点目をゲットしたFWフレッジ ( ブラジル ) は、ワールドカップでの初ゴールに大喜び。
 写真左下; 試合開始前の一場面。試合に向けて集中力を高めるセレソンの中で、FWホナウド ( ブラジル / 右端 ) だけはぼーっと観客席を眺めていた。心ここにあらずか?


FIFAワールドカップ 2006 グループF 2戦目 (18/06/2006)
ブラジル 2-0 オーストラリア
ジーダ GK マーク・シュウォーツァー
カフー
ルッシオ
フアン
ホベルト・カルロス
DF ルーカス・ニール
クレイグ・ムーア
( ジョン・アロイージ )
トニー・ポポヴィッチ
( マルコ・ブレシアーノ )
エメルソン
( ジウベルト・シウバ )
ゼ・ホベルト
カカー
ホナウジーニョ・ガウーショ
MF ブレット・エマートン
ヴァインス・グレーラ
ティム・ケーヒル
( ハリー・キューウェル )
スコット・チッパーフィールド
ジェイソン・クリーナ
アドリアーノ
( フレッジ )
ホナウド
( ホビーニョ )
FW ミル・ステルヨフスキー
マーク・ビドゥーカ
アドリアーノ 48
フレッジ 89
ゴール
カフー
ホナウド
ホビーニョ
イエロー
カード
ブレット・エマートン
ジェイソン・クリーナ
カルロス・アウベルト・パヘイラ 監督 フース・ヒディンク
主審; マルクス・メルク ( ドイツ )
スタジアム; アリアンツ・アレーナ ( ミュンヘン )
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