FIFA Copa do Mundo 2006 〜 ワールドカップ2006 ドイツ大会 〜 世界を震撼させた90分。アルゼンチン、攻守ともに完璧。
グループC アルゼンチン 6-0 セルビア・モンテネグロ
FIFAワールドカップは、6月16日にグループCの1試合が行われた。ゲルセンキルヘンのアレーナ・アウフ・シャルケで行われた アルゼンチン×セルビア・モンテネグロ は、アルゼンチンが合計6点のゴールラッシュで大勝。"死のグループ"と言われたグループCにおいて余裕をもってグループリーグ突破を確定させた。 試合は、アルゼンチンのワンサイドゲームだった。開始からパスをつないで自分たちのリズムをつくったアルゼンチンは、6分にサイドに開いたFWサビオラが中に折り返したパスをMFマキシミリアーノ・ロドリゲスが決めて先制。以後、テンポよく試合を進めて31分にはリケルメ、サビオラ、カンビアッソ、クレスポとつないで最後はカンビアッソがゴール左隅に蹴りこむ2点目。流れるようなパスワークから生まれた美しいゴールだった。勢いそのままに41分には右サイドからドリブルで中央に切れ込んだFWサビオラがシュート。GKイェブリッチの手に当たってこぼれたボールをMFマキシミリアーノ・ロドリゲスが詰めて 3-0 でハーフタイムを迎えた。 後半になってもアルゼンチンの猛攻は止まらなかった。74分、MFマキシミリアーノ・ロドリゲスに代えてFWリオネル・メッシが入ると、そのメッシはいきなり活躍。左サイドを駆け上がって中央に折り返し、FWクレスポのゴールをアシストした。同じく途中出場のFWテベスも負けじと84分に相手2人を抜くと右足でゴールに沈めて5点目。とどめは88分、リケルメ、テベス、クレスポとつないだボールがペナルティエリアの右側に流れたところに、走りこんだFWメッシがGKイェブリッチの両足の間をすり抜ける鋭利なシュートを突き刺して6点目をゲット。アルゼンチンの、アルゼンチンによる、アルゼンチンのための90分だった。 アルゼンチンは、攻守ともに高い完成度を披露。セルビア・モンテネグロに何もさせない一方的な試合をしてみせた。特定の誰かが素晴らしかったのではなく、試合に出ていた全員がそれぞれ素晴らしいプレイでチームの勝利に貢献した。この日がワールドカップ初登場のテベスとメッシの2人も、途中出場ながらそれぞれ1点ずつを決めて、自身のデビュー戦を華々しく飾った。若手主体の人選にアルゼンチン国内では批判の的になっていたペッケルマン監督も、この勝利で雑音をかき消すことができたのではないだろうか。20年ぶりの優勝へ、視界良好だ。
写真右上; 84分、得意のドリブルで2人を抜いてゴールを決めたFWカルロス・テベス ( アルゼンチン ) 。
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