ブラジル代表のエジミウソン、右膝の痛みが癒えず代表離脱。

　日本代表では左太ももの負傷でDF田中誠が大会を前に代表を離れたが、似たようなことはセレソンにも起こった。ブラジル代表のMFエジミウソンが、痛めた右膝が癒えずセレソンを去ることになった。会見の場で、エジミウソンは悔しさのあまり目に涙をにじませていた。

　エジミウソンは、所属するバルセロナ ( スペイン ) でチームの二冠に貢献。中盤の守備力が買われてドイツ行きの切符を手にしていた。ところが、UEFAチャンピオンズリーグの決勝「バルセロナ×アーセナル」戦の試合中に右膝を負傷。この出来事がエジミウソンの未来を狂わせた。先に行われたルツェルンとの親善試合では途中からピッチに参入。麻酔を打った膝で出場したが、右膝の違和感は消えなかったという。「満足なプレイができる状態にはない」そう判断したパヘイラ監督は、エジミウソンの離脱を決めたのであった。

　ブラジル代表が宿泊しているホテルのロビーで急遽行われた記者会見に、エジミウソンはパヘイラ監督、マリオ・ザガロ テクニカルディレクターとともに登場。多くの報道陣の前で代表離脱を報告した。
　「セレソンを離れることになった。このカナリヤ色のユニフォームを着てワールドカップに出るのは小さい頃からの夢だったから、悔しくて悔しくて本当に残念でならない。本音は膝が痛くてもチームに残っていたかったけど、プレイできないのにチームに残ったらみんなに迷惑をかけてしまうから…仕方ないね。それから、ここまでぼくを支えてくれたみんなに感謝してることも言いたい。チームメイトはみんなぼくを慰めてくれたし、なかでもカフーの気遣いには涙が出た。カフーのような人格者になりたいと思ったほどだよ。あと、パヘイラとザガロにも感謝している」
　エジミウソンの胸の奥が痛いほど伝わり、詰めかけた報道陣は言葉を失ったという。

　また、一部では"アドリアーノとの不仲"がささやかれているが、これについてエジミウソンは「アドリアーノと仲が悪いなんてことはない。練習中に意見を交換したりしているだけ」と報道を否定した。

　エジミウソンは明日にもブラジルに帰国することになっている。

　エジミウソンが離脱したブラジル代表。彼の代役として、MFミネイロ ( サンパウロ ) が急遽セレソンに抜擢された。エジミウソンの抜けた穴は埋められるのだろうか。

　写真右上；　大会前の代表離脱が決定。悔しさのあまり涙ぐむMFエジミウソン。
　写真左下；　負傷した膝をずっと気遣ってくれたマリオ・ザガロ テクニカルディレクターに抱きしめられ、こぼれ落ちそうな涙をぐっとこらえるMFエジミウソン。