Copa TOYOTA Libertadores 2006 〜コッパ・リベルタドーレス〜 ライダーキック炸裂! ベンチを巻き込んだ大乱闘の末、ベルドン敗れる。
グループ7 第6節 パウメイラス 2-3 セロ・ポルテーニョ
コッパ・リベルタドーレスは、4月13日にグループ7の第6節が行われた。ボリビアはラ・パスのエスタジオ・パルケ・アンタルチカで行われた パウメイラス×セロ・ポルテーニョ は、エメルソン・レオン監督を巻き込んだ大乱闘が勃発するなど荒れに荒れた末 3-2 でセロ・ポルテーニョが勝利した。 試合は、大乱闘もあって後味の悪い形で終わった。セロ・ポルテーニョは前半から相手陣内に攻め込んだが、パウメイラスはこれを冷静に対処した。前半は何本かシュートがあっただけで 0-0 のまま、迎えた前半終了直前、事件は起こった。 ボールを奪おうとしたとき相手選手の頭にFWワシントンの腕が接触。そのとき倒れた選手を起こそうとしたDFドウグラスに対して、DFカルロス・バエスが仮面ライダーの "ライダーキック" を彷彿とさせるアクロバティックな跳び蹴りを見舞った。バエスのこの行動にDFドウグラスは拳で反撃。まもなく憤慨した両軍の選手たちがこれに応戦し、小競り合いはわずか数秒のうちに大乱闘に発展した。 パウメイラスのエメルソン・レオン監督は乱闘を止めようとする姿勢のなかった主審に口頭で抗議しはじめた。すると、この抗議が自分たちに向けられたものだと錯覚したセロ・ポルテーニョの選手の一部が、エメルソン・レオンに殴りかかろうとして収拾のつかない事態になった。この大乱闘は両軍総出の末ようやく沈静化をみたが、それらの契機となったDFドウグラスとDFカルロス・バエスの2人が喧嘩両成敗で一発退場の処分に。前半は、罵声と暴力だけが印象に残っただけだった。物々しい空気がパルケ・アンタルチカを覆い尽くした。 後半、先制点を奪ったのはアウェイのセロ・ポルテーニョだった。55分、FWサンティアーゴ・サルセード ( FC東京 ) の実弟MFドミンゴ・サルセードがペナルティエリアの外側から狙いすました綺麗なシュートをゴールに突き刺した。セロ・ポルテーニョは61分にもMFエルネスト・クリスタルドのクロスにFWエルウィン・アーバロスが頭で合わせて 2-0 とパウメイラスを突き放した。だが、無得点のまま負けるわけにはいかないパウメイラスは、81分にMFマルシーニョのゴールで1点を返す。しかし、エルウィン・アーバロスが83分に3点目を叩きこんで勝負あり。結果は 3-2 。セロ・ポルテーニョが敵地で勝利をあげた。 すでに決勝トーナメント進出を決めているパウメイラスは、来たるブラジル全国選手権の開幕を度外視して主力を揃えて試合に臨んだ。負けを嫌うエメルソン・レオン監督の采配の下で手を抜くわけにはいかず、マルシーニョ、パウロ・バイエルらは90分間出場した。捨て試合ではなかったのだが、敗れてしまった。アトレティコ・ナシオナルにグループ首位の座を奪われて2位に成り下がったパウメイラス。大乱闘にも見舞われた後味の悪い試合のうっぷんは、暴力でなく決勝トーナメントで結果を残すことで晴らしてほしい。 対するセロ・ポルテーニョは、第5節終了時点で勝ち点5の3位。別試合のアトレティコ・ナシオナルの結果次第ではグループ2位にくいこめる可能性も残されていた。彼らには勝つ以外の目的は何も見いだせなかった。だから乱闘を起こしてでも勝利を欲していたのだ。彼らの執念は結果に結びついた。勝ち点3も得た。だが、アトレティコ・ナシオナルが勝利したことで、セロ・ポルテーニョのグループ3位が確定。決勝トーナメント進出の道は閉ざされてしまった。最後まで諦めなかったチームの姿勢は素晴らしかったが、相手チームの監督に暴行を図った一連の大乱闘はいかがなものか。
写真右上; 前半終了間際に起こった大乱闘の巻き添えをくらったエメルソン・レオン監督 ( パウメイラス / 手前左 ) 。
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