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Campeonato Paulista 2006 -サンパウロ州選手権-

首位サントスを返り討ち。世界王者はまだ終わらない。
第18節 サンパウロ 3-1 サントス

 サンパウロ州選手権は、4月1〜2日に第18節が行われた。サンパウロのモルンビーで行われた「クラシコ」 サンパウロ×サントス は、GKホジェーリオ・セーニのゴールなど計3点を奪ったサンパウロが、首位サントスを打ちのめした。目前に迫っていたサントスの優勝はお預けとなった。

 サンパウロの意地とサントスの気迫が正面衝突する熱い90分だった。最初の決定機をつくったのはサントス。4分、MFジョズエのパスをインターセプトしたMFクラウディオ・マルドナードが前線にフィード。MFレオ・リーマが反応したが、得点には結びつかなかった。サンパウロも負けじと6分に決定機を迎える。MFダニーロの左サイドからのクロスをMFジョズエがゴールネットに突き刺したが、シュートの直前にMFジョズエのハンドがあったとの判定でゴールは取り消された。サンパウロは20分にも決定的な場面を迎えた。ドリブルで相手選手を振り切ったFWチアーゴが思い切ってシュートを放つ。ボールは前に飛び出していたGKファービオ・コスタの体に当たり、空中で弧を描いてゴールマウスへ。誰もがサンパウロの先制を確信した次の瞬間、MFクラウディオ・マルドナードがゴールライン上ギリギリでボールをクリアした。ゴールが生まれそうで生まれない、しかし見応え充分の濃密な立ち上がりだった。
 開始早々から攻撃的な展開になったこの試合の先制ゴールは、サントスが奪った。25分にFWヘイナウドがペナルティエリア内で倒されてサントスがPKを獲得。サンパウロの抗議で2分ほど中断したのち、27分にMFレオ・リーマがPKを決めてサントスが先制した。微妙な判定で失点したサンパウロも41分にFWアロイージオがペナルティエリア内で倒されるが、主審はこの場面ではPKを与えなかったため、サンパウリーノの怒号が飛び交う異様な空気に包まれた。その空気に呑まれたのか、主審ホドリーゴ・マルチンス・シントラは前半ロスタイムに、ペナルティエリア内で胸トラップをしたMFクラウディオ・マルドナードにハンドを宣告し、サンパウロにPKを与える。GKホジェーリオ・セーニが決めて 1-1 でハーフタイムに突入した。両軍が互いに不平不満を口にする締まりの悪い45分だった。

 後半、最初に攻めたのはサントス。54分、MFクレーベル・サンターナのクロスにDFルイス・アウベルトが合わせるが、GKホジェーリオ・セーニの好守に阻まれる。互いに次の1点を狙っての睨み合いが続く中、57分に試合を左右する出来事が起こった。MFジョズエに危険なチャージを犯したDFルイス・アウベルトがレッドカードをくらい、サントスが数的不利に陥った。ルシェンブルゴはDFウェンデウを投入して最終ラインの補正に尽力したが、ここからサンパウロが主導権を握っていった。74分、左サイドを突破したMFジュニオールのクロスにFWチアーゴが合わせて逆転に成功したサンパウロは、試合終了間際にもMFジュニオールのクロスを途中出場のFWアレックス・ジーアスが決めて勝利をたぐり寄せた。終盤のサントスには、余力は残っていなかった。

 引き分けでも宿敵サントスの優勝を許してしまうサンパウロには、絶対に勝利するといった意地が前面に出ていた。その気迫はサントスのそれを圧倒していた。不可解な判定で先制されるなど前半は優位に試合を進められなかったが、主導権を握った後半には状況も一転していた。MFジュニオール ( 元ブラジル代表 / 元パルマAC ) が2アシストを決めるなど、サイドからの崩しもうまくいっていたこの日のサンパウロ。勝利によって首位サントスとの勝ち点差はついに1に。サンパウロの次節は格下のイトゥアーノ戦。首位サントスの結果によるが、サンパウロは奇跡の逆転優勝を信じて勝ちにいくはずだ。

 対するサントスは、勝利か引き分けで優勝が確定するこの試合で、あろうことか逆転負けを喫した。サポーターから批判を受けているFWホドリーゴ・タバタをベンチに追いやり、先発には前節2ゴールのMFマグヌンを起用したが、このマグヌンが不発に終わった。流れの中からチャンスをつくる機会も少なく、ゴールはPKによる1点のみ。引き分けでも優勝が決まるという緩い考えがあったのかもしれないが、結果、内容ともに完敗といえるものだった。試合後、マイクを向けられたルシェンブルゴが怒り心頭のコメントを残したことは、もはや記すまでもないだろう。
 しかし、それでもまだ首位は首位。2位サンパウロとは勝ち点差1をつけている。次の試合でポルトゥゲーザを破れば、サントスの優勝は確定する。正念場で「勝つ試合」ができるかどうかが焦点となる。

 写真右上; 前半ロスタイムに同点とするPKを決め、ガッツポーズをみせるGKホジェーリオ・セーニ ( サンパウロ ) 。
 写真左上; MFファビーニョ ( サントス / 手前 ) のプレスで倒されるMFミネイロ ( サンパウロ ) 。目立ってはいなかったが、献身的なプレイでチームの攻守をコントロールした。
 写真右下; 試合終了後、スタンドのサポーターと勝利の喜びを分かち合うDFレアンドロ ( サンパウロ / 左 ) 。右はGKホジェーリオ・セーニ。
 写真左下; 試合開始前からモルンビーに入場して、横断幕をつるすサンチスタ ( サントスのサポーター ) 。


サンパウロ州選手権 2006 第18節 (02/04/2006)
サンパウロ 3-1 サントス
ホジェーリオ・セーニ GK ファービオ・コスタ
ファボン
ディエーゴ・ルガーノ
エジカルロス
( アレックス・ジーアス )
レアンドロ
( ヒシャリソン )
DF フリオ・マンスール
ドミンゴス
ルイス・アウベルト
ミネイロ
ジョズエ
ジュニオール
ダニーロ
MF ファビーニョ
クラウディオ・マルドナード
クレーベル・サンターナ
レオ・リーマ
( ウェンデウ )
クレーベル
チアーゴ
アロイージオ
( デニウソン )
FW マグヌン
( ホドリーゴ・タバタ )
ヘイナウド
( ジェイウソン )
ホジェーリオ・セーニ 45
チアーゴ 74
アレックス・ジーアス 93
ゴール 27 レオ・リーマ
ファボン
ディエーゴ・ルガーノ
エジカルロス
アロイージオ
イエロー
カード
ドミンゴス
ファビーニョ
クラウディオ・マルドナード
ジェイウソン
レッド
カード
ルイス・アウベルト
ムリシ・ハマーリョ 監督 バンデルレイ・ルシェンブルゴ
主審; ホドリーゴ・マルチンス・シントラ
スタジアム; モルンビー ( サンパウロ )
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