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Campeonato Gaucho 2006 -ヒオ・グランジ・ド・スウ州選手権-

レギュレーションを味方につけたグレーミオ、5年ぶりの州選手権制覇。
決勝 2nd.Leg インテルナシオナウ 1-1 グレーミオ

 ヒオ・グランジ・ド・スウ州選手権は、4月9日に決勝 2nd.Leg が行われた。州都ポルト・アレグレのエスタジオ・ベイラ・ヒオで行われた「クラシコ」 インテルナシオナウ×グレーミオ は、激戦の末 1-1 で引き分けた。2試合合計は 1-1 のイーブン。同州ではアウェイゴール・ルールが採用されているため、敵地で1点を奪ったグレーミオが州選手権の優勝チームに輝いた。

 試合は互いの闘志がぶつかる中始まったが、ボール支配率で相手に優っていたインテルナシオナウが25分に最初のシュートを放った。しかし決定的なチャンスをつくったのはグレーミオだった。前線とのパスワークからMFルーカスがシュートを放つ。ボールはGKクレーメルの体に当たってゴールへと転がったが、DFセアラーがライン上でクリアしたため得点にならなかった。後半も相手を押し続けたインテルナシオナウは、58分にDFボリーバルのパスを受けたFWフェルナンドンがゴールを決めてようやく先制。このとき、ベイラ・ヒオのボルテージは最高潮に達した。ところが、先制されてもマーノ・メネーゼス監督は冷静に試合を見極め、MFハモンに代えてMFペドロ・ジュニオールを投入。そのペドロ・ジュニオールは78分FWマルセーロ・コスタのパスを得点に結びつけた。試合はそのまま終了。最後に笑ったのは、アウェイゴール1点を奪ったグレーミオだった。

 得点ありきの引き分けでは優勝に届かないインテルナシオナウの至上命題は「勝利」だった。猛攻をしかけての大勝を狙ったアベウ・ブラーガ監督は、2列目の中盤にもFWを置く 4-2-4 の布陣で試合に臨んだ。厳密にはマルシオ・モッソーロやイアルレイがやや下がり目の位置でプレイしたが、4トップがそれなりの成果を出せたのは前半だけだった。後半、目が覚めた同監督はMFペルジゴンを投入するなどしてシステムの修正を試みたが、その結果マークの確認がずれてしまい、与えてはいけないアウェイゴールを献上したのであった。優勝を逃したインテルにとってのこの日の収穫は、負傷で長期間戦列を離れていたFWハファエウ・ソービスがピッチに戻ってきたことぐらいだ。

 対するグレーミオは、宿敵の心をへし折るのに最も効果的な「アウェイゴールを奪っての引き分け」を見事にやってのけた。決定機の数でもボール支配率でも相手を上回れず、先制点まで奪われるなど、内容は決して良いとは言えなかった。チームを救ったペドロ・ジュニオールのゴールで同点に追いつき、奇跡的にも優勝にありつけたグレーミオ。アウェイゴールというレギュレーションが彼らに栄冠をもたらしたと表現しても過言ではないだろう。ちなみに、グレーミオが州選手権で最後に優勝したのは、FWホナウジーニョ・ガウーショ ( ブラジル代表 ) を擁した2001年にさかのぼる。5年ぶりの古巣の優勝に、ホナウジーニョ・ガウーショも遠いスペインの地から祝福の一報を入れたという。

 かくしてグレーミオの優勝で幕を閉じたヒオ・グランジ・ド・スウ州選手権。4月16日から開幕するブラジル全国選手権で、昨年八百長事件の余波で優勝を逃したインテルナシオナウと2年ぶりの1部復帰に燃えるグレーミオの両者はどのような試合を演じてくれるのだろうか。

 写真右上; 敵地で引き分け、5年ぶりに州選手権を制したグレーミオ。
 写真左; あと一歩のところで優勝を逃したインテルナシオナウ。後半途中から出場したFWハファエウ・ソービス ( 元U-21ブラジル代表 ) は試合終了後、シャツで顔を覆ったまま悔しがった。
 写真右下; ボールを巡ってFWフェルナンドン ( インテルナシオナウ / 写真右 ) と競り合うDFパトリッシオ ( グレーミオ / 写真左 ) 。


ヒオ・グランジ・ド・スウ州選手権 2006 決勝 2nd.Leg (01/04/2006)
インテルナシオナウ 1-1 グレーミオ
クレーメル GK マルセーロ・グローエ
セアラー
ボリーバル
エジグレ
ルーベンス・カルドーソ
( ハファエウ・ソービス )
DF パトリッシオ
ペレイラ
エバウド
エスカローナ
( チェコ )
ファビーニョ
チンガ
MF ジェオバーニオ
ハモン
( ペドロ・ジュニオール )
ルーカス
ウェウリントン
マルシオ・モッソーロ
イアルレイ
( レンテリーア )
ミシェウ
( ペルジゴン )
フェルナンドン
FW マルセーロ・コスタ
ヒカルジーニョ
( ヌーネス )
フェルナンドン 58 ゴール 78 ペドロ・ジュニオール
チンガ イエロー
カード
ペレイラ
エスカローナ
マルセーロ・コスタ
アベウ・ブラーガ 監督 マーノ・メネーゼス
主審; レアンドロ・ブアーデン
スタジアム; エスタジオ・ベイラ・ヒオ ( ポルト・アレグレ )
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